りんごは、古くから親しまれているフルーツであり、その栄養価と健康効果から「健康の果物」として知られている。食物繊維やビタミン、ミネラル、抗酸化物質など、さまざまな栄養素が豊富に含まれておるぞ。
本記事では、りんごの栄養価と健康効果について詳しく紹介します。
目次
りんごの100gあたりの栄養成分
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 53kcal |
たんぱく質 | 0.26g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 13.8g |
食用繊維 | 2.4g |
糖質 | 11.4g |
ナトリウム | 1mg |
カリウム | 107mg |
カルシウム | 6mg |
鉄 | 0.3mg |
亜鉛 | 0.15mg |
ビタミンC | 4mg |
ビタミンB1 | 0.02mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.04mg |
葉酸 | 3μg |
食物繊維 | 2.4g |
参考資料
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
- 農林水産省「食事バランスガイド」
りんごは、食物繊維やビタミンC、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。
食物繊維
りんごには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれています。不溶性食物繊維は、便の量を増やして腸内環境を整える働きがあります。水溶性食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑える働きや、コレステロール値を下げる働きがあります。
ビタミンC
りんごには、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、肌や歯、骨などの健康維持に役立ちます。また、免疫力を高める働きもあります。
カリウム
りんごには、カリウムが豊富に含まれています。カリウムは、ナトリウムの排出を促進する働きがあります。そのため、高血圧の予防や改善に役立ちます。
その他にも、りんごにはポリフェノールなどの抗酸化物質が含まれています。抗酸化物質は、細胞の老化を防ぐ働きがあるといわれています。
りんごの健康効果
りんごの健康効果は、以下の通りです。
1. 便秘の解消
りんごには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれています。不溶性食物繊維は、便の量を増やして腸内環境を整える働きがあります。水溶性食物繊維は、便を軟らかくして便の滑りをよくする働きがあります。そのため、りんごを食べることによって、便秘の解消につながります。
2. 血糖値の急激な上昇を抑える
りんごに含まれる水溶性食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。水溶性食物繊維は、消化・吸収に時間がかかるため、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
3. コレステロール値を下げる
りんごに含まれる水溶性食物繊維は、コレステロール値を下げる働きがあります。水溶性食物繊維は、コレステロールと結合して排出を促進する効果があります。
4. 高血圧の予防や改善
りんごに含まれるカリウムは、ナトリウムの排出を促進する働きがあります。そのため、高血圧の予防や改善に役立ちます。
5. 免疫力の向上
りんごに含まれるビタミンCは、免疫力を高める働きがあります。ビタミンCは、白血球の働きを助け、病原菌から体を守る働きがあります。
6. 美肌効果
りんごに含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成を助ける働きがあります。コラーゲンは、肌のハリや弾力に欠かせない成分です。そのため、りんごを食べることによって、美肌効果が期待できます。
7. アンチエイジング効果
りんごに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用があります。抗酸化作用は、細胞の老化を防ぐ働きがあります。そのため、りんごを食べることによって、アンチエイジング効果が期待できます。
8. ダイエット効果
りんごは、100gあたり52kcalと、比較的カロリーが低い果物です。また、食物繊維が豊富に含まれているため、満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐことができます。そのため、りんごはダイエットに効果的な果物といえます。
りんごを食べるデメリットはある?
りんごを食べるデメリットは、以下のとおりです。
- アレルギーがある場合
- 糖質の摂り過ぎ
- 農薬やワックスの摂取
りんごはアレルギーの可能性があるため、初めて食べる場合は少量から試すようにしましょう。
また、100gあたり52kcalと、比較的カロリーが低い果物ですが、糖質は含まれています。そのため、食べ過ぎると糖質の摂り過ぎにつながる可能性があります。
その他にも、りんごには農薬やワックスが使われている場合もあるため、気になる場合は皮を剥いて食べるようにしましょう。
りんごは1日どのくらい食べればよい?
りんごの1日の適量は、100g程度です。これは、中サイズのりんご1個程度に相当します。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の成人男性は1日100g程度、成人女性は1日80g程度の果物を摂取することが推奨されています。りんごは、可食部100gあたり約52kcalと、比較的カロリーが低い果物です。そのため、1日1個程度食べれば、カロリーの過剰摂取を気にすることなく、りんごの健康効果を十分に得ることができます。
りんごには、食物繊維やビタミンC、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。これらの栄養素は、毎日の食事に取り入れることで、さまざまな健康効果が期待できます。
1日1個のりんごを食べることで、1日の食物繊維摂取量を10〜20%程度増やすことができます。食物繊維は、便秘の解消や血糖値の急激な上昇を抑えるなどの働きがあります。
また、1日1個のりんごを食べることで、ビタミンCの摂取量を10〜20%程度増やすことができます。ビタミンCは、免疫力の向上や美肌効果などの働きがあります。
ただし、りんごには糖質も含まれているため、食べ過ぎには注意が必要です。りんごを1日1個以上食べる場合は、他の果物や野菜をバランスよく取り入れるようにしましょう。
りんごの栄養を損なわずに食べるポイント
りんごの栄養を損なわずに食べるためには、以下のポイントに注意して食べることが重要です。
- 皮をむかずに食べる:りんごの皮には食物繊維や栄養素が豊富に含まれています。できるだけ皮をむかずに、皮ごと食べることをおすすめします。ただし、農薬や汚れが気になる場合は、しっかりと洗ってから食べるようにしてください。
- 新鮮なものを選ぶ:りんごは新鮮なものが美味しく栄養価が高いです。表面にしわや傷がなく、色鮮やかなものを選びましょう。おしりの部分(果実の下の部分)が深くくぼんでいて、変形していない、下の部分まで濃い赤色のものが良いでしょう。
- プレーンで食べる:りんご自体に甘味があります。追加の砂糖やシロップをかけず、できるだけプレーンな状態で食べることで、余分な糖分やカロリーを摂取するのを避けることができます。
- 適量を守る:りんごは栄養価が高いため、過剰な摂取はカロリーオーバーや消化不良の原因になることがあります。果物は毎日200gが目安の摂取量とされています。1日りんご1個、または他の果物も摂取する場合は、それ以下の量が望ましいでしょう。適量を守り接います。を守り、バランスの良い食事を心掛けましょう。
- 保存方法に注意する:りんごは低温多湿を好み、成熟すると腐りやすくなりますので、冷蔵庫で保存するか、食べる予定のないものは適切な方法で保存して鮮度を保つようにしましょう。保存する上での理想温度は0〜5℃。野菜室ではなく、冷蔵庫の冷蔵室が向いています。
りんごは栄養価が高く、食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれている健康的なフルーツです。できるだけシンプルな状態で、皮ごと丸ごと食べることで、りんごの栄養を最大限に活かすことができます。
りんごの栄養価を高めることができる食材
りんごの栄養価を高めることができる食材は、以下のとおりです。
- ヨーグルト
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、りんごに含まれるペクチンと相乗効果で、腸内環境を整える働きが期待できます。
- はちみつ
はちみつに含まれるビタミンやミネラルは、りんごの栄養素をより吸収しやすくする働きがあります。
りんごを1/2個、ヨーグルト100g、はちみつ小さじ1を混ぜ合わせるだけです。
- ナッツや種子
ナッツや種子に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維は、りんごの栄養価を補い、健康効果を高めるのに役立ちます。
りんご1/2個、バナナ1/2本、ナッツや種子(アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツなど)10g、豆乳100mlをミキサーにかけて作ります。
これらのレシピを参考に、ぜひりんごの栄養価を高めて、健康づくりに役立ててください。
りんごと一緒に食べてはいけないものはある?
りんごと一緒に食べてはいけないものは、以下のとおりです。
- ビタミンCを破壊する食材
りんごには、ビタミンCが豊富に含まれています。しかし、ビタミンCは酸に弱いため、酸性度の高い食材と一緒に食べると、ビタミンCが破壊されてしまいます。
具体的には、レモンやライムなどの柑橘類、酢や梅干しなどの酸味のある食品、ワインやビールなどのアルコール飲料は、ビタミンCを破壊する可能性があります。
- タンニンを多く含む食材
りんごには、タンニンを多く含む食材と一緒に食べると、タンニンと酸が結合して、渋みやえぐみを生じることがあります。
具体的には、コーヒーや紅茶、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜は、タンニンを多く含む食材です。
- 鉄分の吸収を妨げる食材
りんごには、鉄分の吸収を妨げる食材と一緒に食べると、鉄分の吸収が低下することがあります。
具体的には、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲料、牛乳や乳製品は、鉄分の吸収を妨げる食材です。
ただし、これらの食材を一緒に食べても、健康に害を及ぼすほどの影響はほとんどありません。気になる場合は、食べる時間をずらすなど、工夫するとよいでしょう。
りんごはいつ食べると良い?
りんごは、いつ食べても良いですが、特におすすめのタイミングは、以下のとおりです。
- 朝食に
りんごに含まれる食物繊維は、便秘の解消に効果的です。そのため、朝食にりんごを食べることで、腸内環境を整え、便秘の予防や改善に役立ちます。また、りんごに含まれるビタミンCは、疲労回復に効果的です。そのため、朝食にりんごを食べることで、一日のスタートを元気に迎えることができます。
- 食事の前に
りんごに含まれる食物繊維は、満腹感を得やすくする働きがあります。そのため、食事の前にりんごを食べることで、食べ過ぎを防ぐことができます。また、りんごに含まれるクエン酸やリンゴ酸は、唾液の分泌を促進する働きがあります。そのため、食事の前にりんごを食べることで、唾液の分泌を促進し、消化を助けることができます。
- 間食に
りんごは、低カロリーで食物繊維が豊富なため、間食にぴったりの果物です。また、りんごに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用があります。そのため、間食にりんごを食べることで、体内の酸化を防ぎ、健康を維持することに役立ちます。
りんごはすりおろすと栄養価は変わる?
りんごをすりおろすと、栄養価にいくつかの変化があります。
- 食物繊維の量が増える
りんごの食物繊維は、主に果肉と皮に含まれています。りんごをすりおろすと、果肉と皮が混ざり合うため、食物繊維の量が増えます。
- ビタミンCの量が減る
りんごのビタミンCは、酸に弱いため、すりおろすとビタミンCが破壊される可能性があります。ただし、すりおろした直後に食べれば、ビタミンCの損失を抑えることができます。
- ポリフェノールの吸収率が高まる
りんごのポリフェノールは、水溶性と脂溶性の2種類があります。水溶性ポリフェノールは、水に溶けやすいため、すりおろしても吸収率は変わりません。一方、脂溶性ポリフェノールは、脂に溶けやすいため、すりおろすことで、脂と混ざり合い、吸収率が高まると考えられています。
このように、りんごをすりおろすと、食物繊維の量が増え、ビタミンCの量が減る可能性があります。ただし、すりおろした直後に食べれば、ビタミンCの損失を抑えることができます。また、脂溶性ポリフェノールの吸収率が高まると考えられています。
りんごをすりおろすかどうかは、自分の好みや用途に合わせて判断するとよいでしょう。
青りんごと、りんごの違いは?栄養の違いは?
青りんごと一般的なりんご(赤りんごや黄りんごなど)との違いは、主に品種や色合い、味、栄養成分にあります。以下にそれぞれの違いを詳しく説明します。
赤りんご | 青りんご | |
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品種と色合い | 果肉がクリーム色または白色で、 果皮の色は赤、黄があります。 | 赤りんごとは別の品種で、果肉が淡緑色であり、果皮も淡い青緑色をしています。 |
味と食感 | 甘みと酸味のバランスが取れており、爽やかな味わいが特徴です。果肉はしっとりとしていて、食感も柔らかいものが多いです。 | 酸味が強く、甘みは控えめです。 爽やかな酸味が特徴で、赤りんごよりもシャキシャキとした食感があります。 |
栄養成分 | ビタミンC、食物繊維、ポリフェノール、カリウムなどが豊富に含まれています。 特にビタミンCと食物繊維が多く含まれており、免疫力の向上や腸の健康をサポートします。 | 赤りんごと同様に、ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。ただし、酸味が強いため、ビタミンCの含有量が若干高い場合もあります。 |
栄養成分については、品種や成熟度、生産地などによっても多少の差があるため、一概にすべての青りんごや一般的なりんごが同じ栄養成分を持つわけではありません。
一般的には、どちらのりんごも栄養価が高く、健康に良い果物として知られています。
青りんごの特徴的な酸味は、食欲増進や爽やかな味わいを楽しむことにも役立つでしょう。好みや料理の用途に応じて、適したりんごを選んで楽しんでください。
りんごは美味しいけど、健康にいいの?