カプサイシンは、単なる辛味成分ではないんじゃ!
発汗作用、脂肪燃焼作用、血行促進作用、抗酸化作用など、様々な健康効果・効能が期待できるぞ☆
本記事では、唐辛子の種類や辛さの違い、健康効果について詳しく解説します。
目次
唐辛子の種類
唐辛子には、約3000種類もの品種があると言われています。辛味、形状、色、香りなど、様々な特徴によって分類することができます。
1. 辛味
唐辛子の辛味は、スコヴィル値という単位で表されます。スコヴィル値は、カプサイシンという辛味成分の量によって決まります。
- 激辛唐辛子:スコヴィル値100万以上
- 中辛唐辛子:スコヴィル値1万~100万
- 甘口唐辛子:スコヴィル値1000以下
2. 形状
唐辛子の形状は、大きく分けて円錐形、鐘形、角形の3種類があります。
- 円錐形: 先端が尖った形状で、ハバネロやハラペーニョなどがこの形状に分類されます。
- 鐘形: 鐘のような形状で、ピーマンやシシトウなどがこの形状に分類されます。
- 角形: 角張った形状で、鷹の爪や韓国唐辛子などがこの形状に分類されます。
3. 色
唐辛子の色は、赤、緑、黄色、オレンジ、紫など、様々な色があります。
- 赤唐辛子: 完熟した唐辛子で、最も辛味が強いのが特徴です。
- 緑唐辛子: 完熟前の唐辛子で、赤唐辛子よりも辛味が弱いです。
- 黄色唐辛子: 完熟前に収穫された唐辛子で、赤唐辛子よりも辛味が弱く、フルーティーな香りが特徴です。
- オレンジ唐辛子: 完熟前に収穫された唐辛子で、赤唐辛子よりも辛味が弱く、柑橘系の香りが特徴です。
- 紫唐辛子: 完熟前に収穫された唐辛子で、赤唐辛子よりも辛味が弱く、ベリー系の香りが特徴です。
4. 香り
唐辛子は、品種によって様々な香りがします。
- フルーティーな香り: 黄色唐辛子やオレンジ唐辛子などに特有の香りです。
- 柑橘系の香り: オレンジ唐辛子などに特有の香りです。
- ベリー系の香り: 紫唐辛子などに特有の香りです。
- フローラルな香り: 一部の唐辛子に特有の香りです。
- スモーキーな香り: 一部の唐辛子に特有の香りです。
5. 代表的な品種
唐辛子には、様々な品種がありますが、その中でも代表的な品種をいくつかご紹介します。
- 鷹の爪: 日本で最も一般的な唐辛子で、辛味が強く、料理によく使われます。
- 韓国唐辛子: 韓国料理によく使われる唐辛子で、鷹の爪よりも辛味が弱く、風味豊かです。
- ハバネロ: メキシコ原産の唐辛子で、非常に辛味が強いのが特徴です。
- ハラペーニョ: メキシコ原産の唐辛子で、ハバネロよりも辛味が弱く、緑色のまま食べることが多いです。
- ピーマン: 唐辛子の仲間ですが、辛味がなく、甘味が強いのが特徴です。
- シシトウ: 唐辛子の仲間ですが、辛味が弱く、緑色のまま食べることが多いです。
唐辛子の種類と辛さの順番
唐辛子の辛味は、スコヴィル値という単位で表されます。スコヴィル値は、カプサイシンという辛味成分の量によって決まります。
2024年6月23日現在、ギネス世界記録に認定されている最も辛い唐辛子は、キャロライナ・リーパーで、スコヴィル値2,200,000SHUです。
今回は、2024年最新の激辛唐辛子ランキングTOP10をご紹介します。
順位 | 唐辛子の種類 | スコヴィル値 | 原産地 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
1位 | キャロライナ・リーパー | 2,200,000SHU | アメリカ | 世界一辛い唐辛子。強い果実香と柑橘系の香りを持つ。 |
2位 | ペッパーX | 2,693,000SHU | アメリカ | 2023年にギネス記録を更新した世界2位の唐辛子。フルーティーな香りと強い熱さを持つ |
3位 | ドラゴンズ・ブレス | 2,480,000SHU | イギリス | 独特な形状と強い熱さを持つ。ハバネロよりも2倍以上辛い。 |
4位 | キャロライナ・リーパー | 2,200,000SHU | アメリカ | 2013年から2023年までギネス記録を保持していた唐辛子。強い果実香と柑橘系の香りを持つ。 |
5位 | トリニダード・モルガ・スコーピオン | 2,000,000SHU | トリニダード・トバゴ | 強い酸味とハチミツのような香りを持つ。 |
6位 | 7 Pot Primo | 1,041,427SHU | トリニダード・トバゴ | フルーティーな香りを持つ。 |
7位 | スコーピオン・ブレット・キャロライナ・リーパー | 1,000,000SHU | アメリカ | キャロライナ・リーパーとスコーピオン・ブレットを掛け合わせた品種。 |
8位 | モルガ・スコーピオン | 2,000,000SHU | トリニダード・トバゴ | 強い酸味とハチミツのような香りを持つ。 |
9位 | キャロライナ・死神 | 2,200,000SHU | アメリカ | キャロライナ・リーパーと死神を掛け合わせた品種。 |
10位 | ハバネロ | 100,000~350,000SHU | メキシコ | フルーティーな香りを持つ。 |
唐辛子の辛さは、栽培環境や個体差によって多少異なる場合があります。
また、スコヴィル値はあくまで目安であり、実際に食べた時の辛さの感じ方は人それぞれ異なります。
日本一辛い唐辛子の品種は?
日本で一番辛い唐辛子の品種は、「黄金唐辛子(おうごんとうがらし)」と言われています。
黄金唐辛子は、鷹の爪の約10倍の辛味を持つ、日本国内で栽培されている唐辛子の中で最も辛い品種です。
主な特徴は以下の通りです。
- スコヴィル値: 10万~30万SHU
- 形状: 円錐形
- 色: 完熟すると黄金色になる
- 香り: 独特な柑橘系の香り
- 味: 強い辛味とほのかな甘味
- 原産地: 江戸時代から伝わる日本固有種
- 主な産地: 青森県、京都府、高知県など
黄金唐辛子は、その辛味を活かして、薬味や調味料として利用されています。また、近年では、その希少性と独特の風味から、高級食材としても注目されています。
黄金唐辛子以外にも、日本には様々な種類の辛い唐辛子が栽培されています。代表的な品種としては、鷹の爪、七味唐辛子、韓国唐辛子などがあります。
一味唐辛子と七味唐辛子の違いは?
一味唐辛子と七味唐辛子は、どちらも日本の食卓で欠かせない調味料ですが、いくつかの違いがあります。
1. 原材料
- 一味唐辛子: 唐辛子のみを乾燥させて粉末にしたもの
- 七味唐辛子: 唐辛子に加えて、山椒、麻の実、陳皮、ごま、紫蘇などを混ぜ合わせたもの
2. 辛味
- 一味唐辛子: 唐辛子のみで作られているため、七味唐辛子よりも辛味が強い
- 七味唐辛子: 唐辛子以外にも様々な香辛料が混ざっているため、一味唐辛子よりも辛味がマイルドで、風味豊か
3. 用途
- 一味唐辛子: 料理に辛味を足したいときに使う。特に、うどん、そば、ラーメンなどの麺類や、鍋料理によく使われる。
- 七味唐辛子: 料理に風味と辛味を足したいときに使う。特に、焼き魚、天ぷら、茶碗蒸しなどの和食によく使われる。
上記以外にも、お好みで使い分けることができます。
辛くない唐辛子はある?
一般的に、スコヴィル値が1000以下の唐辛子は辛くない唐辛子とされています。
代表的な辛くない唐辛子と、それぞれの選び方をご紹介します。
1. ピーマン
- スコヴィル値: 0~100SHU
- 特徴: 緑色で、肉厚で甘味が強い。
- 選び方: 緑色が鮮やかで、表面が滑らかで傷がないものを選ぶ。
- おすすめ料理: 肉詰め、炒め物、サラダ
2. パプリカ
- スコヴィル値: 0~100SHU
- 特徴: 赤、黄色、オレンジ、紫など様々な色があり、甘味が強い。
- 選び方: 色が鮮やかで、表面が滑らかで傷がないものを選ぶ。
- おすすめ料理: サラダ、マリネ、煮物
3. シシトウ
- スコヴィル値: 0~1000SHU
- 特徴: 緑色で、細長い形状をしている。辛味が少ないものが多いが、まれに辛いものもある。
- 選び方: 緑色が鮮やかで、表面が滑らかで傷がないものを選ぶ。
- おすすめ料理: 天ぷら、炒め物、おひたし
4. 甘長唐辛子
- スコヴィル値: 0~1000SHU
- 特徴: 緑色で、細長い形状をしている。シシトウよりも辛味が少なく、甘味が強い。
- 選び方: 緑色が鮮やかで、表面が滑らかで傷がないものを選ぶ。
- おすすめ料理: 炒め物、煮物、漬物
5. 万願寺とうがらし
- スコヴィル値: 0~1000SHU
- 特徴: 緑色で、肉厚で甘味が強い。
- 選び方: 緑色が鮮やかで、表面が滑らかで傷がないものを選ぶ。
- おすすめ料理: 焼き物、天ぷら、煮物
上記以外にも、様々な種類の辛くない唐辛子があります。
唐辛子を選ぶ際には、スコヴィル値だけでなく、形状、色、香りなども参考に、自分の好みに合ったものを選ぶことが大切です。辛くない唐辛子は、料理に甘味や彩りを加えるだけでなく、栄養価も豊富です。
唐辛子の効能
唐辛子は、辛味成分のカプサイシン以外にも様々な栄養素が含まれています。唐辛子を食べることで、以下のような健康効果・効能が期待できます。
1. 発汗作用・体温上昇
カプサイシンは、TRPV1受容体を刺激し、発汗を促進します。発汗によって体温が上昇することで、体温調節機能が向上し、風邪予防や熱中症対策に効果が期待できます。
また、発汗とともに老廃物も排出されるため、デトックス効果も期待できます。
2. 脂肪燃焼効果
カプサイシンは、アドレナリンの分泌を促進し、脂肪燃焼を促進する効果があります。アドレナリンは、脂肪細胞を分解して脂肪酸を放出するホルモンです。
脂肪酸は、エネルギーとして利用されたり、熱として消費されたりします。そのため、唐辛子を食べることでダイエットや体脂肪率の低下に効果が期待できます。
3. 血行促進効果
カプサイシンは、血管を拡張し、血行を促進する効果があります。
血行が促進されることで、酸素や栄養素が体の隅々にまで行き渡りやすくなり、冷え性や肩こり、頭痛などの改善に効果が期待できます。また、血行が促進されることで、肌荒れやニキビなどの改善にも効果が期待できます。
4. 鎮痛効果
カプサイシンは、エンドルフィンの分泌を促進する効果があります。エンドルフィンは、脳内麻薬とも呼ばれ、痛みを抑制する効果があります。
そのため、唐辛子を食べることで、頭痛や歯痛、生理痛などの鎮痛効果が期待できます。
5. 抗酸化作用
唐辛子には、ビタミンCやβ-カロテンなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
抗酸化物質は、活性酸素を除去する効果があります。活性酸素は、細胞を傷つけ、老化や生活習慣病の原因と言われています。
そのため、唐辛子を食べることで、アンチエイジングや生活習慣病の予防に効果が期待できます。
6. 免疫力向上
唐辛子には、カプサイシンやビタミンCなどの免疫力向上効果のある成分が豊富に含まれています。
カプサイシンは、白血球の働きを活発にし、免疫細胞を活性化します。ビタミンCは、抗酸化作用によって免疫細胞を保護します。
そのため、唐辛子を食べることで、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に効果が期待できます。
7. 食欲増進効果
カプサイシンは、胃腸の動きを活発にし、消化液の分泌を促進する効果があります。そのため、唐辛子を食べることで、食欲増進や消化不良の改善に効果が期待できます。
また、カプサイシンは、唾液や胃液の分泌を促進する効果もあります。唾液には、消化酵素が含まれているため、消化を助ける効果があります。胃液には、食べ物を分解する効果があります。
8. 美肌効果
唐辛子には、ビタミンCやβ-カロテンなどの美肌効果のある成分が豊富に含まれています。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、シミやシワを防ぐ効果があります。β-カロテンは、抗酸化作用によって肌を保護し、くすみやニキビを防ぐ効果があります。
また、唐辛子の血行促進効果によって、肌のターンオーバーが促進され、ニキビ跡やくすみの改善にも効果が期待できます。
9. その他の健康効果
- 骨粗鬆症予防: カプサイシンは、カルシウムの吸収を促進する効果があります。
- がん予防: カプサイシンには、抗がん作用があることが示唆されています。
- 認知症予防: カプサイシンは、脳の神経細胞を保護する効果があることが示唆されています。
- うつ病予防: カプサイシンは、脳内物質のセロトニンやドーパミンの分泌を促進する効果があることが示唆されています。
- ストレス解消: カプサイシンは、エンドルフィンの分泌を促進する効果があります。エンドルフィンは、脳内麻薬とも呼ばれ、ストレスを解消する効果があります。
唐辛子の過剰摂取による注意点
唐辛子は、様々な健康効果・効能が期待できる食材ですが、食べ過ぎには注意が必要です。
唐辛子を過剰摂取すると、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 胃腸障害: 唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは、胃腸を刺激し、胃痛、下痢、腹痛、嘔吐などの症状を引き起こすことがあります。
- 痔: カプサイシンは、肛門を刺激し、痔を悪化させることがあります。
- 口内炎: カプサイシンは、口内炎を悪化させることがあります。
- 目: カプサイシンは、目に入ると、痛みや充血、流涙などの症状を引き起こすことがあります。
- 皮膚炎: カプサイシンは、皮膚に付着すると、かゆみや炎症、発疹などの症状を引き起こすことがあります。
- アレルギー: まれに、唐辛子にアレルギーがある方がおり、アナフィラキシーなどの重篤な症状を引き起こすことがあります。
唐辛子を食べる際は、自分の体調に合わせて適量を摂取するようにしましょう。
唐辛子の過剰摂取を防ぐための注意点
- 一度にたくさんの唐辛子を摂取しない: 最初は少量から始め、様子を見ながら量を増やしていく。
- 辛いのが苦手な方は、無理に食べない: 唐辛子が苦手な方は、無理に食べると体調を崩してしまう可能性があります。
- 水分をたくさん摂る: 唐辛子を食べた後は、水分をたくさん摂ることで、胃腸の負担を軽減することができます。
- 辛い料理を食べるときは、乳製品を一緒に摂取する: 乳製品には、カプサイシンを中和する効果があります。
- 体調が悪いときは、唐辛子を控える: 体調が悪いときは、胃腸が弱っているため、唐辛子を摂取すると症状が悪化する可能性があります。
唐辛子は、適量であれば健康に良い食材です。しかし、食べ過ぎには注意が必要です。
唐辛子の栄養を効率的にとるおすすめのレシピ
唐辛子の栄養を効率的に摂取するには、脂溶性ビタミンであるビタミンEやβ-カロテンを油と一緒に摂取することがポイントです。
また、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率がアップします。
以下、唐辛子の栄養を効率的にとるおすすめのレシピをご紹介します。
1. ペペロンチーノ
パスタ、ニンニク、オリーブオイル、唐辛子を使った定番のイタリア料理です。
ニンニクとオリーブオイルに唐辛子を炒めることで、ビタミンEやβ-カロテンを効率的に摂取することができます。
また、パスタにはビタミンCが豊富に含まれているため、カプサイシンの吸収率もアップします。
2. 麻婆豆腐
豆腐、豚ひき肉、豆板醤、甜麺醤、唐辛子を使った中華料理です。
豆板醤や甜麺醤には油が含まれているため、ビタミンEやβ-カロテンを効率的に摂取することができます。
また、豆腐にはビタミンCが豊富に含まれているため、カプサイシンの吸収率もアップします。
3. キムチ鍋
白菜、豚肉、キムチ、豆腐、ニラなどを煮込んだ韓国料理です。
キムチには唐辛子だけでなく、ニンニクや生姜などの香味野菜も含まれているため、ビタミンEやβ-カロテンを効率的に摂取することができます。
また、豚肉や豆腐にはビタミンCが豊富に含まれているため、カプサイシンの吸収率もアップします。
4. チキンカレー
鶏肉、玉ねぎ、ニンジン、トマト、カレールー、唐辛子を使った定番のインド料理です。
玉ねぎやニンジンにはβ-カロテンが豊富に含まれており、カレールーには油が含まれているため、ビタミンEを効率的に摂取することができます。
また、鶏肉やトマトにはビタミンCが豊富に含まれているため、カプサイシンの吸収率もアップします。
5. サルサソースト
トマト、玉ねぎ、ピーマン、唐辛子、パクチーなどを細かく刻んで、レモン汁やオリーブオイルで味付けしたメキシコ料理のソースです。
トマトや玉ねぎ、ピーマンにはビタミンCやβ-カロテンが豊富に含まれており、オリーブオイルには油が含まれているため、唐辛子の栄養素を効率的に摂取することができます。
- 生の唐辛子を使う: 生の唐辛子の方が、乾燥唐辛子よりもビタミンCが豊富に含まれています。
- 種ごと食べる: 唐辛子の種には、カプサイシンが特に多く含まれています。
- 加熱しすぎない: 唐辛子を加熱しすぎると、ビタミンCが壊れてしまいます。
唐辛子は、ナス科に属する植物の果実を乾燥させたもの!
唐辛子の魅力は、なんといってもその辛味だね。辛味成分であるカプサイシンは、唐辛子の種子や果肉に多く含まれているよ!