たんぱく質の宝庫である鶏肉は、その他にも様々な栄養が含まれているんじゃ。
そんな栄養素の酸化や流出を防ぐ食べ方も紹介するぞ☆
本記事では、鶏肉の栄養成分と健康に及ぼす影響について詳しく紹介します。
目次
鶏肉の栄養成分
鶏肉の100gあたりの栄養価は、以下のとおりです。
栄養素 | 含有量 | 1日あたりの推奨摂取量に対する割合 |
---|---|---|
エネルギー | 190kcal | 8.6% |
たんぱく質 | 23.3g | 46.6% |
脂質 | 14.2g | 23.2% |
炭水化物 | 0g | 0% |
カリウム | 190mg | 8.6% |
鉄分 | 0.9mg | 5.6% |
セレン | 29μg | 48.5% |
ビタミンB1 | 0.12mg | 10.8% |
ビタミンB2 | 0.16mg | 11.3% |
ビタミンB6 | 0.23mg | 15.5% |
ビタミンB12 | 0.03μg | 1.0% |
ナイアシン | 5.6mg | 37.3% |
鶏肉は、たんぱく質が豊富に含まれている食品です。たんぱく質は、筋肉や骨、皮膚、髪の毛などの材料となる栄養素です。また、鶏肉には、鉄分やセレンなどのミネラルも豊富に含まれています。鉄分は、赤血球の材料となる栄養素です。セレンは、抗酸化作用を持つ栄養素です。
鶏肉の部位別の栄養価の違いとおすすめ
鶏肉の部位別の栄養価
鶏肉の部位別の栄養価は、以下のとおりです。
部位 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | カリウム | 鉄分 | セレン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
鶏もも肉(皮つき) | 190kcal | 23.3g | 14.2g | 0g | 190mg | 0.9mg | 29μg |
鶏もも肉(皮なし) | 133kcal | 26.9g | 9.3g | 0g | 190mg | 0.9mg | 29μg |
鶏むね肉(皮つき) | 165kcal | 23.9g | 11.4g | 0g | 190mg | 0.9mg | 29μg |
鶏むね肉(皮なし) | 105kcal | 26.9g | 6.6g | 0g | 190mg | 0.9mg | 29μg |
鶏ささみ | 101kcal | 23.6g | 0.7g | 0g | 190mg | 0.9mg | 29μg |
せせり | 140kcal | 27.3g | 6.7g | 0g | 190mg | 1.5mg | 29μg |
手羽中 | 165kcal | 17.4g | 11.2g | 0g | 190mg | 0.9mg | 29μg |
手羽元 | 175kcal | 16.3g | 11.9g | 0g | 190mg | 0.9mg | 29μg |
このように、鶏肉の部位によって、エネルギーやたんぱく質、脂質、炭水化物、カリウム、鉄分、セレンの含有量が異なります。
鶏肉の部位別おすすめ
鶏肉は、部位によって脂肪やタンパク質の含量が異なり、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、鶏肉の部位別に、おすすめの人と調理方法をご紹介します。
1. むね肉
- 特徴:
- 脂肪が少なく、タンパク質が豊富
- パサつきやすい
- おすすめの人:
- ダイエット中の方
- 筋肉量を増やしたい方
- 糖質制限中の方
- おすすめ調理方法:
- 蒸し鶏
- サラダ
- サンドイッチ
- 炒め物
2. もも肉
- 特徴:
- 脂肪が多く、ジューシー
- 旨味が強い
- おすすめの人:
- 脂肪を適度に摂取したい方
- 旨味を重視したい方
- 子供
- 高齢者
- おすすめ調理方法:
- 焼き鳥
- 唐揚げ
- 煮物
- カレー
3. 手羽先
- 特徴:
- コラーゲンが豊富
- 骨付きで食べ応えがある
- おすすめの人:
- 美肌効果を期待したい方
- 骨付き肉が好きの方
- おつまみとして楽しみたい方
- おすすめ調理方法:
- 唐揚げ
- 焼き鳥
- 煮物
4. 手羽元
- 特徴:
- 脂肪が多く、ジューシー
- コラーゲンが豊富
- おすすめの人:
- 脂肪を適度に摂取したい方
- コラーゲンを摂取したい方
- ボリュームのある料理を作りたい方
- おすすめ調理方法:
- 煮物
- スープ
- カレー
5. ささみ
- 特徴:
- 脂肪が非常に少なく、タンパク質が豊富
- あっさりとした味わい
- おすすめの人:
- ダイエット中の方
- 筋肉量を増やしたい方
- 病中病後の方
- おすすめ調理方法:
- サラダ
- 和え物
- スープ
6. せせり
- 特徴:
- 鶏の首周りの肉
- 脂肪が多く、ジューシー
- 旨味が強い
- おすすめの人:
- 脂肪を適度に摂取したい方
- 旨味を重視したい方
- 希少部位が好きの方
- おすすめ調理方法:
- 焼き鳥
- 炒め物
- 鍋
鶏肉は、部位によってさまざまな特徴があります。自分の体質や目的に合わせて、最適な部位を選んでください。
鶏肉の健康効果
鶏肉の健康効果は、以下の通りです。
- 筋肉や骨の健康維持に役立つ
鶏肉に豊富に含まれているたんぱく質は、筋肉や骨の材料となります。そのため、鶏肉を摂取することで、筋肉や骨の健康維持に役立ちます。
鶏肉のたんぱく質は、アミノ酸のバランスが良いのが特徴です。アミノ酸は、たんぱく質を構成する成分です。アミノ酸のバランスが良いたんぱく質は、筋肉や骨の生成に効果的であるとされています。
- 貧血の予防・改善に役立つ
鶏肉に豊富に含まれている鉄分は、赤血球の材料となります。そのため、鶏肉を摂取することで、貧血の予防・改善に役立ちます。
赤血球は、酸素を体中に運ぶ役割があります。鉄分が不足すると、赤血球の生成が低下し、貧血を引き起こす可能性があります。
- 疲労回復に役立つ
鶏肉に豊富に含まれているビタミンB1は、疲労回復に役立つ栄養素です。そのため、鶏肉を摂取することで、疲労回復に役立ちます。
ビタミンB1は、糖質の代謝を促進する働きがあります。糖質は、体内のエネルギー源となる栄養素です。ビタミンB1が不足すると、糖質の代謝が低下し、疲労感を引き起こす可能性があります。
- むくみの解消に役立つ
鶏肉に豊富に含まれているカリウムは、むくみの解消に役立つ栄養素です。そのため、鶏肉を摂取することで、むくみの解消に役立ちます。
カリウムは、体内の余分な水分を排出する働きがあります。カリウムが不足すると、体内に余分な水分が溜まり、むくみを引き起こす可能性があります。
- 美肌効果に役立つ
鶏肉に豊富に含まれているコラーゲンは、美肌に欠かせない栄養素です。そのため、鶏肉を摂取することで、美肌効果に役立ちます。
コラーゲンは、肌のハリや弾力を与える働きがあります。コラーゲンが不足すると、肌のハリや弾力が低下し、シワやたるみなどの原因となります。
- 健康寿命の延伸に役立つ
鶏肉は、たんぱく質や鉄分、セレンなど、健康維持に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。そのため、鶏肉を摂取することで、健康寿命の延伸に役立ちます。
鶏肉の栄養を最大限に活かすポイント
鶏肉の栄養を最大限に活かすポイントは、以下のとおりです。
- 加熱方法を工夫する
鶏肉を加熱するときには、焼く、蒸す、ゆでるなどの加熱方法がおすすめです。揚げると、脂質やカロリーが高くなります。
焼くときは、皮をむいて焼くと、脂質やカロリーを抑えることができます。蒸すときは、蒸し器や鍋で蒸すと、水分が逃げにくく、栄養素を損なわないようにすることができます。ゆでるときは、沸騰したお湯に入れて、弱火で10分ほどゆでると、鶏肉の旨味が染み出てきます。
- 加熱のしすぎに注意する
鶏肉を加熱するときは、加熱のしすぎに注意しましょう。加熱のしすぎると、たんぱく質が固くなり、消化に悪くなります。また、ビタミンやミネラルなどの栄養素も失われやすくなります。
焼くときは、焼き色がついたら、裏返して弱火で10分ほど焼くと、鶏肉の旨味を残しつつ、中まで火が通ります。蒸すときは、蒸し器や鍋で蒸して、鶏肉に箸がスッと通れば、火が通っています。ゆでるときは、沸騰したお湯に入れて、弱火で10分ほどゆでて、鶏肉に箸がスッと通れば、火が通っています。
- 水分と一緒に摂取する
鶏肉を食べるときは、水分と一緒に摂取すると、たんぱく質の吸収率を高めることができます。
鶏肉に含まれるたんぱく質は、消化吸収に時間がかかります。水分を一緒に摂取することで、たんぱく質の消化吸収を促進し、栄養素を効率よく体内に取り込むことができます。
- 他の食品と組み合わせる
鶏肉は、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を多く含む食品と組み合わせると、たんぱく質の酸化を防ぐことができます。
たんぱく質は、酸化すると、老化や生活習慣病の原因となる可能性があります。ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質は、たんぱく質の酸化を防ぐ働きがあります。
鶏肉の栄養を効率よく摂取できる相性の良い食材
鶏肉の栄養を効率よく摂取するには、相性の良い食材と組み合わせるのがおすすめです。
1. ビタミンB群の吸収を助ける食材
鶏肉はビタミンB群を豊富に含んでいます。ビタミンB群は水溶性ビタミンなので、体内に吸収されやすい性質を持っています。ビタミンB群の吸収を助けるためには、以下の食材と組み合わせるのがおすすめです。
- 玄米: ビタミンB1
- レバー: ビタミンB12
- ブロッコリー: ビタミンB6
これらの食材と一緒に鶏肉を食べることで、ビタミンB群の吸収率をアップさせることができます。
2. タンパク質の吸収を助ける食材
鶏肉はタンパク質を豊富に含んでいます。タンパク質は、胃酸や消化酵素によって分解されて吸収されます。タンパク質の吸収を助けるためには、以下の食材と組み合わせるのがおすすめです。
- パイナップル: ブロメライン
- キウイ: アクチニジン
- 大根: アミラーゼ
これらの食材と一緒に鶏肉を食べることで、タンパク質の消化吸収を促進することができます。
3. 鶏肉の旨味を引き出す食材
鶏肉は、淡白な味わいの食材です。鶏肉の旨味を引き出すためには、以下の食材と組み合わせるのがおすすめです。
- きのこ類: シイタケ、エリンギなど
- 玉ねぎ: 甘みと旨味
- トマト: 酸味と旨味
これらの食材と一緒に鶏肉を炒めることで、鶏肉の旨味を引き出すことができます。
4. 鶏肉の栄養を補う食材
鶏肉は、ビタミンCや食物繊維が少ない食材です。鶏肉の栄養を補うためには、以下の食材と組み合わせるのがおすすめです。
- ブロッコリー: ビタミンC、食物繊維
- トマト: ビタミンC
- きのこ類: 食物繊維
これらの食材と一緒に鶏肉を食べることで、鶏肉の栄養バランスを整えることができます。
鶏肉と相性の良い食材と組み合わせたレシピ例
1. 鶏肉とブロッコリーのチーズ焼き
- 材料:
- 鶏むね肉: 1枚
- ブロッコリー: 1/2個
- 玉ねぎ: 1/2個
- ピザ用チーズ: 適量
- 塩: 少々
- こしょう: 少々
- 作り方:
- 鶏むね肉は一口大に切り、塩、こしょうで下味をつける。
- ブロッコリーは小房に分け、塩茹でする。
- 玉ねぎは薄切りにする。
- フライパンに油を熱し、鶏むね肉を炒める。
- 鶏むね肉に火が通ったら、玉ねぎを加えて炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたら、ブロッコリーを加えて炒める。
- 塩、こしょうで味を調える。
- 耐熱皿に7を移し、ピザ用チーズを乗せる。
- 200℃に予熱したオーブンで10分ほど焼き、チーズが溶けたら完成。
2. 鶏肉とトマトの煮込み
- 材料:
- 鶏もも肉: 1枚
- トマト: 2個
- 玉ねぎ: 1/2個
- にんじん: 1/2本
- 水: 200ml
- コンソメ: 1個
- オリーブオイル: 大さじ1
- 塩: 少々
- こしょう: 少々
- 作り方:
- 鶏もも肉は一口大に切り、塩、こしょうで下味をつける。
- トマトは湯剥きし、ざく切りにする。
- 玉ねぎは薄切りにする。
- にんじんは乱切りにする。
- 鍋にオリーブオイルを熱し、鶏もも肉を炒める。
- 鶏もも肉に火が通ったら、玉ねぎ、にんじんを加えて炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたら、トマト、水、コンソメを加えて煮込む。
- 野菜が柔らかくなったら、塩、こしょうで味を調えて完成。
3. 鶏肉とキノコのソテー バルサミコ酢ソース
- 材料:
- 鶏むね肉: 1枚
- お好みのキノコ: 適量
- 玉ねぎ: 1/4個
- バルサミコ酢: 大さじ2
- 醤油: 大さじ1
- みりん: 大さじ1
- はちみつ: 小さじ1
- オリーブオイル: 大さじ1
- 塩: 少々
- こしょう: 少々
- 作り方:
- 鶏むね肉は一口大に切り、塩、こしょうで下味をつける。
- キノコは食べやすい大きさに切る。
- 玉ねぎは薄切りにする。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、鶏むね肉を炒める。
- 鶏むね肉に火が通ったら、キノコ、玉ねぎを加えて炒める。
- バルサミコ酢、醤油、みりん、はちみつを加えて煮詰める。
- 塩、こしょうで味を調えて完成。
鶏肉は1日どのくらい食べるべき?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人男性のたんぱく質の摂取目標量は1日60g~65g、成人女性は1日50gです。鶏肉は、100gあたり23.3gのタンパク質が含まれているため、100gの鶏肉を食べるごとに、たんぱく質を約23g摂取することができます。
したがって、成人男性の場合、1日100gの鶏肉を食べることによって、たんぱく質の摂取目標量を達成することができます。成人女性の場合、1日150gの鶏肉を食べることによって、たんぱく質の摂取目標量を達成することができます。
もちろん、これはあくまでも目安です。体格や活動量によって、適切な摂取量は異なります。自分の体格や活動量に合わせて、適切な摂取量を検討しましょう。
鶏肉は、タンパク質やビタミンB群など、健康に役立つ栄養素を豊富に含んでいます。しかし、過剰摂取すると、以下の健康リスクが生じる可能性があります。
1. 尿酸値の上昇
鶏肉は、プリン体と呼ばれる成分を多く含んでいます。プリン体は体内で分解されて尿酸となり、尿酸値の上昇につながります。尿酸値が高い状態が続くと、痛風や腎臓結石などのリスクが高まります。
2. 肥満
鶏肉は、部位によって脂肪の含量が異なります。もも肉や皮付きの鶏肉は、脂肪が多く、過剰摂取すると肥満につながる可能性があります。
鶏肉はいつ食べるとよい?
鶏肉は、朝食、昼食、夕食、どのタイミングで食べても問題ありません。それぞれのタイミングでメリットとデメリットがあるので、自分の目的に合わせて食べるタイミングを選ぶと良いでしょう。
朝食
- メリット:
- タンパク質を効率よく摂取できる
- 午前中の活動エネルギーになる
- 筋肉の修復・合成を促進する
- デメリット:
- 寝起きすぐは消化機能が弱いため、胃腸に負担がかかる場合がある
- 調理に時間がかかる場合がある
昼食
- メリット:
- 午後の活動エネルギーになる
- 脳のエネルギー源となるブドウ糖を補給できる
- デメリット:
- 夕食までに時間が空くと、空腹感を感じやすくなる
- 眠気が襲ってくる場合がある
夕食
- メリット:
- 睡眠中の筋肉の修復・合成を促進する
- 疲労回復効果が期待できる
- デメリット:
- 寝る直前に食べると、消化不良を起こす場合がある
- 脂肪が蓄積されやすくなる
まとめ
鶏肉は、どのタイミングで食べても、それぞれのメリットとデメリットがあります。自分の目的に合わせて、最適なタイミングを選ぶと良いでしょう。
- ダイエット中:朝食や昼食に食べることで、エネルギーを補給しながら、脂肪の蓄積を抑えることができます。
- 筋肉量を増やしたい:朝食、昼食、夕食のいずれかに、タンパク質を多く含む鶏むね肉などを食べることで、筋肉の修復・合成を促進することができます。
- 疲労回復:夕食に鶏肉を食べると、疲労回復効果が期待できます。
鶏むね肉やささみは、健康にも美容にも良いってよく聞くよね?