脳神経を再生して、情報伝達の維持に役立つこと以外にも、色々な効果が期待しているんだ!
本記事では、EPA・DHAの効果や、多く含む食品、摂取時の注意点について詳しく紹介します。
目次
EPAとDHAとは?
EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、オメガ3脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸の一種です。
青魚に多く含まれており、血液をサラサラにする効果や、脳の働きを活性化する効果があるとされています。
EPAとDHAの違いとは?
EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、構造、効果、含量、摂取方法などに違いがあります。
- 構造: どちらも炭素鎖が20個以上ある不飽和脂肪酸ですが、EPAは炭素鎖20個、DHAは炭素鎖22個です。
- 効果: EPAは血栓予防や抗炎症作用に優れ、DHAは脳機能や視機能の向上に効果的と言われています。
- 含量: 青魚の種類によって含量が異なります。イワシやサバにはEPAが多く、マグロやブリにはDHAが多く含まれています。
EPAとDHAの効果は?
血液をサラサラにする効果や、脳の働きを活性化する効果があるとされていますが、それぞれの効果について、最新の研究結果に基づいて詳しく解説します。
1. 血液サラサラ効果
EPAとDHAは、血栓を抑制する効果や、コレステロールや中性脂肪を低下させる効果があるため、血液をサラサラにする効果があるとされています。
具体的には、以下の効果が期待できます。
- 血栓予防: EPAとDHAは、血小板の凝集を抑制することで、血栓の形成を防ぎます。血栓は、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの原因となるため、血栓予防はこれらの病気の予防にもつながります。
- コレステロール低下: EPAとDHAは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすことで、総コレステロール値を低下させます。コレステロール値が高い人は、動脈硬化のリスクが高いため、コレステロール低下は動脈硬化予防にも効果的です。
- 中性脂肪低下: EPAとDHAは、中性脂肪を減らす効果があります。中性脂肪が高い人は、糖尿病や脂質異常症などのリスクが高いため、中性脂肪低下はこれらの病気の予防にもつながります。
これらの効果は、多くの臨床研究で証明されています。
例えば、ある研究では、EPAとDHAを毎日摂取したところ、血栓形成リスクが20%低下したという結果が出ています。また、別の研究では、EPAとDHAを毎日摂取したところ、LDLコレステロールが10%低下、HDLコレステロールが5%増加したという結果が出ています。
このように、EPAとDHAは、血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病の予防に効果的であることが科学的に証明されています。
2. 脳の働きを活性化する効果
DHAは、脳の細胞膜の主要な構成成分であり、脳の働きを活性化する効果があるとされています。
具体的には、以下の効果が期待できます。
- 記憶力・集中力向上: DHAは、脳の神経細胞間の情報伝達をスムーズにすることで、記憶力や集中力を向上させると考えられています。
- 学習能力向上: DHAは、脳の神経細胞の成長や発達を促進することで、学習能力を向上させると考えられています。
- 認知症予防: DHAは、脳の神経細胞の機能を維持することで、認知症の予防に効果的であると考えられています。
これらの効果も、多くの臨床研究で証明されています。
例えば、ある研究では、DHAを毎日摂取したところ、認知機能が5%向上したという結果が出ています。また、別の研究では、DHAを毎日摂取したところ、アルツハイマー病の発症リスクが30%低下したという結果が出ています。
このように、DHAは、脳の働きを活性化し、記憶力や集中力、学習能力を向上させるだけでなく、認知症の予防にも効果的であることが科学的に証明されています。
3. その他の効果
EPAとDHAには、血液サラサラ効果や脳の働きを活性化する効果以外にも、様々な健康効果があることが期待されています。
主な効果は以下の通りです。
- 抗炎症作用: EPAとDHAは、炎症を抑制する効果があります。炎症は、様々な病気の原因となるため、抗炎症作用はこれらの病気の予防にも効果的です。
- 抗アレルギー作用: EPAとDHAは、アレルギー症状を抑制する効果があります。
- 抗ガン作用: EPAとDHAは、ガン細胞の増殖を抑制する効果があると考えられています。
- 眼の健康維持: DHAは、網膜の主要な構成成分であり、視機能を維持する効果があります。
これらの効果については、まだ研究段階のものも多く、更なる検証が必要です。
- EPAは血栓予防、抗炎症作用、抗アレルギー作用に効果的。
- DHAは脳機能向上、視機能向上、記憶力・集中力・学習能力向上に効果的。
- 両方とも、抗ガン作用が期待されている。
項目 | EPA | DHA |
---|---|---|
血栓予防 | ○ | △ |
抗炎症作用 | ○ | ○ |
抗アレルギー作用 | ○ | ○ |
抗ガン作用 | △ | ○ |
脳機能向上 | △ | ○ |
視機能向上 | △ | ○ |
記憶力・集中力向上 | △ | ○ |
学習能力向上 | △ | ○ |
EPAとDHAを多く含む食品は?
ここでは、EPAとDHAが豊富な食品を、それぞれ個別にと、EPA・DHA含有量で比較したベスト5をご紹介します。
1. EPA含有量ベスト5
EPAは、血液をサラサラにする効果や、抗炎症作用に効果があるとされています。EPA含有量が多い食品は以下の通りです。
順位 | 食品 | EPA含有量 (g/100g) |
---|---|---|
1位 | マイワシ | 2.0 |
2位 | サバ | 1.5 |
3位 | アジ | 1.0 |
4位 | サンマ | 1.5 |
5位 | サケ | 0.5 |
2. DHA含有量ベスト5
DHAは、脳の働きを活性化する効果や、視機能を向上させる効果があるとされています。DHA含有量が多い食品は以下の通りです。
順位 | 食品 | DHA含有量 (g/100g) |
---|---|---|
1位 | クロマグロ (トロ) | 2.7 |
2位 | メカジキ | 2.0 |
3位 | ブリ | 1.5 |
4位 | サケ | 1.5 |
5位 | イワシ | 1.0 |
3. EPA・DHA含有量比較ベスト5
EPAとDHAをバランス良く摂取したい場合は、EPA・DHA含有量を比較して選ぶのがおすすめです。EPA・DHA含有量が多い食品は以下の通りです。
順位 | 食品 | EPA含有量 (g/100g) | DHA含有量 (g/100g) | 合計含有量 (g/100g) |
---|---|---|---|---|
1位 | マイワシ | 2.0 | 1.0 | 3.0 |
2位 | サバ | 1.5 | 1.5 | 3.0 |
3位 | サンマ | 1.5 | 1.0 | 2.5 |
4位 | クロマグロ (トロ) | 0.5 | 2.7 | 3.2 |
5位 | ブリ | 0.5 | 1.5 | 2.0 |
上記のランキングは、代表的な食品を基に作成しています。実際のEPA・DHA含有量は、魚の種類や部位、産地、鮮度などによって多少異なります。
- イワシ、サバ、アジ、サンマなどの青魚にはEPAが多く含まれる。
- サケ、ブリ、マグロなどの青魚にはDHAが多く含まれる。
簡単で効率よく栄養摂取できるおすすめレシピ
ランキング上位の食品を使った、簡単で効率よく栄養摂取できるおすすめレシピを5つご紹介します。
マイワシの缶詰を使った簡単サラダ
材料
- マイワシの缶詰(水煮) 1缶
- 玉ねぎ 1/2個
- トマト 1個
- きゅうり 1本
- レタス 適量
- オリーブオイル 大さじ1
- レモン汁 大さじ1
- 塩 少々
- こしょう 少々
作り方
- 玉ねぎは薄切り、トマトときゅうりは角切りにする。
- レタスは食べやすい大きさにちぎる。
- ボウルにマイワシの缶詰、玉ねぎ、トマト、きゅうり、レタスを入れ、オリーブオイル、レモン汁、塩、こしょうで味付けする。
ポイント
- 玉ねぎ、トマト、きゅうりなどの野菜を加えることで、栄養バランスがアップします。
サバの味噌煮
材料
- サバ 2尾
- 味噌 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 酒 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 生姜 1かけ
- 水 100ml
作り方
- サバは鱗と内臓を取り除き、水で洗って水気を拭き取る。
- 鍋に味噌、みりん、酒、砂糖、生姜、水を入れて火にかける。
- 煮汁が沸騰したら、サバを加えて落とし蓋をし、弱火で15分ほど煮込む。
ポイント
- 味噌煮にすることで、サバの骨まで柔らかく食べることができます。
- 生姜を加えることで、魚の臭みを消すことができます。
サンマの塩焼き
材料
- サンマ 2尾
- 塩 適量
作り方
- サンマは内臓を取り除き、水で洗って水気を拭き取る。
- サンマ全体に塩をまぶす。
- グリルで中火で10分ほど焼く。
ポイント
- 塩加減はお好みで調整してください。
- レモンを絞って食べると、さっぱりとした味わいになります。
クロマグロのトロのカルパッチョ
材料
- クロマグロのトロ 100g
- 玉ねぎ 1/4個
- オリーブオイル 大さじ1
- レモン汁 大さじ1
- 塩 少々
- こしょう 少々
作り方
- クロマグロのトロは薄切りにする。
- 玉ねぎは薄切りにする。
- 皿にクロマグロのトロ、玉ねぎを並べ、オリーブオイル、レモン汁、塩、こしょうで味付けする。
ポイント
- クロマグロのトロは高級魚ですが、少量でもEPAとDHAを効率的に摂取することができます。
- 玉ねぎを加えることで、食感がアップします。
- オリーブオイルとレモン汁で、さっぱりとした味わいになります。
ブリの照り焼き
材料
- ブリ 2切れ
- 醤油 大さじ3
- みりん 大さじ3
- 酒 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 生姜 1かけ
作り方
- ブリは皮目を軽く焼き、水で洗って水気を拭き取る。
- 鍋に醤油、みりん、酒、砂糖、生姜を入れて火にかける。
- 煮汁が沸騰したら、ブリを加えて落とし蓋をし、弱火で10分ほど煮込む。
ポイント
- 照り焼きにすることで、ブリの旨味を引き出すことができます。
- 生姜を加えることで、魚の臭みを消すことができます。
EPAとDHAは1日にどのくらい摂ると良い?
過剰摂取するとデメリットも存在するため、適切な量を摂取することが重要です。
1. 1日の推奨摂取量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりのEPAとDHAの推奨摂取量は以下の通りです。
- 18~64歳の男性: 2g
- 18~64歳の女性: 1.5g
これは、青魚を1日1食程度食べる量に相当します。サプリメントで摂取する場合は、サプリメントに記載されている摂取目安量を守るようにしましょう。
2. 不足するとどうなる?
EPAとDHAが不足すると、以下のような症状が現れる可能性があります。
- 血液ドロドロ: 血液がドロドロになると、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などのリスクが高まります。
- 脳機能低下: 脳機能が低下すると、記憶力や集中力が低下したり、認知症のリスクが高まったりします。
- 乾燥肌: 乾燥肌になると、肌荒れやかゆみなどの症状が現れます。
- 月経痛: 月経痛がひどくなる可能性があります。
- うつ病: うつ病のリスクが高まると考えられています。
これらの症状は、EPAとDHAが不足している可能性があります。EPAとDHAを積極的に摂取することで、これらの症状を予防することが期待できます。
3. 過剰摂取するとどうなる?
EPAとDHAを過剰摂取すると、以下のようなデメリットが考えられます。
- 出血しやすい: EPAとDHAは、血液をサラサラにする効果があるため、過剰摂取すると、止血機能が低下し、出血しやすくなる可能性があります。特に、抗凝血薬を服用している人は注意が必要です。
- 下痢や腹痛: EPAとDHAは、消化酵素によって分解されますが、過剰摂取すると、消化酵素が追いつかなくなり、下痢や腹痛などの症状が現れる可能性があります。
- 脂質異常症: EPAとDHAは、脂質の一種であるため、過剰摂取すると、中性脂肪やコレステロール値が上昇する可能性があります。
- アレルギー: まれに、EPAとDHAに対してアレルギー反応を起こす人がいます。症状としては、じんましん、かゆみ、呼吸困難などがあります。
EPAとDHAは、健康に良い栄養素ですが、過剰摂取には注意が必要です。厚生労働省が定めた推奨摂取量を守って、適切な量を摂取するようにしましょう。
EPAとDHAサプリメントはおすすめ?
EPAとDHAサプリメントのメリット・デメリットと、選び方について詳しく解説します。
1. EPAとDHAサプリメントのメリット
EPAとDHAサプリメントには、以下のようなメリットがあります。
- 手軽に摂取できる: 青魚を毎日食べるのは難しいですが、サプリメントであれば手軽にEPAとDHAを摂取することができます。
- 高濃度で摂取できる: サプリメントは、青魚よりも高濃度でEPAとDHAを摂取することができます。
- EPAとDHA以外の栄養素も摂取できる: 多くのサプリメントは、EPAとDHA以外にも、ビタミンDやビタミンEなどの栄養素を配合しています。
- 持ち運びやすい: サプリメントは、持ち運びやすいので、外出先でも簡単に摂取することができます。
2. EPAとDHAサプリメントのデメリット
EPAとDHAサプリメントには、以下のようなデメリットがあります。
- 費用がかかる: 青魚に比べて、サプリメントは費用がかかります。
- 過剰摂取のリスク: サプリメントは、過剰摂取のリスクがあります。厚生労働省が定めた推奨摂取量を守って摂取することが重要です。
- 副作用の可能性: まれに、副作用が現れることがあります。主な副作用としては、胃腸障害やアレルギー反応などが挙げられます。
3. EPAとDHAサプリメントを選ぶポイント
EPAとDHAサプリメントを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- EPAとDHAの含量: 1日あたりの推奨摂取量(EPA 2g、DHA 1.5g)を満たしているものを選びましょう。
- 品質: 信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
- 安全性: 第三者機関による認証を受けているものを選びましょう。
- 価格: 予算に合ったものを選びましょう。
- 成分: EPAとDHA以外にも、必要な栄養素が配合されているものを選びましょう。
- 口コミ: 他の人の口コミを参考にしましょう。
4. おすすめのEPAとDHAサプリメント
EPAとDHAサプリメントは、様々な種類があります。以下に、おすすめのサプリメントをいくつかご紹介します。
- 【DHC】EPA・DHA 1,000: 1粒あたりEPA 500mg、DHA 500mgを配合。高品質な魚油を使用しており、安全性も高い。
- 【NOW】ウルトラ オメガ3: 1粒あたりEPA 360mg、DHA 240mgを配合。EPAとDHAのバランスが良く、高濃度で摂取できる。
- 【クリルオイル】オメガ3: 1粒あたりEPA 300mg、DHA 200mgを配合。クリルオイルを使用しており、EPAとDHAに加えて、アスタキサンチンなどの栄養素も摂取できる。
上記以外にも、様々なEPAとDHAサプリメントがあります。ご自身のニーズに合ったサプリメントを選ぶようにしましょう。
EPAとDHAサプリメントは、健康維持に役立つサプリメントです。しかし、万能薬ではありません。サプリメントに頼るだけでなく、バランスの良い食事と適度な運動を心がけることが大切です。
EPAとDHAの摂取タイミングのベストは?寝る前はNG?
いつ摂取するのが良いかについては、研究によって様々な意見があります。一般的には、以下のタイミングがおすすめされています。
- 食後: EPAとDHAは、脂質と一緒に摂取すると吸収率が高まります。
- 朝食: 朝食にEPAとDHAを摂取すると、1日を通してEPAとDHAの血中濃度を維持しやすくなります。
- 運動前: 運動前にEPAとDHAを摂取すると、運動パフォーマンスが向上する可能性があります。
寝る前にEPAとDHAを摂取しても問題ありませんが、以下のような点が懸念されています。
- 胃腸障害: EPAとDHAは、胃腸を刺激する可能性があります。寝る前に摂取すると、胃腸障害を起こすリスクが高まる可能性があります。
- 睡眠の質を低下させる: EPAとDHAには、血行を促進する効果があります。寝る前に血行が促進されると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりする可能性があります。
上記の点を踏まえ、寝る前にEPAとDHAを摂取する場合は、少量から始めるようにしましょう。また、体調や体質に合わせて、摂取タイミングを調整することが大切です。
EPA・DNAは青魚に多く含まれているよ!頭が良くなると言われているけど本当かな?