出世魚として有名で、成長とともに呼び名が変わるんだぞ!
今回は、ぶりの栄養、旬、選び方、美味しい食べ方についても詳しくご紹介します。
目次
ぶりは出世魚?
ぶりは、スズキ目スズキ亜目サバ科ブリ属に分類される海水魚です。出世魚として有名で、成長とともに呼び名が変わります。
出世魚とは、成長とともに名前が変わる魚のことを指します。一般的に、縁起が良いとされ、子供の成長や立身出世を願って贈られることもあります。
地域によって呼び名が異なる場合も多いですが、代表的な出世魚は以下の通りです。
- ブリ: ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
- サワラ: サゴシ→サワラ
- スズキ: スズキ→セイゴ→フッコ→スズキ
- アユ: ハヤ→アマゴ→アユ
- ボラ: ハゼ→イナ→ボラ
ハマチは、関東ではブリの幼魚を指す呼び名です。関西では、60~80cmのぶりをハマチと呼び、80cmを超えるとブリと呼びます。
つまり、ハマチとブリは同じ魚であり、大きさによって呼び名が変わるのです。
ブリは、関東ではブリ、関西ではワラサ、成長とともにメジロ、ブリ、ブリガツオと呼び名が変化するよ!
ぶりの栄養
ぶりは、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を豊富に含み、脳の健康や血液サラサラ効果が期待できます。また、ビタミンB群も豊富で、エネルギー代謝を促進し、疲労回復にも効果的です。
さらに、タウリンやカルシウム、鉄などのミネラルもバランス良く含まれており、まさに栄養の宝庫と言えるでしょう。
ブリの栄養素と効果
栄養素 | 効果 | 1日あたりの摂取推奨量 |
---|---|---|
DHA・EPA | 脳の健康、血液サラサラ効果、目の健康 | DHA・EPA合計で1.6g |
ビタミンB1 | エネルギー代謝促進、疲労回復 | 1.1mg |
ビタミンB2 | エネルギー代謝促進、皮膚や粘膜の健康 | 1.1mg |
ビタミンB6 | たんぱく質の代謝促進、免疫力向上 | 1.4mg |
タウリン | 肝臓の健康、コレステロール値低下 | 1,000mg |
カルシウム | 骨や歯の形成、神経伝達 | 650mg |
鉄 | 酸素運搬、貧血予防 | 10mg |
ぶりの健康効果
1. 脳の健康
ぶりには、DHAとEPAと呼ばれる不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
DHAとEPAは、脳の細胞膜を構成する重要な成分であり、記憶力や集中力の向上、認知症の予防に効果があることがわかっています。また、DHAとEPAは、血栓を予防する効果もあるため、脳梗塞や心筋梗塞などの予防にも役立ちます。
2. 血液サラサラ効果
ぶりには、EPAと呼ばれる不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。EPAは、血液中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果があるため、血液をサラサラにする効果があります。
血液がサラサラになると、血栓が形成されにくくなり、脳梗塞や心筋梗塞などの予防に役立ちます。
3. 疲労回復
ぶりには、ビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は、エネルギー代謝を促進する効果があるため、疲労回復に効果があります。
特に、ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する際に必要な栄養素であり、疲労物質の蓄積を抑制する効果もあります。
4. 肝臓の健康
ぶりには、タウリンと呼ばれるアミノ酸が豊富に含まれています。
タウリンは、肝臓の解毒作用を促進する効果があるため、肝臓の健康を維持するのに役立ちます。また、タウリンは、コレステロール値を下げる効果もあるため、動脈硬化の予防にも役立ちます。
5. 骨や歯の形成
ぶりには、カルシウムと呼ばれるミネラルが豊富に含まれています。カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素であり、骨粗しょう症の予防に役立ちます。
また、カルシウムは、筋肉の収縮や神経伝達にも必要な栄養素です。
6. 貧血予防
ぶりには、鉄と呼ばれるミネラルが豊富に含まれています。鉄は、ヘモグロビンの構成成分であり、酸素運搬に必要な栄養素です。鉄が不足すると、貧血になりやすくなります。
7. その他の健康効果
ぶりには、ビタミンDやビタミンEなどの栄養素も豊富に含まれています。ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する効果があるため、骨粗しょう症の予防に役立ちます。
ビタミンEは、抗酸化作用があるため、老化を予防する効果があります。
ぶりの栄養を最大限活かすポイント
1. 新鮮なぶりを選ぶ
鮮度の良いぶりは、栄養価が高く、味も美味しいです。
新鮮なぶりの選び方は、以下の通りです。
- 目: 目が澄んでいて、黒目がはっきりしている。
- エラ: エラが鮮紅色で、血の臭みがない。
- 身: 身が締まっていて、弾力がある。
- 皮: 皮にハリがあり、ツヤがある。
2. 調理方法を選ぶ
ぶりの栄養素は、調理方法によって損なわれることがあります。
DHAやEPAは、熱に弱いため、生のまま食べるのがおすすめです。
ビタミンB群は、水溶性のため、煮汁に栄養素が溶け出すことがあります。そのため、煮物にする場合は、煮汁ごと食べるようにしましょう。
タウリンは、熱に強いため、煮物や焼き魚など、加熱調理しても栄養素を損なうことはありません。
3. 食べ合わせを考える
ぶりの栄養素は、他の食材との食べ合わせによって吸収率がアップすることがあります。
DHAやEPAは、ビタミンEと一緒に摂取すると吸収率がアップします。ビタミンEは、ナッツやアボカドなどに多く含まれます。
ビタミンB群は、炭水化物と一緒に摂取すると吸収率がアップします。そのため、ぶりをご飯と一緒に食べると良いでしょう。
タウリンは、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率がアップします。ビタミンCは、柑橘類やキウイなどに多く含まれます。
4. 食べ過ぎに注意する
ぶりは、脂が多くカロリーも高いため、食べ過ぎは避けましょう。1日あたりの目安量は、100g程度です。
5. 保存方法
ぶりは、鮮度が落ちやすい魚です。
購入後は、冷蔵庫で早めに食べるようにしましょう。保存する場合は、ラップやキッチンペーパーで包んで密閉容器に入れると、鮮度が保ち**やすくなります。
冷凍する場合は、急速冷凍するのがおすすめです。解凍する場合は、冷蔵庫でゆっくり解凍すると、味が損なわれにくくなります。
ぶりのおすすめの調理方法とレシピ例
今回は、ぶりのおすすめ調理方法と、それぞれの調理方法で楽しめるレシピ例をご紹介します。
1. 刺身
新鮮なぶりは、刺身でシンプルに味わうのがおすすめです。脂の甘みと上品な味わいを存分に楽しむことができます。
薬味は、わさび、生姜、ねぎ、ミョウガなどがおすすめです。盛り付けにこだわることで、見た目も華やかになり、おもてなしにもぴったりです。
- 鮮度が命なので、目、エラ、身、皮の状態をチェックして、新鮮なぶりを選びましょう。
- 皮目は包丁で軽くひくと、脂の甘みが引き立ちます。
- 冷蔵庫でしっかり冷やしてから食べると、より美味しくいただけます。
- ブリの刺身 わさび醤油添え
- ブリのカルパッチョ 柑橘風味
- ブリのたたき ネギ塩ポン酢だれ
2. 照り焼き
ぶりの定番料理といえば、照り焼きです。ご飯によく合う、甘辛い味付けが人気です。フライパンで簡単に作ることができます。
- 焦げ付きやすいので、弱火でじっくりと焼きましょう。
- 照りタレは、みりん、酒、醤油、砂糖などを合わせて作ります。
- お好みで、生姜やネギを加えると、風味豊かに仕上がります。
- ブリの照り焼き
- ブリの竜田揚げ 甘酢あんかけ
- ブリの南蛮漬け
3. 鍋
寒い冬にぴったりの、ぶり鍋です。白菜やネギ、豆腐などの野菜と一緒に煮込むと、**体の芯から温まります。ポン酢やごまだれなど、お好みのタレで食べましょう。
- ぶりは火を通しすぎるとパサパサになってしまうので、さっと火を通すようにしましょう。
- 野菜はたっぷり入れると、栄養価もアップします。
- 〆には、うどんや雑炊がおすすめです。
- ブリのしゃぶしゃぶ
- ブリの寄せ鍋
- ブリのキムチ鍋
4. 煮物
ぶり大根やぶりのかまぼこなど、ぶりは煮物にもよく合います。じっくりと煮込むことで、ぶりの旨味が野菜に染み込み、絶品の一品に仕上がります。ご飯のおかずにも、お酒のおつまみにもおすすめです。
- ぶりは煮崩れしやすいので、下茹でしてから煮ると良いでしょう。
- 大根やこんにゃくなどの野菜と一緒に煮込むと、食べ応えが出ます。
- 煮汁は薄味にすると、ぶりの旨味が引き立ちます。
- ブリの煮付け
- ブリの味噌煮
- ブリの甘露煮
5. その他
ぶりは、カルパッチョやアクアパッツァなど、洋風料理にも活用できます。また、ハンバーグやコロッケなどの揚げ物にもおすすめです。ぶりの万能さを活かして、様々な料理に挑戦してみてください。
- 新鮮なぶりを使うと、より美味しく仕上がります。
- 下味をしっかりつけることで、味が染み込みやすくなります。
- 火加減に注意して、焦げないようにしましょう。
- ブリのカルパッチョ 柑橘風味
- ブリの香草パン粉焼き
- ブリのトマトクリームパスタ
ぶりを食べすぎるとどうなる?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりの魚の摂取目標量は、男性で50g、女性で40gとなっています。
ぶりは、100gあたり約200kcalのカロリーがあります。
1日の摂取目標量を考えると、男性で100g、女性で80g程度を目安として食べるのが良いでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、年齢、性別、活動量、体格などの個人の条件によって適切な摂取量は異なります。
以下のような場合は、上記の目安量よりも少なめに食べることをおすすめします。
- 肥満気味の方
- 脂質異常症の方
- 高血圧の方
- 腎臓病の方
- 痛風の方
特にぶりはプリン体が多く含まれているため、痛風の発作を誘発する可能性があります。痛風の既往歴がある方は、摂取量を控えめにする必要があります。
ブリを健康的に食べるためには、食べ過ぎに注意し、野菜や果物、穀物などの主食もしっかりと摂取して、バランス良く食べましょう。
ぶりを食べるとき朝昼夜で違いはある?
ぶりは、朝、昼、夜、いつ食べても良い魚です。それぞれの時間帯におすすめの食べ方と注意点があるので、参考にしてみてください。
朝ごはん
- メリット:
- DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が脳を活性化し、朝の目覚めをスッキリさせてくれます。
- 良質なたんぱく質が筋肉の修復を促進し、1日の活動に必要なエネルギーをチャージできます。
- ビタミンB群が疲労回復を助けてくれます。
- 注意点:
- 脂の多いぶりは胃腸に負担がかかりやすいので、食べ過ぎには注意しましょう。
- 朝は消化機能がまだ十分に活発ではないため、お粥や雑炊など、消化しやすいように調理して食べると良いでしょう。
お昼ごはん
- メリット:
- DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が集中力や記憶力を高めてくれます。
- 良質なたんぱく質が午後の活動に必要なエネルギーをチャージできます。
- ビタミンB群が疲労回復を助けてくれます。
- 注意点:
- 脂の多いぶりは眠気の原因となるため、焼き魚や煮魚など、さっぱりとした味付けで食べるようにしましょう。
- ご飯と一緒に食べる場合は、玄米や雑穀米など、食物繊維が豊富なものを選ぶと良いでしょう。
夜ごはん
- メリット:
- DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が睡眠の質を高めてくれます。
- 良質なたんぱく質が疲労回復を促進し、翌日の活動の準備を整えてくれます。
- タウリンが肝臓の働きを助けてくれます。
- 注意点:
- 脂の多いぶりは寝る前に食べると胃腸に負担がかかり、睡眠の質を低下させる可能性があります。
- 食べる場合は、刺身やカルパッチョなど、あっさりとした食べ方を選ぶようにしましょう。
- 寝る直前は食べないようにし、2時間程度前までに済ませておくのがおすすめです。
ぶりは旬の時期に食べると、栄養価が高く、味も美味しくなります。様々な料理に活用できるので、色々なレシピに挑戦してみてください。
秋冬の風物詩として知られる「ぶり」!
脂の乗りと旨味が格別な大型の回遊魚なんだって。