デザイナーフーズのメリットデメリット両方を知る必要はあるよ!
本記事では、デザイナーフーズとは何か、その歴史、日本人に特におすすめのデザイナーフーズ、そしてデザイナーフーズを食生活に取り入れるためのポイントについて詳しく解説していきます。
目次
デザイナーフーズとは?
デザイナーフーズとは、1990年代にアメリカ国立ガン研究所を中心に、膨大な疫学研究データに基づいて、がん予防に効果のある植物性食品をピラミッド型に分類したものです。
デザイナーフーズの概念は、1970年代にアメリカの科学者によって初めて提唱されました。当時は、がん予防に効果的な食品がまだ十分に解明されていませんでしたが、その後の研究によって、様々な植物性食品ががん予防に役立つことが明らかになりました。
ピラミッドの上位には、がん予防効果が高いと考えられる食品が、下位には効果が低いと考えられる食品が配置されています。
デザイナーフーズの役割
デザイナーフーズは、がん予防以外にも、以下のような健康効果が期待できます。
- 生活習慣病予防
- 免疫力向上
- アンチエイジング
- 美肌効果
- デトックス効果
これらの効果は、デザイナーフーズに含まれる豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルなどの栄養素によるものです。
デザイナーフーズの種類
デザイナーフーズに分類される主な食品は以下の通りです。
ピラミッドの上位
- 緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、トマト、ニンジンなど)
- 全粒穀物(玄米、オートミール、雑穀など)
- 豆類(大豆、納豆、小豆、レンズ豆など)
- ニンニク
- 玉ねぎ
- キノコ
- ベリー類
- ブロッコリースプラウト
ピラミッドの中央
- 果物(リンゴ、バナナ、オレンジ、キウイなど)
- アブラナ科の野菜(キャベツ、カリフラワー、チンゲン菜など)
- イモ類(サツマイモ、ジャガイモなど)
- ナッツ類(クルミ、アーモンド、カシューナッツなど)
- 魚介類(青魚、鮭、サバなど)
ピラミッドの下位
- 赤身の肉
- 乳製品
- 卵
- 加工食品
日本人の健康に合わせたデザイナーフーズ
日本人の食生活は、欧米諸国に比べて野菜や海藻類の摂取量が多く、健康的な食事文化が根付いています。しかし、近年は食生活の欧米化や加工食品の増加により、野菜や海藻類の摂取量が減少している傾向があります。
デザイナーフーズピラミッドは、欧米人の食生活を基に作成されています。そのため、日本人の食生活に合わせたデザイナーフーズピラミッドも作成されています。
日本人の食生活に合わせたデザイナーフーズピラミッドでは、野菜や果物を中心に、きのこ類、海藻類、大豆製品などが推奨されています。また、日本人に多い胃がんや大腸がんのリスクを減らすために、緑黄色野菜や発酵食品の摂取も推奨されています。
具体的な食材とレシピ
デザイナーフーズピラミッドの上位に位置する食材には、以下のようなものがあります。
野菜類
ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、トマト、ほうれん草、きのこ類など
- ブロッコリーとトマトのサラダ: ブロッコリーとトマトを茹で、オリーブオイルとレモン汁で味付けしたサラダです。
- キャベツとツナの炒め物: キャベツを千切りにして、ツナと炒めたものです。
- ニンジンと鶏肉の煮物: ニンジンと鶏肉を醤油とみりんで煮込んだものです。
- トマトとチーズのオムレツ: トマトとチーズをオムレツに入れたものです。
- ほうれん草のおひたし: ほうれん草を茹で、だし汁と醤油で味付けしたものです。
- きのこの味噌汁: きのこをたっぷり入れた味噌汁です。
果物類
キウイ、イチゴ、ブルーベリー、オレンジ、グレープフルーツなど
海藻類
ワカメ、昆布、ひじきなど
- ワカメと豆腐のサラダ: ワカメと豆腐を水で戻し、野菜と一緒にサラダにしたものです。
- 昆布巻き: 昆布でご飯や具材を巻いたものです。
- ひじきの煮物: ひじきを水で戻し、野菜と一緒に煮込んだものです。
大豆製品
納豆、豆腐、味噌など
- 納豆: そのまま食べたり、ご飯に乗せたりして食べます。
- 豆腐ハンバーグ: 豆腐をハンバーグのように成形して焼いたものです。
- 味噌煮込みうどん: 味噌で煮込んだうどんに、野菜や豆腐などを加えたものです。
これらのレシピはほんの一例です。デザイナーフーズピラミッドを参考に、様々な食材を使って、自分の好みに合った料理を作ってみてください。
デザイナーフーズの選び方
デザイナーフーズを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 旬の食材を選ぶ: 旬の食材は栄養価が高く、味も良いです。
- 鮮度: 新鮮な食材を選ぶようにしましょう。
- 産地: 安全性の高い産地を選ぶようにしましょう。
- 有機栽培: 有機栽培の食材は、農薬や化学肥料の使用を抑えているため、より安全です。
デザイナーフーズの効果的な摂取方法
デザイナーフーズの効果を最大限に引き出すためには、以下の点に注意しましょう。
- バランス良く食べる: デザイナーフーズピラミッド全体からバランス良く食べるようにしましょう。
- 調理方法: 調理方法によって栄養価が変化します。できるだけ生で食べたり、煮たり蒸したりするなど、栄養素が壊れないように調理しましょう。
- よく噛む: よく噛むことで、消化吸収が促進され、栄養素を効率的に摂取することができます。
- 継続して食べる: デザイナーフーズの効果は、無理なく継続して摂取することで現れます。毎日意識して食べるようにしましょう。
デザイナーフーズを取り入れる際の注意点
デザイナーフーズは、がん予防に効果的な可能性がある食品ですが、万能薬ではありません。デザイナーフーズを取り入れる際には、以下の点に注意する必要があります。
1. 過剰摂取に注意する
デザイナーフーズの中には、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているものがあります。しかし、これらの栄養素を過剰摂取すると、以下のような健康被害を引き起こす可能性があります。
- 下痢: 食物繊維を過剰摂取すると、腸の動きが活発になりすぎて下痢になることがあります。
- 腹痛: 食物繊維を過剰摂取すると、腸内でガスが発生し、腹痛を引き起こすことがあります。
- 貧血: 鉄分を多く含む食品を過剰摂取すると、鉄分の吸収を阻害するフィチン酸を過剰摂取し、貧血になることがあります。
- 腎臓への負担: カリウムを多く含む食品を過剰摂取すると、腎臓への負担が大きくなります。
2. バランスの良い食生活を心がける
デザイナーフーズは、がん予防に効果的な可能性がある食品ですが、他の食品を排除する必要はありません。バランスの良い食生活を心がけ、様々な食品を適量ずつ摂取することが重要です。
3. 体調や体質に合わせる
デザイナーフーズの中には、アレルギーを引き起こす可能性があるものもあります。また、体調や体質によっては、特定の食品を摂取することができない場合があります。
4. 加工食品に注意する
デザイナーフーズの中には、加工食品として販売されているものもあります。加工食品には、塩分や糖分、添加物などが多く含まれている場合があります。これらの食品を過剰摂取すると、健康被害を引き起こす可能性があります。
5. 専門家に相談する
デザイナーフーズを取り入れる前に、医師や栄養士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家は、あなたの体調や体質に合わせたアドバイスをしてくれます。
6. デメリットも理解する
デザイナーフーズには、以下のようなデメリットもあります。
- コストが高い: デザイナーフーズの中には、高価なものもあります。
- 手に入りにくい: デザイナーフーズの中には、手に入りにくいものもあります。
- 調理に時間がかかる: デザイナーフーズの中には、調理に時間がかかるものもあります。
デザイナーフーズは、継続して摂取することが重要です。しかし、無理に続ける必要はありません。自分のペースで、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
デザイナーフーズ計画は中止された!?
デザイナーフーズ計画は、1990年代にアメリカ国立癌研究所を中心に進められたプロジェクトでしたが、2010年代に入り徐々に縮小され、現在は中止されています。その主な理由は以下の3つと考えられます。
1. 科学的根拠の不足
デザイナーフーズ計画は、疫学調査データに基づいて作成されました。しかし、疫学調査は、ある行動と病気の発生率との関連性を示すものであり、必ずしも因果関係を示すものではありません。
その後、デザイナーフーズの効果を検証する臨床試験がいくつか行われましたが、その結果、デザイナーフーズががん予防に効果的であるという明確な証拠は得られませんでした。
2. コストの問題
デザイナーフーズ計画は、大規模なプロジェクトであり、多額の費用がかかりました。しかし、デザイナーフーズの効果が明確に証明されなかったため、このプロジェクトへの投資は継続することが難しくなりました。
3. 食生活の多様性への配慮
デザイナーフーズ計画は、特定の食品を推奨するものでした。しかし、食生活は人それぞれであり、特定の食品だけに偏った食生活は健康に悪影響を与える可能性があります。
近年では、食生活の多様性を重視する考え方が広まっており、デザイナーフーズ計画のような、特定の食品を推奨するアプローチは時代遅れと見なされるようになりました。
- がん予防に効果的な可能性がある食品に関する情報が収集された
- デザイナーフーズピラミッドが作成された
- 食生活と健康の関係に関する研究が促進された
これらの成果は、現在も多くの研究者や医療従事者によって活用されています。
デザイナーフーズ計画は中止されましたが、その理念は受け継がれています。現在では、個人の食生活や体質に合わせた、より精度の高い食事指導が行われるようになっています。
また、近年では、腸内環境と健康の関係が注目されており、腸内環境を改善することで、がん予防に効果が期待できる可能性があるという研究が進められています。
近年、健康志向の高まりとともに、食生活の改善が重要視されているね。その中で、注目を集めているのが「デザイナーフーズ」と呼ばれる食品!