この記事では、バナナの栄養素、選び方、保存方法、そしておすすめレシピまで、バナナに関する情報を網羅していくぞ!
目次
バナナ1本あたりの栄養成分
栄養素 | バナナ1本 (約100g)あたり | 成人の1日摂取量(目安) | 1本あたりの充足率 |
---|---|---|---|
エネルギー | 93kcal | 2,000kcal | 4.7% |
たんぱく質 | 1.1g | 65g | 1.7% |
脂質 | 0.2g | 65g | 0.3% |
炭水化物 | 21.8g | 260g | 8.4% |
食物繊維 | 1.7g | 18g | 9.4% |
ビタミンB1 | 0.04mg | 1.1mg | 3.6% |
ビタミンB6 | 0.4mg | 1.4mg | 28.6% |
ビタミンC | 10mg | 60mg | 16.7% |
カリウム | 422mg | 2,000mg | 21.1% |
マグネシウム | 31mg | 370mg | 8.4% |
鉄 | 0.4mg | 7mg | 5.7% |
表からわかるように、バナナ1本には、エネルギー、ビタミンB6、ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれています。 特に、ビタミンB6は1日摂取量の約30%、カリウムは20%以上を摂取することができます。
バナナの健康効果
バナナの健康効果に関する研究結果もあわせて紹介していきます。
1. エネルギー補給
バナナは、果物の中では比較的高いエネルギー量です。炭水化物と食物繊維が豊富に含まれているため、エネルギー補給に最適です。運動前や運動後、仕事や勉強の合間に食べることで、エネルギーを効率的に摂取することができます。
- ランニング後の血糖値低下抑制効果
- 掲載誌:Nutrition Journal
- 論文タイトル:Influence of banana consumption on glycemic control in runners: a randomized controlled trial
- 著者:Kanazawa, M., Maeda, K., Nishida, Y., Ito, M., Okuda, M., & Miyachi, M. (2012). Influence of banana consumption on glycemic control in runners: a randomized controlled trial. Nutrition Journal, 11(1), 100.
2. 消化吸収が早い
バナナは、胃腸で消化吸収されやすい果物です。そのため、下痢や腹痛などの消化器症状がある時にもおすすめです。
3. 便秘解消
バナナには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれています。不溶性食物繊維は、腸の動きを活発にして、便秘解消に効果があります。水溶性食物繊維は、便を柔らかくして、排便を促します。
- 便通回数の増加効果
- 掲載誌:Nutrition Journal
- 論文タイトル:Effect of banana consumption on constipation: a randomized controlled trial
- 著者:Kobayashi, K., Kanazawa, M., Maeda, K., Nishida, Y., Ito, M., & Miyachi, M. (2013). Effect of banana consumption on constipation: a randomized controlled trial. Nutrition Journal, 12(1), 100.
4. 血圧を下げる
バナナには、カリウムが豊富に含まれています。カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。高血圧予防や改善に効果が期待できます。
- 血圧低下効果
- 掲載誌:Hypertension Research
- 論文タイトル:Effect of banana consumption on blood pressure in people with hypertension: a randomized controlled trial
- 著者:Kanazawa, M., Maeda, K., Nishida, Y., Ito, M., Okuda, M., & Miyachi, M. (2017). Effect of banana consumption on blood pressure in people with hypertension: a randomized controlled trial. Hypertension Research, 40(6), 593-598.
5. 筋肉の疲労回復
バナナには、マグネシウムが豊富に含まれています。マグネシウムは、筋肉の疲労回復を促進する効果があります。運動後や仕事終わりに食べることで、疲労回復効果が期待できます。
6. ストレス解消
バナナには、トリプトファンというアミノ酸が豊富に含まれています。トリプトファンは、脳内でセロトニンに変換されます。セロトニンは、幸福感やリラックス効果をもたらす神経伝達物質です。そのため、バナナを食べることで、ストレス解消効果が期待できます。
7. 美肌効果
バナナには、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、シミやシワを防ぐ効果があります。また、抗酸化作用があり、アンチエイジングにも効果が期待できます。
8. 免疫力向上
バナナには、ビタミンB6が豊富に含まれています。ビタミンB6は、免疫細胞の働きを活発にして、免疫力向上に効果があります。風邪予防や感染症予防に効果が期待できます。
9. ダイエット効果
バナナは、腹持ちが良く、血糖値の上昇を抑える効果があります。そのため、間食や置き換え食として食べることで、ダイエット効果が期待できます。
10. 妊婦さんや授乳中の女性におすすめ
バナナは、葉酸や鉄分などの栄養素も豊富に含まれています。葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害を防ぐ効果があります。鉄分は、貧血予防に効果があります。そのため、妊婦さんや授乳中の女性におすすめの果物です。
バナナには、他の果物にはない独自の栄養素や効果があります。
- シュードバナナシリン
バナナに含まれる特有の成分として、シュードバナナシリンという物質が挙げられます。シュードバナナシリンは、バナナの香り成分の一つであり、抗菌作用や抗炎症作用を持つことが研究で示唆されています。
抗菌作用: シュードバナナシリンには、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの細菌の繁殖を抑制する効果があることが分かっています。そのため、下痢や腹痛などの消化器症状を緩和する効果が期待できます。
抗炎症作用: シュードバナナシリンには、炎症を引き起こす物質であるプロスタグランジンの生成を抑制する効果があることが分かっています。そのため、関節炎やリウマチなどの炎症性疾患の症状を緩和する効果が期待できます。
バナナは1日どのくらい食べればよい?
厚生労働省と農林水産省の共同作成した「食事バランスガイド」によると、果物の1日の摂取目安量は200gです。バナナは1本で約100gなので、1日に1~2本が目安となります。
バナナを食べ過ぎると、以下のような症状が現れる可能性があります。
カリウム過剰症: カリウムを過剰に摂取すると、不整脈や脱力感などの症状が現れるカリウム過剰症を引き起こす可能性があります。
太りやすい: バナナは糖質が豊富なので、食べ過ぎるとカロリーオーバーになり、太りやすい体質になります。
頭痛: バナナに含まれるチラミンという物質が、頭痛を引き起こすことがあります。
下痢: バナナに含まれる食物繊維を大量に摂取すると、下痢を引き起こすことがあります。
以下のような場合は、バナナの食べ過ぎに注意が必要です。
- 糖尿病: 糖尿病患者は、バナナの糖質を控える必要があります。
- 腎臓病: 腎臓病患者は、カリウムの摂取量を制限する必要があります。
- 頭痛持ち: 頭痛持ちの人は、バナナのチラミンが頭痛を悪化させる可能性があります。
バナナの栄養を最大限に生かすポイント
バナナの栄養を最大限に生かすポイントは、以下の通りです。
完熟度を重視する
バナナの熟度によって、含まれる栄養素の量や質が異なります。
熟し具合 | ビタミンC | カリウム | トリプトファン |
---|---|---|---|
若いバナナ | 豊富 | 豊富 | 少ない |
食べ頃 | 少ない | 少ない | 多い |
完熟 | 少ない | 多い | 豊富 |
若いバナナは、ビタミンCとカリウムが豊富に含まれています。ビタミンCは、抗酸化作用があり、老化や病気の予防に役立ちます。カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、高血圧の予防に役立ちます。
食べ頃のバナナは、トリプトファンが豊富に含まれています。トリプトファンは、体内でセロトニンに変換され、睡眠の質を高める働きがあります。
完熟のバナナは、トリプトファンとポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールは、抗酸化作用があり、老化や病気の予防に役立ちます。
エネルギー補給や便秘解消を目的とする場合は、若いバナナを、
睡眠の質の向上や老化や病気の予防を目的とする場合は、食べ頃または完熟のバナナを摂取するのがおすすめ!
*若いバナナ
皮の色が緑色で、触ると硬く、弾力があります。香りもあまりありません。
*食べ頃
皮の色が黄色で、触ると少し柔らかく、弾力があります。香りも甘く、フルーティーです。
*完熟
皮の色が黄色で、茶色の斑点が出ています。触ると柔らかく、果肉が溶け始めています。香りも強く、甘みがあります。
保存方法
バナナは常温、冷蔵庫、冷凍庫と、それぞれ異なる方法で保存することができます。最適な方法は、バナナの熟度や目的によって異なります。
1. 常温保存
- 適したバナナ: 緑色で硬いバナナ
- 保存期間: 3~5日
- 保存方法: 風通しの良い場所で、直射日光を避け、房のまま吊るしたり、横に寝かせたりして保存する。
- メリット: 手軽に保存できる。追熟が進み、甘くなる。
- デメリット: 追熟が早いため、すぐに柔らかくなってしまう。
2. 冷蔵保存
- 適したバナナ: 黄色くなって少し柔らかくなったバナナ
- 保存期間: 1週間程度
- 保存方法: 個別にラップで包んだり、ビニール袋に入れて保存する。
- メリット: 追熟を遅らせ、柔らかくなるのを防ぐことができる。
- デメリット: 冷えると甘みが弱くなる。
3. 冷凍保存
- 適したバナナ: 完熟したバナナ
- 保存期間: 約1ヶ月
- 保存方法: 皮をむいて1本ずつラップで包んだり、ジップロックなどの密閉容器に入れて保存する。
- メリット: 長期保存が可能。スムージーやバナナアイスなどに利用できる。
- デメリット: 解凍すると食感が悪くなる。
- 緑色のバナナを保存すると、追熟が進んで黄色くなります。
- 黄色いバナナを冷蔵庫に入れると、追熟が止まります。
- 黒ずんだバナナは、皮をむいて冷凍保存すると、スムージーなどに利用できます。
他の食品と組み合わせる
バナナは、他の食品と組み合わせることで、相乗効果を発揮します。次項で、バナナの栄養を高める相性の良い食材を紹介します。
バナナの栄養価を高める相性の良い食材
バナナの栄養を高める相性の良い食材は、以下のとおりです。
1. ヨーグルト
ヨーグルトにバナナをトッピングすることで、カルシウムと食物繊維を同時に摂取することができます。 カルシウムは骨や歯の健康維持に、食物繊維は便秘解消や腸内環境改善に効果があります。
2. ナッツ類
バナナとナッツ類を一緒に食べると、エネルギー補給に最適です。 ナッツ類には、良質な脂質やタンパク質が豊富に含まれています。 バナナと組み合わせることで、よりバランス良く栄養を摂取することができます。
3. ハチミツ
バナナにハチミツをかけると、甘みが増し、より美味しく食べることができます。 ハチミツには、抗菌作用や抗酸化作用があるため、風邪予防や美肌効果も期待できます。
4. アボカド
バナナとアボカドを一緒に食べると、クリーミーな味わいになります。 アボカドには、良質な脂質やカリウムが豊富に含まれています。 バナナと組み合わせることで、より栄養価の高い食事になります。
5. キウイ
バナナとキウイを一緒に食べると、ビタミンCを効率的に摂取することができます。 キウイには、ビタミンCが非常に豊富に含まれています。 バナナと組み合わせることで、風邪予防や美肌効果を期待できます。
バナナはいつ食べるのが良い?
バナナは、朝、昼、夜、いつ食べても良い栄養満点な果物です。ただし、食べるタイミングによって、より効果的に栄養を摂取できることもあります。
朝食に食べると、エネルギー補給に役立つ
バナナは、炭水化物や糖質を多く含む果物です。そのため、朝食に食べると、体内のエネルギー源となるブドウ糖を効率よく補給することができます。また、バナナに含まれる食物繊維は、腸内環境を整える働きがあるため、便秘の予防にも役立ちます。
間食に食べると、小腹を満たし、集中力を高める
バナナは、手軽に食べられる果物です。そのため、間食に食べると、小腹を満たし、集中力を高める効果が期待できます。また、バナナに含まれるカリウムは、脳の働きを高める働きがあるとされています。
夜に食べると、リラックス効果が期待できる
バナナに含まれるトリプトファンは、体内でセロトニンやメラトニンの生成に必要な栄養素です。セロトニンは、幸福感やリラックス感を促すホルモンであり、メラトニンは、睡眠を促すホルモンです。そのため、夜にバナナを食べると、リラックス効果が期待できます。
バナナと乾燥バナナはどちらが栄養価が高い?
バナナと、乾燥バナナの栄養価は以下のような違いがあります。
栄養素 | バナナ | 乾燥バナナ |
---|---|---|
エネルギー | 92kcal | 314kcal |
糖質 | 22.8g | 82.4g |
食物繊維 | 3.1g | 10.4g |
カリウム | 422mg | 1,268mg |
バナナは、乾燥バナナに比べて、糖質や食物繊維が少なく、カリウムが多く含まれています。そのため、ダイエットや血圧コントロールを目的とする場合は、バナナがおすすめです。
一方、乾燥バナナは、バナナに比べて、カロリーが高く、エネルギー補給に向いています。そのため、運動前後やアウトドアでのエネルギー補給に乾燥バナナがおすすめです。
また、乾燥バナナは、バナナに比べて水分が少なく、保存がきくため、持ち運びに便利です。そのため、仕事や勉強の合間など、忙しいときには、乾燥バナナがおすすめです。
バナナと乾燥バナナは、どちらも栄養価が高く、食べやすい果物です。どちらがおすすめかは、その人の好みや目的によって異なります。
塩バナナとは何!?
塩バナナは、バナナに塩をかけて食べるだけのシンプルな食べ方です。近年、テレビや雑誌などで取り上げられ、熱中症対策や運動中のエネルギー補給などに効果的な食べ方として注目されています。
塩バナナの効果
- 水分とミネラルの補給: バナナはカリウムが豊富ですが、塩を加えることで、ナトリウムも補給することができます。汗で失われた水分とミネラルを補給することで、熱中症対策や運動中のパフォーマンス向上に効果が期待できます。
- 甘味の引き立て: 塩を少し加えることで、バナナ本来の甘みが引き立てられます。
- 食べやすさの向上: 塩を少し加えることで、バナナの風味が引き締まり、食べやすくなります。
塩バナナの作り方
- バナナを冷蔵庫で冷やしておきます。
- バナナの皮をむき、一口大に切ります。
- バナナにひとつまみ程度の塩を振りかけます。
- すぐに食べる場合は、冷蔵庫で冷やしておくと、より美味しくいただけます。
塩バナナの注意点
- 塩の量はお好みで調整してください。かけすぎるとしょっぱくなりすぎるので注意が必要です。
- 塩分が気になる方は、カリウムを多く含む食品と一緒に食べると、カリウムがナトリウムの排泄を促進する効果があります。
塩バナナは、手軽に作れて栄養価も高いので、ぜひ試してみてください。
バナナの知られていない豆知識
バナナについて、意外と知られていない知識をいくつかご紹介します。
1. バナナはもともと緑色
完熟前のバナナは緑色をしていますが、これはクロロフィルという色素によるものです。完熟になるとクロロフィルが分解され、黄色い色素であるカロテンが表れるため、黄色くなります。
2. バナナは草
一般的に、バナナは木に実る果物と思われがちですが、実は草です。バナナの木はシュロという草本の仲間で、地上部が枯れても地下茎から新しい芽が出て成長するため、木のように見えます。
3. バナナは世界で最も消費されている果物
2021年の統計によると、バナナは年間約1億1千万トンも消費されており、これは世界で最も消費されている果物です。
4. バナナは世界で最も消費されている果物バナナの歴史は4000年以上
バナナは、東南アジアが原産地と考えられており、4000年以上前から栽培されています。
5. バナナの種類は1000種類以上
食用として栽培されているバナナはキャベンディッシュ種がほとんどですが、世界には1000種類以上のバナナの種類が存在します。
日本のスーパーでよく売られているバナナは、主に以下の3種類です。
- キャベンディッシュ種: 世界中で最も栽培されているバナナの品種です。皮が厚く、日持ちがよく、癖のない味わいが特徴です。
- エクアドル産: 甘みが強く、酸味が少ないのが特徴です。日本では「エクアドルゴールド」などの名前で販売されることもあります。
- フィリピン産: 酸味が適度にあり、さっぱりとした味わいが特徴です。日本では「ドールバナナ」などの名前で販売されることもあります。
その他にも、台湾産やタイ産などのバナナも販売されています。
朝にバナナを食べると良いって聞いたことあるけど、どんな効果があるんだろう?