大豆と他の豆類も比較して、自分にあった豆類を選ぶのもおすすめじゃ☆
この記事では、大豆の栄養、健康効果、選び方、調理方法、豆知識までを網羅的に解説します。
目次
豆類の中で大豆が最も栄養価が高い?
大豆は確かに栄養価の高い豆類ですが、単一の豆類だけを「栄養価が最高」と断言するのは難しい!
それぞれの豆類には、異なる栄養素が豊富に含まれています。
大豆は、良質なタンパク質、食物繊維、鉄分、カルシウムなどが豊富で、特にタンパク質含有量が非常に高いため、「畑の肉」と呼ばれるほどです。
大豆は栄養価の高い豆類の中でも特に優秀な食材の一つです。
大豆の主な栄養素
- タンパク質: 大豆は、植物性食品としては非常にタンパク質含量が高く、肉類とほぼ同量です。良質なアミノ酸をバランスよく含んでいるため、筋肉や骨の形成、維持に役立ちます。
- 食物繊維: 大豆には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が豊富に含まれています。水溶性食物繊維は、腸内環境を整え、コレステロール値を下げる効果があるとされています。不溶性食物繊維は、便秘解消や満腹感を得るのに役立ちます。
- ビタミン・ミネラル: 大豆には、ビタミンB群、ビタミンE、カルシウム、鉄分、亜鉛など、様々なビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
大豆と他の豆類の比較
しかし、他の豆類にもそれぞれ優れた点があります。
栄養素 | 大豆 | 小豆 | いんげん豆 | レンズ豆 | ひよこ豆 | 金時豆 |
---|---|---|---|---|---|---|
タンパク質 | 34.8g | 21.6g | 21.6g | 25.3g | 19.3g | 24.3g |
食物繊維 | 15.6g | 14.5g | 16.8g | 24.6g | 16.4g | 18.0g |
鉄分 | 6.8mg | 2.4mg | 2.4mg | 7.0mg | 4.3mg | 4.5mg |
カルシウム | 60mg | 10mg | 37mg | 36mg | 37mg | 30mg |
ビタミンB1 | 0.23mg | 0.12mg | 0.14mg | 0.43mg | 0.20mg | 0.21mg |
- 黒豆:アントシアニンという抗酸化物質が豊富で、眼の健康、心臓の健康、抗がん作用などの効果が期待できます。
- レンズ豆:食物繊維が豊富で、鉄分、亜鉛なども豊富に含まれています。
- ひよこ豆:食物繊維とタンパク質が豊富で、鉄分、葉酸、ビタミンB6なども豊富に含まれています。
- 金時豆:食物繊維とカリウムが豊富で、タンパク質、ビタミンB1、葉酸なども豊富に含まれています。
上記の通り、大豆はタンパク質、食物繊維、鉄分、カルシウム、ビタミンB1など、多くの栄養素において他の豆類を上回っています。
タイプ別おすすめの豆類
タイプ | 気になること | おすすめの豆類 | 栄養素 | 効果 |
---|---|---|---|---|
コレステロールが気になる人 | コレステロール値を下げる | 大豆、レンズ豆、そら豆 | レシチン、水溶性食物繊維、カリウム | コレステロールを体外に排出する、血圧を下げる |
筋肉量を増やしたい人 | 筋肉の形成・維持 | 大豆、ひよこ豆、金時豆 | タンパク質、炭水化物 | 筋肉の材料となる、エネルギー源となる |
美容効果を期待している人 | 美肌、アンチエイジング | 小豆、黒豆、納豆 | アントシアニン、ビタミンE、イソフラボン | 抗酸化作用、肌のハリ・弾力 |
便秘解消 | 便秘解消 | 金時豆、いんげん豆、黒豆 | 食物繊維 | 腸内環境を整える |
ダイエット | カロリーを抑えたい | 枝豆、そら豆、レンズ豆 | カロリーが低い | |
貧血予防 | 鉄分補給 | ひよこ豆、レンズ豆、小豆 | 鉄分 | ヘモグロビンの構成要素 |
骨粗鬆症予防 | カルシウム補給 | ひよこ豆、大豆、小豆 | カルシウム | 骨や歯の形成 |
豆類は、様々な種類があり、それぞれ異なる栄養素や特徴を持っています。自分の健康状態や目的に合わせて、おすすめの豆類を選んで、毎日の食生活に取り入れましょう。
大豆の選び方と調理方法
1. 大豆の種類
大豆には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。
- 青大豆:緑色の皮のまま食べる「枝豆」や、豆腐、納豆、味噌などの原料となる「大豆」として利用されます。
- 黄大豆:豆腐、油揚げ、厚揚げ、きな粉などの原料として利用されます。青大豆よりも甘みと風味が強いのが特徴です。
- 黒大豆:煮豆や甘納豆として利用されます。アントシアニンという抗酸化物質が豊富に含まれています。
- 小豆:赤飯、おしるこ、あんこなどの原料として利用されます。食物繊維が豊富に含まれています。
- 金時豆:煮豆やサラダとして利用されます。食物繊維とカリウムが豊富に含まれています。
- 粒が揃っている: 粒が揃っているものは、品質が良く、ふっくらと茹で上がります。
- 皮が破れていない: 皮が破れているものは、水分が抜けやすく、味が落ちやすいので避けます。
- 色ツヤが良い: 色ツヤが良いものは、新鮮な証拠です。
- 産地: 自分の好みに合わせて、産地を選ぶのもおすすめです。
2. 大豆の戻し方
乾燥大豆を調理する際は、水に浸して戻す必要があります。
戻し方
- 大豆を流水で洗い、汚れやゴミを取り除きます。
- 大豆をボウルに入れ、たっぷりの水を加えます。
- 室温で12時間程度浸します。
- 季節や気温によって、水に浸す時間は調整します。冬場は長めに、夏場は短めに浸しましょう。
ポイント
- 大豆を水に浸す際に、重曹を小さじ1杯程度加えると、柔らかく戻りやすくなります。
- 戻した大豆は、冷蔵庫で保存できます。
3. 大豆の茹で方
茹で方
- 鍋に水と塩少々を入れ、沸騰させます。
- 沸騰したお湯に、水に浸しておいた大豆を加えます。
- 大豆が柔らかくなるまで茹でます。茹で時間は、大豆の種類や粒の大きさによって異なりますが、30分~1時間程度です。
- 大豆が茹で上がったら、ザルにあげ、水気を切ります。
ポイント
- 大豆を茹でる際は、アクが出るので、こまめにアクを取り除きます。
- 大豆を茹でる際に、だし汁を加えると、風味が良くなります。
4. 大豆の調理方法
大豆は、様々な料理に利用することができます。
- 煮豆:大豆をだし汁で煮込んだ料理です。
- サラダ:茹でた大豆をサラダに入れたり、大豆の水煮をサラダのトッピングにしたりすることができます。
- スープ:茹でた大豆をスープに入れたり、大豆の水煮をスープのベースにしたりすることができます。
- 炒め物:茹でた大豆を炒め物に入れたり、大豆の水煮を炒め物の具材にしたりすることができます。
- ハンバーグ:茹でた大豆をハンバーグのタネに混ぜたり、大豆の水煮をハンバーグの具材にしたりすることができます。
- 餃子:茹でた大豆を餃子のタネに混ぜたり、大豆の水煮を餃子の具材にしたりすることができます。
大豆は1日にどのくらい食べると良い?
1日の摂取量
大豆の1日の摂取量の目安は、以下の通りです。
食品安全委員会の目安
食品安全委員会の目安は、大豆イソフラボンアグリコンという成分に注目したものです。大豆イソフラボンアグリコンは、大豆に含まれるイソフラボンの中でも、体内で吸収されやすい形に変換されたものです。
この目安は、毎日欠かさずに長期間摂取した場合の値であり、この上限値を超えることによって直ちに健康被害につながるというわけではありません。
農林水産省の目安
農林水産省の目安は、大豆製品全体の摂取量を目安としたものです。大豆製品には、豆腐、納豆、味噌、醤油など様々な種類があり、それぞれに大豆イソフラボンアグリコンが含まれています。
これらの製品をバランスよく摂取することで、自然と大豆イソフラボンアグリコンの摂取量を調整することができます。
過剰摂取の注意点
大豆を過剰摂取した場合、以下の様な健康被害が懸念されています。
- 乳がんや子宮体がんのリスク上昇: 大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持つため、乳がんや子宮体がんのリスク上昇が懸念されています。ただし、この研究結果はまだ確定的なものではなく、更なる研究が必要です。
- 痛風のリスク上昇: 大豆には、プリン体という成分が含まれています。プリン体は、高尿酸血症や痛風のリスクを高める可能性があるため、痛風患者や尿酸値が高い人は注意が必要です。
- アレルギー: 大豆は、アレルギーを起こしやすい食品の一つです。大豆アレルギーがある人は、大豆製品を摂取すると、じんましん、かゆみ、呼吸困難などの症状が現れることがあります。
大豆はグルテンフリー?
大豆はグルテンフリーです☆
グルテンは、小麦、大麦、ライ麦などのイネ科穀物に含まれるタンパク質の一種です。
一方、大豆はマメ科植物であり、イネ科穀物とは異なる植物種に属します。そのため、大豆にはグルテンは含まれていません。
大豆製品の多くも、グルテンフリーです。
- 豆腐: 大豆を水に浸してすりつぶし、加熱して凝固させた食品です。グルテンは含まれていません。
- 納豆: 大豆を納豆菌で発酵させた食品です。グルテンは含まれていません。
- 味噌: 大豆、米、麹、塩などを発酵させて作る調味料です。グルテンは含まれていません。
- 醤油: 大豆、小麦、麹、塩などを発酵させて作る調味料です。一部の醤油には、小麦由来のグルテンが含まれているものがありますが、多くの醤油はグルテンフリーです。
ただし、大豆製品の中には、小麦粉などを加工して使用しているものもあり、グルテンが含まれている場合があります。
グルテンフリーの食事をしている場合は、製品の原材料表示をよく確認して、グルテンが含まれていないことを確認するようにしましょう。
近年、グルテンフリーの需要が高まっていることから、大豆製品にもグルテンフリー表示がされるようになっています。
- グルテンフリー: この表示は、製品にグルテンが含まれていないことを意味します。
- ノングルテン: この表示も、製品にグルテンが含まれていないことを意味します。
- 小麦不使用: この表示は、製品に小麦が使用されていないことを意味します。ただし、小麦以外にもグルテンを含む穀物が使用されている可能性があるため、注意が必要です。
上記のような表示がある製品は、グルテンフリーである可能性が高いですが、念のため原材料表示を確認することをおすすめします。
大豆の知られざる豆知識
大豆は、古くから日本人に親しまれている食材ですが、まだまだ知られていない豆知識がたくさんあります。ここでは、そんな大豆の豆知識をいくつかご紹介します。
1. 大豆は実は肉類よりもタンパク質が豊富
大豆は、植物性食品としては非常にタンパク質含量が高く、肉類とほぼ同量です。良質なアミノ酸をバランスよく含んでいるため、筋肉や骨の形成、維持に役立ちます。
実際、100gあたりに含まれるタンパク質量は、牛肉が21g、鶏肉が23gなのに対し、大豆は36gと、肉類よりも高くなっています。
2. 大豆は世界最古の加工食品の一つ
大豆は、紀元前5000年頃には中国で栽培されていたという記録があります。その後、シルクロードを経て日本に伝来し、縄文時代にはすでに栽培されていたことがわかっています。
豆腐や納豆などの大豆加工食品も、古くから日本で作られており、味噌はなんと奈良時代から存在していると言われています。
3. 大豆は環境に優しい食材
大豆は、他の作物と比べて水や肥料を少なく使うことができるため、環境負荷の低い食材として知られています。また、大豆はマメ科植物であり、根に共生するバクテリアが空気中の窒素を固定する能力を持っています。
そのため、化学肥料をあまり必要とせず、土壌の質を改善する効果も期待できます。
近年、大豆の健康効果や美容効果が注目されていて、世界中で人気が高まっているんだって!