豊富な栄養を最大限活かす飲み方や食べ合わせ方、おすすめの牛乳の種類を紹介していくぞ!
本記事では、牛乳の栄養価や健康効果について詳しく紹介します。
目次
牛乳の栄養成分
牛乳の100mlあたりの栄養価は、以下のとおりです。
栄養素 | 量 |
---|---|
エネルギー | 66kcal |
たんぱく質 | 3.3g |
脂質 | 3.0g |
炭水化物 | 5.5g |
カルシウム | 110mg |
カリウム | 150mg |
ビタミンD | 0.3μg |
ナイアシン (B3) | 1mg |
ビタミンB2 | 0.1mg |
ビタミンB1 | 0.07mg |
葉酸 | 10μg |
ビタミンA | 100μg |
ビタミンE | 0.5mg |
ビタミンK | 2μg |
牛乳は、栄養価の高い食材として知られています。三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物に加え、カルシウム、ビタミンD、ビタミンB群などのミネラルやビタミンも豊富に含まれています。
特にカルシウムは、牛乳に含まれる栄養素の中で最も多く、牛乳を1日1杯飲むだけで、1日の摂取量の約3分の1を摂取することができます。カルシウムは、骨や歯の形成に欠かせない栄養素であり、骨粗しょう症の予防にも効果的です。
また、ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。そのため、牛乳とビタミンDを一緒に摂取すると、カルシウムの吸収率がアップします。
牛乳の健康効果
牛乳には、さまざまな健康効果が期待できます。
骨粗しょう症の予防
牛乳に含まれるカルシウムは、骨や歯の形成に欠かせない栄養素です。また、牛乳に含まれるリンも、骨や歯の形成に重要な役割を果たします。カルシウムの摂取量が不足すると、骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。牛乳を1日1杯飲むだけで、1日の摂取量の約3分の1を摂取することができます。
高血圧の予防
牛乳に含まれるカリウムは、ナトリウムの排泄を促進する働きがあります。ナトリウムが多いと、血圧が上昇しやすくなります。牛乳を1日1杯飲むだけで、1日のカリウム摂取量の約13%を摂取することができます。
心臓病の予防
牛乳に含まれるたんぱく質は、血液中のコレステロール値を下げる働きがあります。コレステロール値が高いと、動脈硬化や心臓病のリスクが高まります。牛乳を1日1杯飲むだけで、1日のたんぱく質摂取量の約10%を摂取することができます。
糖尿病の予防
牛乳に含まれるカルシウムは、インスリン抵抗性を改善する働きがあります。インスリン抵抗性が低下すると、血糖値が上がりやすくなります。牛乳を1日1杯飲むだけで、1日のカルシウム摂取量の約3分の1を摂取することができます。
脳の健康維持
牛乳に含まれるビタミンB12は、神経細胞の働きをサポートする働きがあります。ビタミンB12が不足すると、神経細胞の損傷や機能障害を引き起こす可能性があります。牛乳を1日1杯飲むだけで、1日のビタミンB12摂取量の約20%を摂取することができます。
便秘の予防
牛乳に含まれる乳糖は、腸内細菌のエサになります。乳酸菌などの善玉菌が増えて、腸内環境が整うと、便秘の予防に効果的です。
肌や筋肉の健康維持
牛乳に含まれるたんぱく質は、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。また、ビタミンAは、肌のターンオーバーを促進する働きがあります。牛乳を1日1杯飲むだけで、1日のたんぱく質摂取量の約10%と、1日のビタミンA摂取量の約10%を摂取することができます。
免疫力の向上
牛乳に含まれる免疫グロブリンG(IgG)は、体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃する働きがあります。牛乳を飲むことで、免疫力を高め、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防に効果が期待できます。
ストレスの緩和
牛乳に含まれるトリプトファンは、セロトニンの材料となる栄養素です。セロトニンは、脳の神経伝達物質であり、気分や睡眠の質を整える働きがあります。
このように、牛乳は、健康維持に欠かせない栄養素をバランスよく含んでいる、優れた食材です。毎日の食事に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。
牛乳に含まれるカゼインとは?
牛乳に含まれるカゼインは、牛乳タンパク質の約80%を占めるタンパク質です。水に溶けない性質を持ち、牛乳中に小さな粒子として分散しています。酸によって固まる性質を持っており、チーズやヨーグルトはその性質を利用したものです。
カゼインの機能
- 栄養源: カゼインは必須アミノ酸をバランス良く含み、体内で消化吸収されるとアミノ酸として利用されます。アミノ酸は、筋肉や臓器の形成、維持に必要です。
- カルシウムの吸収促進: カゼインは、カルシウムと結合して小腸での吸収を促進する働きがあります。
- 満腹感の持続: カゼインは、胃の中でゆっくりと消化されるため、満腹感が持続しやすくなります。
- 抗菌作用: カゼインは、乳幼児の腸内環境を整える抗菌作用を持っています。
カゼインの種類
- α-カゼイン: 牛乳タンパク質の約40%を占める最も一般的なカゼインです。
- β-カゼイン: 牛乳タンパク質の約30%を占めるカゼインです。
- κ-カゼイン: 牛乳タンパク質の約10%を占めるカゼインです。
- γ-カゼイン: 牛乳タンパク質の約5%を占めるカゼインです。
それぞれのカゼインは、性質や機能が少しずつ異なります。
カゼインの注意点
- 牛乳アレルギー: カゼインは牛乳アレルギーの原因となることがあります。牛乳アレルギーの人は、カゼインを含む食品を避ける必要があります。
- 消化吸収: カゼインは、消化吸収に時間がかかるため、胃腸が弱い人は、消化不良を起こす可能性があります。
牛乳の健康的な飲み方
牛乳を健康的に飲むには、以下の点に注意しましょう。
1日1杯を目安に飲む
牛乳は、栄養価の高い食材ですが、摂りすぎると、カロリーや脂質の過剰摂取につながる可能性があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人の牛乳の1日の適正摂取量は、200ml程度とされています。年齢や性別、活動量によって異なりますが、一般的にはコップ1杯程度です。
成長期
- 成長期の子供は、骨や歯の形成に必要なカルシウムを多く必要とするため、牛乳の摂取量を増やすことが推奨されます。
- 男の子は1日2杯(400ml)、女の子は1日1.5杯(300ml)程度が目安です。
成人
- 成人は、骨の健康維持やカルシウム不足の予防のために、牛乳を1日1杯(200ml)程度摂取することが推奨されます。
- 運動量が多い人は、汗でカルシウムを多く失うため、牛乳の摂取量を増やすと良いでしょう。
高齢者
- 高齢者は、骨粗しょう症の予防のために、牛乳を1日1杯(200ml)程度摂取することが推奨されます。
- カルシウムの吸収を促進するために、ビタミンDと一緒に摂取すると効果的です。
加熱して飲む
牛乳を加熱して飲んだ方が良い理由には、いくつかの理由があります。
1. 消化吸収が良くなる
牛乳は、タンパク質や脂肪が含まれているため、胃腸に負担がかかる場合があります。しかし、加熱することでタンパク質が変性し、脂肪が柔らかくなるため、消化吸収が良くなります。
2. カルシウムの吸収率が上がる
牛乳に含まれるカルシウムは、タンパク質と結合しています。加熱することでタンパク質が変性し、カルシウムがより吸収しやすくなります。
3. 殺菌効果がある
牛乳には、乳酸菌や大腸菌などの細菌が含まれている場合があります。加熱することでこれらの細菌が死滅し、食中毒のリスクを減らすことができます。
4. 風味・味覚が変わる
牛乳を加熱することで、風味や味覚が変化します。温かい牛乳は、冷たい牛乳よりもまろやかで優しい味わいになり、リラックス効果があるとされています。
5. 睡眠の質を向上
牛乳に含まれるトリプトファンというアミノ酸は、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となります。温かい牛乳を飲むことで、体温が上がり、リラックス効果も相まって、睡眠の質が向上するとされています。
ただし、牛乳を過度に加熱すると、栄養素が壊れてしまう可能性があります。 牛乳を加熱する際は、沸騰させずに、60℃程度に温めるのがおすすめです。
乳糖不耐症やアレルギー体質の人は注意する
乳糖不耐症の人は、牛乳を飲むとお腹がゆるくなることがあります。また、アレルギー体質の人は、牛乳を飲むとアレルギー反応を起こす可能性があります。牛乳を飲む際には、自分の体質や体調に注意して、無理のない範囲で摂取するようにしましょう。
牛乳の飲むタイミング
牛乳はいつ飲んでも良いのですが、目的や体調によって最適なタイミングが異なる場合があります。
1. 目的別
- カルシウムの吸収カルシウムの吸収を促進したい場合は、食後に飲むのがおすすめです。食後に胃酸の分泌が抑えられるため、カルシウムがより吸収しやすくなります。
- 睡眠の質向上睡眠の質を向上させたい場合は、寝る前に飲むのがおすすめです。牛乳に含まれるトリプトファンというアミノ酸は、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となります。温かい牛乳を飲むことで、体温が上がり、リラックス効果も相まって、睡眠の質が向上するとされています。
- 疲労回復疲労回復したい場合は、運動後に飲むのがおすすめです。牛乳に含まれるタンパク質やビタミンB群は、疲労回復に効果的です。
2. 体調別
- 胃腸が弱い胃腸が弱い人は、空腹時に牛乳を飲むと腹痛を起こす可能性があります。そのような人は、食後に牛乳を飲むことをおすすめします。
- 冷え性冷え性の人は、冷たい牛乳を飲むと体を冷やす可能性があります。そのような人は、温かい牛乳を飲むことをおすすめします。
3. その他
- 牛乳は、他の食材と組み合わせて飲むことで、より効果的に栄養素を摂取することができます。例えば、ヨーグルトやチーズなどの乳製品と一緒に飲むと、カルシウムの吸収率が高くなります。また、果物や野菜と一緒に飲むと、ビタミンやミネラルを補給することができます。
牛乳の栄養価を高める相性の良い食材
牛乳の栄養価を高める相性の良い食べ物は、以下のとおりです。
ビタミンDを含む食品
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。そのため、牛乳とビタミンDを一緒に摂取すると、カルシウムの吸収率がアップします。ビタミンDを含む食材には、魚介類(鮭、サンマ、イワシ)、きのこ類(しいたけ、きくらげ)、卵黄などがあります。
具体的な食べ合わせ例
- 牛乳と魚のホイル焼き
牛乳と魚を一緒に摂取することで、カルシウムの吸収率がアップします。また、魚に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、脳や神経の働きをサポートする働きがあります。
- 牛乳ときのこのソテー
牛乳とキノコを一緒に摂取することで、ビタミンDの吸収率がアップします。また、キノコに含まれるβ-グルカンは、免疫力を高める働きがあります。
カルシウムを含む食品
牛乳には、カルシウムが豊富に含まれていますが、牛乳だけでは、カルシウムの1日の摂取量を満たすことは難しいです。そのため、牛乳とカルシウムが豊富な食品を一緒に摂取すると、カルシウムの摂取量を増やすことができます。カルシウムが豊富な食品には、小魚、海藻類、大豆製品などがあります。
具体的な食べ合わせ例
- 牛乳とヨーグルト
ヨーグルトには、カルシウムが豊富に含まれています。牛乳に含まれる乳糖の一部が分解されているため、乳糖不耐症の人でも食べやすいのが特徴です。また、ヨーグルトには乳酸菌が豊富に含まれているため、腸内環境を整える効果があります。
たんぱく質を含む食品
牛乳には、たんぱく質も豊富に含まれていますが、牛乳だけでは、たんぱく質の1日の摂取量を満たすことは難しいです。そのため、牛乳とたんぱく質が豊富な食品を一緒に摂取すると、たんぱく質の摂取量を増やすことができます。たんぱく質が豊富な食品には、卵、肉、魚、大豆製品などがあります。
具体的な食べ合わせ例
- 牛乳と卵のトースト
牛乳と卵を一緒に摂取することで、たんぱく質の摂取量を増やすことができます。また、卵に含まれるビタミンAやビタミンEなどのビタミンは、肌の健康維持に役立ちます。
食物繊維を含む食品
食物繊維は、腸内環境を整え、カルシウムの吸収を促進する役割があります。食物繊維を含む食材には、野菜、きのこ類、海藻類などがあります。。
具体的な食べ合わせ例
- 牛乳と野菜スープ
牛乳と野菜を一緒に摂取することで、食物繊維の摂取量を増やすことができます。また、野菜に含まれるビタミンやミネラルは、健康維持に欠かせません。
その他
牛乳に含まれるタンパク質は、酸によって固まる性質があります。そのため、柑橘類などの酸性の果物と一緒に飲むと、消化吸収が悪くなる可能性があります。しかし、他の果物であれば、牛乳と一緒に飲むことでビタミンやミネラルを補給することができます。
牛乳は、栄養価の高い食材ですが、単体で摂取するよりも、相性の良い食べ物と一緒に摂取することで、さらに栄養価を高めることができます。
牛乳の栄養を阻害する相性の悪い食材
牛乳の栄養を阻害する相性の悪い食材は、いくつかあります。
カルシウムの吸収を妨げる
- シュウ酸を含む食材:シュウ酸は、カルシウムと結合して不溶性のシュウ酸カルシウムを形成します。シュウ酸を含む食材には、ほうれん草、パセリ、たけのこ、チョコレートなどがあります。
- リンを含む食材:リンは、カルシウムと結合して不溶性のリン酸カルシウムを形成します。リンを含む食材には、魚肉の加工品(ちくわ、はんぺん)、チーズ、ナッツ類などがあります。
タンパク質の吸収を妨げる
- タンニンを含む食材タンニンは、タンパク質と結合して不溶性のタンニンタンパク質を形成します。タンニンを含む食材には、緑茶、紅茶、コーヒー、柿などがあります。
その他
- 酸性の果物:牛乳に含まれるタンパク質は、酸によって固まる性質があります。そのため、柑橘類などの酸性の果物と一緒に飲むと、消化吸収が悪くなる可能性があります。
牛乳は、単体で飲むだけでも栄養価の高い食品です。しかし、相性の悪い食材と一緒に摂取することで、栄養素の吸収が阻害される可能性があります。
ただし、これらの食材を少量摂取しただけで、すぐにカルシウムの吸収が阻害されるわけではありません。 バランスの良い食事を心がけることが重要です。
牛乳の種類とおすすめの牛乳は?
牛乳には、以下のような種類があります。
種類 | 特徴 | 健康効果の違い |
---|---|---|
種類別牛乳 | 生乳を成分調整せずに殺菌した牛乳 | カルシウム、たんぱく質、脂質、ビタミンD、ビタミンB群などの栄養素がバランスよく含まれている |
低脂肪牛乳 | 乳脂肪分を3.0%以下に調整した牛乳 | 脂質が少ないため、カロリーが低く、ダイエットや健康維持におすすめ |
無脂肪牛乳 | 乳脂肪分を0.5%以下に調整した牛乳 | 脂質が極端に少ないため、カロリーが非常に低く、ダイエットに最適 |
乳飲料 | 牛乳をベースに、カルシウム、ビタミンD、食物繊維、オリゴ糖などの栄養素を強化したり、コーヒーや果汁を加えたりして作った乳製品 | 目的や好みに合わせて選ぶことができる |
- 種類別牛乳
種類別牛乳は、乳等省令で定められた基準を満たした牛乳です。乳脂肪分と無脂乳固形分の含有量で分類されます。
種類別牛乳は、乳脂肪分や無脂乳固形分の含有量が異なるため、カロリーや脂質の量が異なります。また、乳脂肪分が多い種類別牛乳の方が、カルシウムの含有量が多い傾向があります。
牛乳:乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上の牛乳です。最も一般的な牛乳です。カルシウム、たんぱく質、脂質、ビタミンD、ビタミンB群などの栄養素がバランスよく含まれている
低脂肪乳:乳脂肪分3.0%以下1.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上の牛乳です。脂肪分を抑えた牛乳です。脂質が少ないため、カロリーが低く、ダイエットや健康維持におすすめです。
無脂肪乳:乳脂肪分0.5%未満、無脂乳固形分8.0%以上の牛乳です。脂肪分をほとんど含まない牛乳です。脂質が極端に少ないため、カロリーが非常に低く、ダイエットに最適です。
- 加工乳
加工乳は、種類別牛乳から乳脂肪分や無脂乳固形分、乳糖などの成分を調整した牛乳です。
加工乳は、乳脂肪分や無脂乳固形分、乳糖などの成分を調整しているため、種類別牛乳とは異なる健康効果が期待できます。例えば、無脂肪乳は、脂肪分を抑えたため、カロリーや脂質の摂り過ぎを防ぐことができます。また、調製乳は、ビタミンやカルシウムなどの栄養素を添加しているため、健康維持に役立ちます。
調整乳:乳脂肪分や無脂乳固形分の含有量を、種類別牛乳の基準に満たない範囲で調整した牛乳です。
調製乳:乳脂肪分や無脂乳固形分の含有量を、種類別牛乳の基準を満たさない範囲で調整した牛乳です。また、ビタミンやカルシウムなどの栄養素を添加することもできます。
- 乳飲料
乳飲料は、乳製品を主原料として製造された飲料で、乳等省令の適用対象外です。
乳飲料は、牛乳を主原料として製造されているため、種類別牛乳と似た健康効果が期待できます。ただし、カフェオレやフルーツ牛乳など、他の食品を添加しているものもあります。そのため、カロリーや糖質の摂り過ぎに注意が必要です。
カフェオレ:コーヒーと牛乳を混ぜた飲料です。
フルーツ牛乳:フルーツと牛乳を混ぜた飲料です。
豆乳:大豆を原料とした飲料です。
このように、牛乳には種類によって栄養価や健康効果に違いがあります。自分の目的や体質に合わせて、適切な種類の牛乳を選びましょう。
牛乳は、三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物に加え、カルシウム、ビタミンD、ビタミンB群などのミネラルやビタミンも豊富に含まれているんだ!