誤解を生んだ背景や、きゅうりの栄養を効果的に摂取する方法も紹介するぞ!
本記事では、きゅうりの栄養や健康効果について詳しく解説します。
目次
きゅうりは栄養がないは本当?
きゅうりは水分が多い野菜だけど、ビタミンCやカリウム、食物繊維などの栄養素が含まていて、健康に良い効果が期待できるよ!
きゅうりがデザイナーズフードに分類されているのに、栄養がないと言われる理由はいくつかあります。
1. 水分が多い
きゅうりは95%以上が水分で、他の野菜に比べてタンパク質や脂質、炭水化物の含有量が低いため、カロリーも低くなります。そのため、「栄養がない」という印象を与えてしまう可能性があります。
2. 目立つ栄養素が少ない
きゅうりには、ビタミンCやカリウム、食物繊維などの栄養素が含まれていますが、他の野菜に比べて突出して多いわけではありません。そのため、栄養価が高いというイメージが薄く、栄養がないと誤解される可能性があります。
3. デザイナーズフードの定義
デザイナーズフードとは、1990年代にアメリカ国立ガン研究所によって提唱された概念で、ガン予防に効果があるとされるファイトケミカル(植物性化学物質)を多く含む食品を指します。デザイナーズフードには、トマト、ブロッコリー、ニンニク、玉ねぎ、キノコ類など、様々な野菜や果物が含まれています。
きゅうりには、抗酸化作用や抗炎症作用のあるファイトケミカルが含まれているため、デザイナーズフードに分類されています。
しかし、デザイナーズフードはあくまでもガン予防に効果がある可能性のある食品であり、栄養価が高いことを意味するわけではありません。そのため、きゅうりがデザイナーズフードに分類されているからといって、栄養価が高いとは言い切れないのです。
4. 誤解
きゅうりが水分が多いことや、目立つ栄養素が少ないことから、「栄養がない」という誤解が生じている可能性があります。
きゅうりを他の野菜と比較した場合、栄養価が低いと感じる人もいるかもしれません。しかし、きゅうりには他の野菜にはない独特の栄養素や効果があり、単に栄養価だけで比較することは適切ではありません。
実際には、きゅうりにはビタミンCやカリウム、食物繊維などの栄養素が含まれており、健康に良い効果が期待できます。
きゅうり100gあたりの栄養成分
栄養素 | 含有量 | 単位 | 効果 |
---|---|---|---|
エネルギー | 13 | kcal | – |
たんぱく質 | 0.9 | g | – |
脂質 | 0.1 | g | – |
炭水化物 | 3.0 | g | – |
食物繊維 | 0.7 | g | 腸内環境を整える、便秘解消 |
カリウム | 140 | mg | 血圧を下げる、むくみ解消 |
ビタミンC | 14 | mg | 美肌効果、免疫力向上 |
ビタミンK | 24 | μg | 骨粗鬆症予防、血液凝固促進 |
葉酸 | 10 | μg | 細胞の成長、DNA合成、妊娠中の女性に重要 |
モリブデン | 18 | μg | 尿酸排泄促進、痛風予防 |
モリブデンは、人体にとって必須のミネラルです。微量元素に分類され、体内に少量しか含まれていませんが、様々な重要な役割を果たしています。
モリブデンの主な役割
- 硫黄代謝に関与: 硫黄は、体内でタンパク質の合成やエネルギー代謝など、様々な重要な役割を果たしています。モリブデンは、硫黄を代謝するための酵素の構成成分であり、硫黄代謝の円滑な進行を助けます。
- 尿酸排泄を促進: 尿酸は、プリン体と呼ばれる物質が分解されて生成される老廃物です。高尿酸血症になると、痛風などの発作が起こることがあります。モリブデンは、尿酸を排泄するための酵素の構成成分であり、尿酸血症の予防や改善に役立ちます。
- 鉄の吸収を促進: 鉄は、赤血球中のヘモグロビンを構成する重要なミネラルです。ヘモグロビンは、酸素を運搬する役割を果たします。モリブデンは、鉄を吸収するための酵素の構成成分であり、鉄欠乏症の予防や改善に役立ちます。
- 抗酸化作用: モリブデンには、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。活性酸素は、細胞を傷つけ、老化や病気の原因になると考えられています。モリブデンの抗酸化作用は、細胞を保護し、老化や病気を予防するのに役立ちます。
きゅうりの健康効果
きゅうりには、以下のような健康効果が期待できます。
1. 高血圧予防
きゅうりには、カリウムが豊富に含まれています。カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する効果があり、血圧を下げるのに役立ちます。高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病のリスクを高めるため、血圧を下げることは重要です。
100gあたりカリウム含有量
- きゅうり:140mg
- バナナ:422mg
- アボカド:487mg
カリウムを多く含む食品
- バナナ
- アボカド
- 里芋
- サツマイモ
- トマト
- ほうれん草
2. むくみ解消
きゅうりには、カリウムの他に、利尿作用のある成分が含まれています。利尿作用とは、尿の量を増やす作用のことです。尿の量が増えると、体内の余分な水分や老廃物が排出され、むくみが解消されます。むくみは、長時間同じ姿勢でいたり、塩分の多い食事を摂ったりすることで起こりやすくなります。
利尿作用のある食品
- スイカ
- メロン
- きゅうり
- トマト
- セロリ
- アスパラガス
3. 美肌効果
きゅうりには、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCには、抗酸化作用があり、シミやシワの原因となる活性酸素を除去するのに役立ちます。また、コラーゲンの生成を促進する効果もあり、肌のハリや弾力を保つのに役立ちます。
100gあたりビタミンC含有量
- きゅうり:14mg
- ブロッコリー:86mg
- アセロラ:1600mg
ビタミンCを多く含む食品
- アセロラ
- キウイ
- ブロッコリー
- パプリカ
- レモン
- オレンジ
4. 便秘解消
きゅうりには、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には、腸の蠕動運動を促進する効果があり、便秘解消に役立ちます。また、善玉菌のエサとなる効果もあり、腸内環境を整えるのに役立ちます。
100gあたり食物繊維含有量
- きゅうり:0.7g
- レタス:1.5g
- ごぼう:5.5g
食物繊維を多く含む食品
- ごぼう
- レタス
- ブロッコリー
- キャベツ
- 玄米
- オートミール
5. ダイエット効果
きゅうりは、カロリーが低く、水分が多いので、ダイエットに効果的な食材です。また、食物繊維が豊富に含まれているため、満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。
100gあたりのカロリー
- きゅうり:13kcal
- トマト:18kcal
- レタス:9kcal
6. その他の健康効果
きゅうりには、以下のような健康効果も期待できます。
- 肝機能向上: きゅうりに含まれるククルビタシンには、肝臓の解毒作用を促進する効果があります。
- コレステロール値低下: きゅうりに含まれる食物繊維には、コレステロールを体外に排出する効果があります。
- 抗炎症作用: きゅうりに含まれるビタミンCには、抗炎症作用があり、炎症を抑える効果があります。
- 二日酔い予防: きゅうりに含まれるカリウムには、利尿作用があり、二日酔いの原因となる老廃物を排出するのに役立ちます。
きゅうりの摂取量とタイミング
1日の摂取量
1日の摂取量
きゅうりの1日の推奨摂取量は、特に決まっていません。しかし、一般的には1~2本程度と言われています。これは、きゅうりが水分が多く、カロリーが低い食材であるため、食べ過ぎても問題がないからです。
ただし、体調や体質、活動量によって必要な量は異なるので、あくまでも目安として考えてください。
摂取のおすすめタイミング
きゅうりは、食前に食べるのがおすすめです。
- 食前にきゅうりを食べることで、満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐ効果があります。
- また、きゅうりに含まれる食物繊維が胃腸の働きを活発にし、消化を促進する効果もあります。
ただし、きゅうりは体を冷やす効果があるため、冷え性の方は食べ過ぎに注意が必要です。また、胃腸が弱い方は、冷たいきゅうりを食べるとお腹を壊す可能性があるため、常温に戻してから食べるようにしましょう。
きゅうりの選び方と保存方法
きゅうりの選び方
- 太さ: 太すぎると種が多く、味が薄い傾向があります。
- 色: 緑色で鮮やかで、ツヤがあるものが良いです。
- 表面: ツヤがあり、イボが少ないものが良いです。
- 先端: 切り口が乾燥していないものが良いです。
きゅうりの保存方法
- 新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
- 1~2日で食べるようにしましょう。
- 長期間保存したい場合は、塩漬けや漬物にするのも良いでしょう。
きゅうりの栄養を効率よく摂取できる相性の良い食材とレシピ
きゅうりの栄養を効率よく摂取できる相性の良い食材は、いくつかあります。
1. トマト
トマトには、リコピンという抗酸化物質が豊富に含まれています。リコピンは、ビタミンCと相性が良く、お互いの吸収を高める効果があります。きゅうりとトマトを一緒に食べることで、美肌効果やアンチエイジング効果が期待できます。
材料
- きゅうり:1本
- トマト:1個
- 玉ねぎ:1/4個
- オリーブオイル:大さじ2
- レモン汁:大さじ1
- 塩:少々
- こしょう:少々
作り方
- きゅうりとトマトは薄切り、玉ねぎは薄切りにする。
- ボウルにきゅうり、トマト、玉ねぎを入れ、オリーブオイル、レモン汁、塩、こしょうで和える。
- 冷蔵庫で30分ほど冷やしたら完成。
ポイント
- きゅうりは塩もみして水分を絞ると、より味が染み込みやすくなります。
- ハーブを加えると、風味豊かに仕上がります。
2. ワカメ
ワカメには、アルギン酸という食物繊維が豊富に含まれています。アルギン酸は、きゅうりに含まれるカリウムを体内に吸収するのを助ける効果があります。きゅうりとワカメを一緒に食べることで、高血圧予防やむくみ解消効果が期待できます。
材料
- きゅうり:1本
- ワカメ:乾燥10g
- 酢:大さじ3
- みりん:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
- 塩:少々
作り方
- きゅうりは薄切りにする。
- ワカメは水で戻し、水気を切る。
- ボウルにきゅうり、ワカメ、酢、みりん、砂糖、塩を入れて和える。
- 冷蔵庫で30分ほど冷やしたら完成。
ポイント
- ワカメは、食べる直前に水で戻すと、シャキシャキとした食感になります。
- 練り梅を加えると、より美味しく仕上がります。
3. 納豆
納豆には、納豆菌という善玉菌が豊富に含まれています。納豆菌は、きゅうりに含まれる食物繊維を分解し、腸内環境を整えるのを助ける効果があります。きゅうりと納豆を一緒に食べることで、便秘解消や免疫力向上効果が期待できます。
材料
- きゅうり:1本
- 納豆:1パック
- 醤油:大さじ1
- ごま油:小さじ1
- 白ごま:適量
作り方
- きゅうりは薄切りにする。
- 納豆は添付のタレと混ぜる。
- ボウルにきゅうり、納豆、醤油、ごま油、白ごまを入れて和える。
ポイント
- きゅうりは塩もみして水分を絞ると、より味が染み込みやすくなります。
- 刻み海苔を加えると、風味豊かに仕上がります。
4. ヨーグルト
ヨーグルトには、乳酸菌という善玉菌が豊富に含まれています。乳酸菌は、きゅうりに含まれる食物繊維を分解し、腸内環境を整えるのを助ける効果があります。きゅうりとヨーグルトを一緒に食べることで、便秘解消や免疫力向上効果が期待できます。
材料
- きゅうり:1本
- ヨーグルト:200g
- バナナ:1本
- 水:100ml
作り方
- きゅうりとバナナは皮をむいて適当な大きさに切る。
- 全ての材料をミキサーに入れ、滑らかになるまで混ぜる。
- グラスに注いで完成。
ポイント
- きゅうりは種を取り除くと、より滑らかな仕上がりになります。
- 蜂蜜や甘酒を加えると、甘味が増します。
5. ツナ
ツナには、タンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は、きゅうりに含まれるビタミンやミネラルの吸収を高める効果があります。きゅうりとツナを一緒に食べることで、美肌効果や疲労回復効果が期待できます。
材料
- 食パン:2枚
- きゅうり:1/2本
- ツナ缶:1缶
- マヨネーズ:大さじ2
- 塩:少々
- こしょう:少々
作り方
- きゅうりは薄切りにする。
- ボウルにツナ缶、マヨネーズ、塩、こしょうを入れて混ぜる。
- 食パンにツナマヨネーズを塗り、きゅうりを乗せる。
- もう1枚の食パンで挟んで完成。
ポイント
- きゅうりは塩もみして水分を絞ると、より味が染み込みやすくなります。
- レタスやトマトなどを加えると、より美味しく仕上がります。
きゅうりは、サラダやスムージーなど、様々な料理に活用できます。相性の良い食材と組み合わせて、きゅうりの栄養を効率よく摂取してください。
夏野菜の定番、きゅうり!
「きゅうりはほとんど栄養がない」と言われているけど、実際どうなんだろう?