亜鉛の効果や、食材・サプリによるメリット・デメリットも紹介していくよ!
本記事では、亜鉛の性質や健康効果について詳しく紹介します。
亜鉛の性質
亜鉛は、体内で生成することができず、食事から摂取する必要がある必須ミネラルの一種です。体内には約2〜3gの亜鉛が存在し、その多くは骨、筋肉、皮膚、肝臓などに蓄えられています。
亜鉛は、以下の働きを持つ重要な栄養素です。
- タンパク質の合成や修復
- DNAの合成
- 免疫機能の維持
- 味覚の正常化
- 傷の治癒
- ホルモンの合成
- 生殖機能の維持
亜鉛の効果
亜鉛は、体内で約300種類もの酵素の構成成分として働いています。酵素は、体内のさまざまな化学反応を促進する役割を果たしています。そのため、亜鉛は、以下の効果が期待できます。
タンパク質の合成や修復
亜鉛は、タンパク質の合成や修復に不可欠な栄養素です。タンパク質は、筋肉、骨、皮膚、髪など、体のさまざまな組織を構成する成分です。そのため、亜鉛が不足すると、タンパク質の合成や修復がうまくいかなくなり、発育障害や筋肉量の低下、皮膚や髪のトラブルなどの症状が現れることがあります。
細胞分裂や遺伝子発現
亜鉛は、細胞分裂や遺伝子発現にも関与しています。細胞分裂とは、細胞が2つに分裂する現象です。遺伝子発現とは、DNAに記録されている遺伝情報が、タンパク質などの形で現れる現象です。そのため、亜鉛が不足すると、細胞分裂や遺伝子発現がうまくいかなくなり、成長障害や免疫力の低下などの症状が現れることがあります。
免疫機能の維持
亜鉛は、免疫細胞の働きを活性化します。免疫細胞は、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る働きをしています。そのため、亜鉛が不足すると、免疫力が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなることがあります。
味覚や嗅覚
亜鉛は、味覚や嗅覚にも関与しています。味覚は、舌にある味蕾で感じる感覚です。嗅覚は、鼻にある嗅覚器官で感じる感覚です。そのため、亜鉛が不足すると、味覚障害や嗅覚障害などの症状が現れることがあります。
精子形成
亜鉛は、精子形成にも関与しています。精子は、男性の体内でつくられる生殖細胞です。そのため、亜鉛が不足すると、精子数が減少したり、精子の運動率が低下したりすることがあります。
骨の形成
亜鉛は、骨の形成にも関与しています。骨は、カルシウムやリンなどのミネラルによって構成されています。亜鉛は、これらのミネラルの吸収を促進する働きがあります。そのため、亜鉛が不足すると、骨粗しょう症などの骨の病気を発症しやすくなることがあります。
亜鉛は、健康維持に欠かせない栄養素です。バランスのよい食生活を心がけ、亜鉛を適切に摂取しましょう。
亜鉛の1日の摂取目安量
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、亜鉛の1日の摂取目安量は、以下のとおりです。
年齢・性別 | 摂取目安量(mg) |
---|---|
成人男性 | 11 |
成人女性 | 8 |
妊娠中・授乳中の女性 | 11 |
乳児 | 0.5 |
幼児 | 2 |
小児 | 3 |
思春期 | 5 |
高齢者 | 10 |
亜鉛の摂取量が不足すると、以下の症状が現れることがあります。
- 味覚障害
- 嗅覚障害
- 発育遅滞
- 免疫力の低下
- 皮膚炎
なお、亜鉛の過剰摂取には注意が必要です。亜鉛の1日の耐容上限量は、成人男性で40mg、成人女性で35mgです。亜鉛の過剰摂取は、吐き気や嘔吐、下痢、食欲不振、頭痛などの症状を引き起こすことがあります。
亜鉛を含む食品と食べ方のポイント
亜鉛は、体内で生成することができないため、食事から摂取する必要があります。亜鉛を含む食品の100gあたりの亜鉛の含有量は、以下のとおりです。
食品 | 100gあたりの亜鉛の含有量(mg) |
---|---|
牡蠣(生) | 13.2 |
レバー(豚) | 6.9 |
牛肉(赤身) | 4.4 |
小麦胚芽 | 7.8 |
油揚げ | 4.8 |
カシューナッツ | 4.0 |
卵 | 2.4 |
大豆製品 | 2.0 |
牡蠣は、亜鉛を多く含む食品として有名です。100gあたり13.2mgの亜鉛が含まれています。レバーも亜鉛を多く含む食品です。100gあたり6.9mgの亜鉛が含まれています。
肉類、魚介類、ナッツ類、豆類に亜鉛が多く含まれています。これらの食品をバランスよく摂取することで、亜鉛を効率よく摂取することができます。
亜鉛は、一度に多く摂取しても体に吸収されにくいため、1日数回に分けて摂取するのがおすすめです。また、亜鉛の吸収を阻害する成分を含む食品を一緒に摂取すると、亜鉛の吸収が悪くなるため注意が必要です。亜鉛の吸収を阻害する成分としては、以下のものが挙げられます。
- 食物繊維
- 鉄
- 銅
- フィチン酸
亜鉛の吸収を促進する成分としては、以下のものが挙げられます。
- ビタミンC
- クエン酸
亜鉛を効率よく摂取するためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 赤身肉やレバーなどの動物性食品と、魚介類やナッツ類、豆類などの植物性食品をバランスよく摂取する
- 亜鉛の吸収を阻害する成分を含む食品を一緒に摂取しない
- ビタミンCやクエン酸を含む食品と一緒に摂取する
具体的な食べ方としては、以下のようなメニューがおすすめです。
- 朝食:目玉焼き、ヨーグルト(ビタミンC)とフルーツ(クエン酸)を食べる
ヨーグルトやフルーツに含まれるビタミンCやクエン酸は、亜鉛の吸収を促進する成分です。卵は、亜鉛を多く含む食品です。これらを一緒に摂取することで、亜鉛の吸収を効率よく行うことができます。
- 昼食:肉じゃが(ビタミンC)と海藻サラダ(クエン酸)を食べる
肉じゃがのじゃがいもや玉ねぎ、海藻サラダのわかめや昆布に含まれるビタミンCやクエン酸は、肉類に含まれる亜鉛の吸収を促進する成分です。これらを一緒に摂取することで、亜鉛の吸収を効率よく行うことができます。
- 夕食:納豆(ビタミンC)とレバー(亜鉛)を食べる
納豆に含まれるビタミンCは、亜鉛の吸収を促進する成分です。レバーは、亜鉛を多く含む食品です。これらを一緒に摂取することで、亜鉛の吸収を効率よく行うことができます。
また、亜鉛は、タンパク質の合成や修復に不可欠な栄養素です。そのため、亜鉛を効率よく摂取するためには、タンパク質を多く含む食品を合わせて摂取するのもおすすめです。
亜鉛は食材からとるべき?サプリからとるべき?
亜鉛を食材から摂取する場合、サプリメントから摂取する場合のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
- 自然由来の亜鉛を摂取できる
- 亜鉛の吸収率が高い
- 副作用のリスクが低い
- 偏った食生活をしていると、十分に摂取できない可能性がある
- 亜鉛の吸収を阻害する成分を含む食品を一緒に摂取すると、亜鉛の吸収が悪くなる
- 食事から十分に摂取できない場合でも、効率よく摂取できる
- 偏った食生活をしていて、特定の栄養素を補いたい場合に便利
- 人工的な亜鉛を摂取することになる
- 亜鉛の吸収率が低いサプリメントもある
- 副作用のリスクがある
総じて、亜鉛を食材から摂取するのが理想的ですが、偏った食生活をしている人や、食事から十分な亜鉛を摂取できない人、亜鉛の吸収が悪い人、亜鉛不足の症状がある人などは、サプリメントの摂取を検討するのもよいでしょう。
サプリメントを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 亜鉛の含有量
- 吸収率
- 副作用
亜鉛の含有量は、摂取目安量を満たしているか確認しましょう。吸収率が高いサプリメントを選ぶと、より効率よく亜鉛を摂取することができます。また、副作用がないか確認することも大切です。
まとめ
亜鉛は、体内で生成することができないため、食事から摂取する必要があります。亜鉛には、以下の健康効果が期待されています。
- 免疫力向上
- 傷の治癒促進
- 味覚・嗅覚の維持
- ホルモンバランスの維持
- 生殖機能の維持
亜鉛を効率よく摂取するためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 亜鉛を多く含む食品をバランスよく摂取する
- 亜鉛の吸収を促進する成分を含む食品と一緒に摂取する
- 亜鉛の吸収を阻害する成分を含む食品を一緒に摂取しない
亜鉛を多く含む食品としては、牡蠣、レバー、赤身肉、魚介類、ナッツ類、豆類などが挙げられます。亜鉛の吸収を促進する成分としては、ビタミンCやクエン酸などが挙げられます。亜鉛の吸収を阻害する成分としては、食物繊維、鉄、銅、フィチン酸などが挙げられます。
亜鉛は、健康維持に欠かせない栄養素です。バランスのよい食生活を心がけ、亜鉛を適切に摂取しましょう。
亜鉛のサプリメントなども売られているけど、亜鉛を摂取することで、どんな効果が期待できるの?