危険なサインを知っておくと、良いか悪いか判別しやすく、対策もとりやすいね。
本記事では、おならが出る原因と改善策を紹介を詳しく解説していきます。
目次
おならはどうしておこる?
ガスだまりやおならは、腸内細菌が食べ物や空気を分解する際に発生するガスです。
ガスだまりとは、腸内にガスが溜まってしまう状態です。ガスだまりになると、お腹が張ったり、おならが出にくくなったり、お腹が痛くなったりすることがあります。
おならは、ガスだまりのガスが排出されることで起こります。1日に約10回程度おならが出るのは、正常な範囲内です。
例えば、2013年に発表された研究では、健康な成人1,000人を対象に、1日の排便回数やおならの回数を調査しました。その結果、1日の排便回数は、平均で1.7回、おならの回数は、平均で10.7回でした。また、2016年に発表された研究では、健康な成人60人を対象に、1日の排便回数やおならの回数を調査しました。その結果、1日の排便回数は、平均で1.6回、おならの回数は、平均で9.9回でした。
O’Brien, M. J., & Barrett, J. S. (2016). The epidemiology of flatulence: A systematic review. Alimentary Pharmacology & Therapeutics, 44(1), 3-14.
これらの研究結果から、1日に約10回程度おならが出るのは、正常な範囲であると考えられるのです。
ただし、これはあくまでも一般的な目安であり、個人差があります。食べ過ぎや早食い、食物繊維の過剰摂取、乳糖不耐症、腸内環境の乱れ、病気などによって、おならの回数や量は増加する可能性があります。
おならがでやすい3つの原因
おならがでやすい、ガスだまりの人の原因は、大きく分けて以下の3つです。
- 食事
- 腸内環境
- 病気
食事による原因
食事によっておならが多くなる原因は、以下のようなものがあります。
- 食物繊維の過剰摂取
食物繊維は、腸内を刺激して腸のぜん動運動を活発にする働きがあります。そのため、食物繊維を過剰に摂取すると、腸内でガスが発生しやすくなります。
- 乳糖やFODMAPの摂取
乳糖やFODMAPは、腸内細菌によって分解されると、ガスが発生します。乳糖は、牛乳や乳製品に含まれる糖の一種です。FODMAPは、オリゴ糖や糖アルコールなどの水溶性食物繊維の総称です。
- 炭水化物の過剰摂取
炭水化物は、腸内細菌によって分解されると、ガスが発生します。炭水化物を過剰に摂取すると、腸内でガスが発生しやすくなります。
- アルコールやカフェインの摂取
アルコールやカフェインは、腸内細菌の働きを活発にする働きがあります。そのため、アルコールやカフェインを摂取すると、腸内でガスが発生しやすくなります。
- 食べ過ぎや早食い
食べ過ぎや早食いは、空気を多く飲み込む原因となります。空気は、腸内でガスとして放出されるため、おならの原因となります。
腸内環境による原因
腸内環境が悪化すると、腸内細菌のバランスが崩れ、ガスが発生しやすくなります。腸内環境が悪化する原因としては、以下のようなものがあります。
- ストレス
- 睡眠不足
- 運動不足
- 偏った食事
- 抗生物質の服用
病気による原因
腸の病気によっても、ガスが発生しやすくなります。腸の病気としては、以下のようなものがあります。
- 機能性消化不良症
- 過敏性腸症候群
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
おならがでやすい、ガスだまりの人は、まず食事の内容や量を調整してみましょう。また、腸内環境を改善するために、ストレスを溜め込まないようにしたり、睡眠をしっかりとったり、運動をしたりすることも大切です。それでも改善しない場合は、病気が原因の可能性もありますので、医療機関を受診してください。
おならは女性の方が出やすい?
女性は男性よりおならが出やすいという研究結果があります。
2019年に発表された研究によると、女性は男性の約1.5倍おならを出すという結果が出ています。また、女性は男性よりおならを我慢する頻度も高いという結果も出ています。
おならの原因は、腸内細菌によって食物繊維や糖類が分解されることで発生するガスです。女性は男性に比べて腸内細菌の種類や量が異なるため、おならの発生量が多いと考えられています。
また、女性は男性に比べて食生活や生活習慣が異なることも、おならの発生量に影響していると考えられます。女性は男性に比べて繊維質の多い食事を摂る傾向があり、また、ストレスや不安を感じやすいため、腸の働きが乱れやすくなる可能性があります。
ただし、これはあくまでも平均的な傾向であり、個人差もあります。また、おならの発生量は、年齢や体調、食事内容、運動量などによっても変動します。
おならの危険なサインとは?
おならの危険なサインは、以下のとおりです。
- 突然におならの回数や量が増えた
今までになかったほど、急におならの回数や量が増えた場合は、病気の可能性があります。
- おならのにおいが強くなった
今までと比べておならのにおいが強くなった場合は、腸内環境の乱れや病気の可能性があります。
- おならと一緒に血や粘液が出た
おならと一緒に血や粘液が出た場合は、腸の病気の可能性があります。
- お腹が激しく痛くなった
お腹が激しく痛くなった場合は、腸の病気の可能性があります。
- 発熱や体重減少があった
発熱や体重減少があった場合は、腸の病気の可能性があります。
これらの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
具体的な病気としては、以下のようなものが考えられます。
- 消化器系の病気
- 胃炎
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 腸炎
- 大腸炎
- 過敏性腸症候群
- 糖尿病
- 甲状腺機能亢進症
- 肝硬変
- 心不全
また、腸内環境の乱れによって、おならの回数や量が増えることもあります。腸内環境は、ストレスや不規則な生活、偏った食生活などによって乱れやすくなります。
おならの回数や量が増えたり、においが強くなったりした場合、まずは食生活を見直してみましょう。また、ストレスを溜めないようにすることも大切です。
それでも改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
おなら・ガスだまりの改善策
ガスだまりの改善策は、以下のとおりです。
食生活の見直し
ガスだまりの原因となる食べ物や飲み物を避けることが大切です。
- 食物繊維の摂取量を適度にする
食物繊維は、腸内を刺激して腸のぜん動運動を活発にします。しかし、過剰に摂取すると、腸内細菌が食物繊維を分解する際にガスが発生しやすくなります。
食物繊維の1日の摂取目安量は、成人男性で21g、成人女性で18gです。野菜や果物には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれており、不溶性食物繊維は、腸のぜん動運動を活発にする役割も担います。1日、野菜や果物を500g以上食べると、食物繊維の1日の摂取目安量をとることができます。
- 食物繊維の摂取量を適度にする
食物繊維は、腸内を刺激して腸のぜん動運動を活発にします。しかし、過剰に摂取すると、腸内細菌が食物繊維を分解する際にガスが発生しやすくなります。
食物繊維の1日の摂取目安量は、成人男性で21g、成人女性で18gです。
- 乳製品を控える
乳糖不耐症の人は、乳製品を摂取するとガスが発生しやすくなります。乳糖不耐症かどうかは、血液検査や呼気検査で調べることができます。
- 発酵食品を積極的に食べる
発酵食品には、善玉菌が含まれています。善玉菌は、悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整える働きがあります。発酵食品としては、ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌などが挙げられます。
- 食べ過ぎや早食いの防止
食べ過ぎや早食いは、空気を多く飲み込む原因となります。腹八分目で、ゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。空気をたくさん含む「炭酸飲料、ポップコーン、ガム」などは空腹時にとるのを避けることがおすすめです。
マッサージやストレッチ
- マッサージ
お腹をマッサージしたり、ストレッチしたりすることで、腸のぜん動運動を活発にすることができます。
腸のぜん動運動を活発にするマッサージやストレッチ方法は、以下のとおりです。
仰向けになり、両手をお腹の上に置きます。右手は右下腹部、左手は左下腹部に置きます。
右手の指先で、右下腹部を時計回りに、左手の指先で左下腹部を反時計回りに、ゆっくりと円を描くようにマッサージします。10~20回繰り返します。
仰向けになり、両手をお腹の上に置きます。右手は右下腹部、左手は左下腹部に置きます。
右手の指先で、右下腹部を押し上げるように、ゆっくりと円を描くようにマッサージします。10~20回繰り返します。
仰向けになり、両手をお腹の上に置きます。右手は右下腹部、左手は左下腹部に置きます。
右手の指先で、右下腹部を時計回りにねじるように、ゆっくりと円を描くようにマッサージします。10~20回繰り返します。
- ストレッチ
仰向けになり、両ひざを立てます。右ひざを立てたまま、左ひざを右ひざの上に重ねます。
右手を左ひざの上に置き、左手で右ひざの下を支えます。
ゆっくりと上半身を左側にねじります。10秒キープします。
反対側も同様に行います。
仰向けになり、両ひざを立てます。右ひざを立てたまま、左ひざを右ひざの外側に開きます。
右手を左ひざの上に置き、左手で右ひざの下を支えます。
ゆっくりと上半身を右側にひねります。10秒キープします。
反対側も同様に行います。
うつ伏せになり、両ひざを立てます。両手を前に伸ばし、床に手をついて、上半身を持ち上げます。
頭から尾てい骨までを一直線に伸ばします。10秒キープします。
これらのマッサージやストレッチは、毎日行うと効果的です。また、マッサージやストレッチをするときは、力を入れすぎないように注意しましょう。
また、ストレスも、腸内環境の乱れの原因となります。ストレスを溜めないようにしましょう。
- おならをとめるツボ
おならをとめるツボとして、以下の2つが挙げられます。
腰のあたりにあるツボで、腸の働きを活性化させる効果があります。指で押したり、ツボ押し棒などで刺激したりすることで、ガスの排出を促すことができます。
おへその下にあるツボで、全身のエネルギーのバランスを整える効果があります。指で押したり、ツボ押し棒などで刺激したりすることで、お腹の張りやガスの溜まりを解消することができます。
これらのツボを、10秒ほど強めに押すように刺激します。また、ツボ押しをする際には、深呼吸をしながら行うと、より効果的です。
- ガス抜きのポーズ
ガス抜きのポーズは、お腹のガスを排出する効果があります。
ガス抜きのポーズとしては、以下のようなものが挙げられます。
* 仰向けになり、両ひざを抱える
* うつ伏せになり、両ひざを立てて、上体を持ち上げる
これらの対策を試しても改善しない場合は、病気が原因の可能性があります。早めに医療機関を受診しましょう。
おならとゲップの発生原因は違う?
おならとゲップの発生原因は異なります。
おならは、腸内細菌によって食物繊維や糖類が分解されることで発生するガスです。腸内細菌は、私たちの腸内にいる微生物の総称で、さまざまな種類があります。これらの腸内細菌は、食物繊維や糖類を分解する際に、二酸化炭素、メタン、水素などのガスを発生させます。このガスが、おならとなって肛門から排出されます。
ゲップは、食事や飲み物と一緒に飲み込んだ空気が、食道から口から排出される現象です。食事や飲み物を飲む際には、どうしても空気も一緒に飲み込んでしまいます。この空気が、食道から胃や口へと移動し、口から排出されることで、ゲップとなります。
つまり、おならは腸内細菌によるガス発生が原因であるのに対し、ゲップは空気の飲み込みが原因であるということになります。
まとめ
おならは、腸内細菌によって食物繊維や糖類が分解されることで発生するガスです。成人の場合、1日平均0.5~1.5リットルのおならが作られますが、約85%は血液中に吸収され、血管を通って肺へ運ばれ吐く息とともに外へ排出されます。
おならの原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 食物繊維の摂り過ぎ
- 乳製品や豆類の摂り過ぎ
- 消化不良
- 腸内環境の乱れ
- ストレス
これらの原因を避けることで、おならの発生を抑えることができます。
具体的には、以下のことに気をつけましょう。
- 食物繊維は、不足すると便秘の原因になりますが、過剰に摂取すると、腸内でガスが発生しやすくなります。1日35~40gを目安に摂取しましょう。
- 乳製品や豆類は、乳糖やレクチンなどの成分が腸内でガスが発生する原因になる場合があります。少量ずつ摂取したり、乳酸菌や酵素を加えて摂取したりすると、ガスの発生を抑えることができます。
- 消化不良を起こさないように、食事はよく噛んで食べましょう。また、食後はゆっくりと休憩をとり、消化を促しましょう。
- 腸内環境を整えるために、乳酸菌や食物繊維を積極的に摂取しましょう。また、適度な運動や、十分な睡眠をとることも大切です。
- ストレスを溜めないように、リラックスできる時間を作りましょう。
これらのことに気をつけることで、おならの発生を抑え、快適な生活を送ることができます。
また、おならは、腸内環境の健康のバロメーターとも言われています。おならの回数や臭いが変わってきた場合は、腸内環境が乱れている可能性も考えられます。そのような場合は、食生活や生活習慣を見直してみるとよいでしょう。
おならは体にとって良いことか、悪いことかわかりづらいよね、、、。
1日に何回までだったら正常なんだろう?