水分ばかりで栄養が少ないというイメージがあるが、実はビタミンやミネラルのほか、消化を助ける成分なども豊富!
目次
大根の栄養価
大根は低カロリーでありながら、栄養が豊富です。以下に、大根100gあたりの主な栄養成分を示します。
成分 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
エネルギー | 約18 kcal |
たんぱく質 | 約0.6 g |
脂質 | 約0.1 g |
炭水化物 | 約4.1 g |
食物繊維 | 約1.8 g |
ビタミンC | 約14 mg |
カルシウム | 約24 mg |
鉄分 | 約0.4 mg |
ナトリウム | 約9 mg |
大根の主な栄養素と効果
- ビタミンC: 抗酸化作用、免疫力向上効果
- 葉酸: 貧血予防、胎児の神経管閉鎖障害予防
- カリウム: 体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果
- 食物繊維: 腸内環境を整える効果
- ジアスターゼ: 消化を促進する酵素
その他、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンK、葉酸、亜鉛、銅なども含まれています。
目的別におすすめの部位を紹介
大根の部位 | 主な栄養成分 | 栄養価 | おすすめの人 | 使用例 |
---|---|---|---|---|
根(白い部分) | ビタミンC、カリウム、食物繊維 | 高 | 免疫力を高めたい、便秘解消したい人 | サラダ、煮物、漬物 |
葉(葉っぱ部分) | ビタミンA、ビタミンK、カルシウム、鉄分 | 高 | 骨の健康を維持したい、視力を改善したい人 | 味噌汁、炒め物、和え物 |
皮 | 食物繊維、ビタミンC | 中 | 便秘解消したい、抗酸化作用を求める人 | スープのダシ、炒め物 |
茎(根と葉の間の部分) | ビタミンC、食物繊維 | 中 | ビタミンCを効率よく摂りたい人 | 煮物、サラダ |
- 根(白い部分)
- 栄養価: ビタミンCが豊富で、カリウムや食物繊維も含まれています。特に消化を助ける効果があります。
- おすすめの人: 免疫力を高めたい人や、便秘解消を目指している人に最適です。
- 使用例: サラダ、煮物、漬物など、さまざまな料理に使えます。
- 葉(葉っぱ部分)
- 栄養価: ビタミンAやビタミンKが豊富で、カルシウムや鉄分も含まれています。骨や血液の健康をサポートします。
- おすすめの人: 骨の健康を維持したい人や視力を改善したい人に適しています。
- 使用例: 味噌汁や炒め物、和え物などに使用できます。
- 皮
- 栄養価: 食物繊維やビタミンCが含まれており、抗酸化作用があります。
- おすすめの人: 便秘解消を目指している人や抗酸化作用を求める人におすすめです。
- 使用例: スープのダシや炒め物に利用することができます。
- 茎(根と葉の間の部分)
- 栄養価: ビタミンCと食物繊維を含んでいますが、栄養価は根と葉に比べるとやや低めです。
- おすすめの人: ビタミンCを効率よく摂りたい人に適しています。
- 使用例: 煮物やサラダとして楽しむことができます。
大根の健康効果
消化促進
大根には消化酵素「ジアスターゼ」が含まれており、これが食べ物の消化を助けるため、胃腸の健康をサポートします。食後の胃もたれや消化不良を和らげる助けとなります。
デトックス効果
大根にはカリウムが豊富に含まれており、体内の余分なナトリウムを排出するのに役立ちます。これにより、むくみの解消やデトックス効果が期待できます。
免疫力向上
ビタミンCが豊富な大根は、免疫力を高める効果があります。風邪や感染症に対する抵抗力を高めるのに役立ちます。
血圧管理
大根に含まれるカリウムは、血圧を安定させる効果があります。高血圧の予防や改善に寄与する可能性があります。
抗炎症作用
大根には抗炎症作用があり、体内の炎症を軽減するのに役立ちます。関節炎や肌の炎症に対しても有効です。
体重管理
低カロリーでありながら、食物繊維が豊富な大根は、満腹感を長持ちさせるため、ダイエット中の食事にも適しています。
大根の選び方と保存方法
大根の選び方と保存方法について、切ってあるものと1本まるまるの場合のパターン別に詳しく解説します。
大根の選び方
1. 1本まるまるの場合
- 外観
- 色: 表面が白く、黄ばみがないものを選びます。
- 形: 均一な形で、曲がりやでこぼこがないものが望ましいです。まっすぐで細長いものが理想です。
- 皮: 表面にひびや傷がないものを選びます。
- 質感
- 硬さ: 手で軽く押してみて、弾力が感じられるものが良いです。柔らかすぎるものは、内部がスポンジ状になっている可能性があります。
- 重さ: 手に持ったときにずっしりと感じるものが良いです。軽すぎるものは中が乾燥している可能性があります。
2. 切ってある場合
- 色: 切り口が白く、変色していないものを選びます。黄色や褐色がかっている部分は避けます。
- 質感: 切り口が乾燥していない、しっとりとした状態のものを選びます。乾燥したものやしわが寄っているものは避けます。
- 匂い: 切った部分が新鮮で、腐敗臭がしないことを確認します。
大根の保存方法
1. 1本まるまるの場合
- 常温保存
- 短期間: 常温で保存する場合は、涼しく乾燥した場所に置きます。直射日光が当たらないようにし、湿気を避けることが重要です。常温保存では1週間程度が目安です。
- 冷蔵保存
- 長期間: 冷蔵庫で保存する場合は、大根の根の部分を新聞紙やキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて保存します。冷蔵庫の野菜室で保存すると、1〜2週間程度持ちます。
- 冷凍保存
- 長期間: 長期保存をする場合は、大根を皮をむいて、適当なサイズに切り分けた後、冷凍用の保存袋に入れて冷凍します。冷凍保存での目安は2〜3ヶ月です。解凍後は水分が出やすく、調理方法に工夫が必要です。
2. 切ってある場合
- 冷蔵保存
- すぐに使わない場合: 切った部分は、ラップでしっかりと包み、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。切った部分が乾燥しないように注意が必要です。冷蔵庫で保存すると、3〜5日以内に使い切ることが推奨されます。
- 冷凍保存
- 長期間: 切った大根も冷凍保存が可能です。使いやすいサイズに切り、冷凍用の保存袋に入れて保存します。冷凍保存の目安は2〜3ヶ月です。解凍後は水分が出やすくなるため、煮物やスープに使用するのが適しています。
大根は1日にどのくらい食べると良い?
大根に特に推奨される1日の摂取量は明確には定められていませんが、一般的には1食に1/2〜1本程度(約100〜200g)を目安に摂取するのが良いでしょう。
ただし、これはあくまで目安であり、年齢や性別、体格、活動レベル、健康状態などによって、適切な摂取量は異なります。
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- 農林水産省「食事バランスガイド」
- 各都道府県の健康センターや栄養士会などの情報
大根を過剰に摂取すると、以下のような注意点があります。
利尿作用: 大根には利尿作用があるため、過剰に摂取すると頻尿や脱水症状を引き起こす可能性があります。特に水分補給を十分に行うことが大切です。
消化不良: 大根には食物繊維が豊富に含まれており、過剰に摂取すると消化不良や腹部膨満感を引き起こすことがあります。特に生の大根は消化が難しいため、加熱調理して食べることが推奨されます。
甲状腺機能への影響: 大根には微量のゴイトロゲン(甲状腺機能を抑制する物質)が含まれています。甲状腺に影響を及ぼす可能性があるため、特に甲状腺疾患がある方や大量に摂取する場合は注意が必要です。通常の摂取量であれば問題ありませんが、大量摂取は避けることが良いでしょう。
大根はいつ食べると良い?
大根は、朝・昼・晩どの時間帯に食べても良いですが、それぞれメリットとデメリットがあります。
朝
- 朝食に大根を食べることで、消化酵素の働きにより胃腸の調子を整えることができます。
- 食物繊維が豊富なので、便秘解消にも効果的です。
- ただし、空腹時に食べると胃腸に負担がかかる場合もあるので、他の食材と一緒に食べるのがおすすめです。
昼
- 昼食に大根を食べることで、ビタミンCやカリウムなどの栄養素を補給することができます。
- 食物繊維による満腹感で、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
- ただし、消化に時間がかかるので、午後の仕事や勉強に影響が出ないように量を調整しましょう。
晩
- 夕食に大根を食べることで、体温を上げ、体を温める効果があります。
- 消化酵素の働きにより、消化を促進し、睡眠の質を高める効果も期待できます。
- ただし、夜遅い時間に食べると、胃腸に負担がかかる場合もあるので、早めに食べるのがおすすめです。
大根は、時間帯を問わずに食べることができます。体調や目的に合わせて、適切な時間帯に食べるのがおすすめ!
大根の栄養を損なわないおすすめの食べ方
大根の栄養を損なわないためには、調理方法や食べ方に工夫が必要です。以下に、大根の栄養を最大限に生かすためのおすすめの食べ方と、栄養吸収をサポートする相性の良い食品を紹介します。
大根の栄養を損なわないおすすめの食べ方
- 加熱調理を活用する
- 煮物: 大根を煮ることで、消化しやすくなるだけでなく、旨味が引き出されます。煮物にするときは、皮を剥かずに加熱することで、栄養素が残りやすくなります。
- スープや味噌汁: 大根をスープや味噌汁に加えることで、温かい状態で摂取しやすくなり、栄養素も失われにくくなります。
- 蒸し料理: 蒸し器で大根を蒸すことで、ビタミンCやその他の栄養素を効率的に摂取できます。蒸し料理にすることで、栄養素の損失を抑えることができます。
- 生で食べる場合の工夫
- サラダ: 大根を生でサラダに加える場合は、皮を薄くむくか、皮を残しておくことで、食物繊維やミネラルを摂取できます。大根サラダには、レモン汁やビネガーを使ったドレッシングを合わせると、ビタミンCの吸収が促進されます。
- マリネや漬物
- 大根のマリネ: 大根を薄く切ってマリネすることで、酢の酸味とともに栄養素を摂取できます。マリネにすることで、食物繊維が効率的に摂取できるほか、風味も豊かになります。
- 大根の漬物: 漬物として大根を食べる場合は、塩分に注意しながら摂取すると良いでしょう。漬物にすることで、大根の食物繊維をしっかり摂取できます。
栄養を吸収しやすい相性の良い食品とレシピ
- 大根と人参のサラダ
- 大根と鶏肉の煮物
- 大根のスムージー
大根の栄養を活かすポイント
- 加熱調理: ビタミンCは熱に弱いですが、スープや煮物にすることで、食物繊維とミネラルをしっかり摂取できます。
- 皮ごと食べる: 大根の皮には食物繊維が豊富に含まれているため、皮ごと食べるとより多くの栄養素を摂取できます(皮が硬い場合は、薄くむくか加熱する際に除去しても良い)。
- 食べ合わせ: ビタミンCと鉄分やカルシウムを含む食品と一緒に摂ることで、栄養素の吸収が促進されます。
大根と相性の悪い食品
大根と相性が悪い食材や組み合わせについては、具体的な「悪い組み合わせ」というよりも、栄養素の相互作用や食材の性質による影響が考えられます。以下に、大根と相性が悪いとされる食材や調理法の例を示します。
大根と相性の悪い食材・組み合わせ
- 根菜類の過剰な組み合わせ
- 例: 大根とじゃがいも、にんじんなどを大量に一緒に煮る。
- 理由: 根菜類は消化に時間がかかり、消化不良を引き起こすことがあります。過剰に摂取すると、胃腸に負担をかける可能性があります。
- 高タンパク食品と一緒に摂る
- 例: 大根と高タンパク食品(鶏肉、牛肉など)を同時に大量に摂取する。
- 理由: 高タンパク食品は消化に時間がかかるため、大根の消化酵素と反応して胃腸に負担をかけることがあります。
- 胃腸の弱い人には注意が必要
- 例: 大根を生で大量に食べること。
- 理由: 大根は生のままだと消化酵素を含んでいますが、一部の人には刺激が強く、胃腸に負担をかける場合があります。特に胃腸が弱い人には注意が必要です。
- 消化を阻害する食材との組み合わせ
- 例: 大根と生のトマト、大根と酢。
- 理由: 大根の酵素がトマトや酢と反応して、消化を妨げる場合があります。消化不良を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
- 塩分の過剰摂取
- 例: 大根を塩漬けにしたり、塩分の多い調味料と合わせる。
- 理由: 大根は水分が多いため、塩分の過剰摂取によって体内の水分バランスが崩れる可能性があります。
取り入れる際のポイント
- バランスを考える: 大根と他の食材を組み合わせる際は、消化や栄養バランスを考慮することが大切です。
- 量に注意: 一度に大量に食べるのではなく、適量を心がけると良いでしょう。
- 調理法の工夫: 生で食べる場合は適量にし、加熱調理をすることで消化しやすくなります。
冬野菜の代表格「大根」。料理において非常に多用途で、栄養価も高い根菜です。