食物繊維は2種類あって、それぞれで効果に違いがあるんだ!
1日の摂取量と吸収率をあげる食べ方も紹介していくよ☆
本記事では、食物繊維の性質や健康効果について詳しく紹介します。
食物繊維の性質
食物繊維は、炭水化物に分類される栄養素ですが、人の消化酵素では分解されず、小腸を通過して大腸まで到達します。大腸では、腸内細菌によって分解・発酵されて、便の量を増やしたり、腸内環境を整えたりなどの働きがあります。
食物繊維は、大きく分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類に分けられます。
- 水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、水を吸ってゲル状になり、腸内をゆっくりと移動することで、以下の効果があるとされています。
- 血糖値の上昇を抑える
- コレステロール値を下げる
- 便通を改善する
水溶性食物繊維は、イモ類、大豆製品、きのこ類、海藻類などに多く含まれています。
- 不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、水を吸って膨らみ、便のカサを増やし、腸のぜん動運動を活発にすることで、以下の効果があるとされています。
- 便通を改善する
- 腸内環境を整える
不溶性食物繊維は、野菜類、果物類、穀類などに多く含まれています。
食物繊維は、体内で消化・吸収されず、排泄されるため、カロリーはほとんどありません。しかし、食物繊維を十分に摂取することで、さまざまな健康効果が期待できます。
食物繊維の効果
食物繊維には、以下の効果があるとされています。
- 便通を改善する
食物繊維は、水を吸って膨らみ、便のカサを増やし、腸のぜん動運動を活発にします。そのため、便通を改善する効果があります。
- 腸内環境を整える
食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果があります。腸内環境が整うことで、免疫力の向上や、生活習慣病の予防などにつながります。
- 血糖値の上昇を抑える
水溶性食物繊維は、糖の吸収を緩やかにする効果があります。そのため、血糖値の上昇を抑える効果があります。
- コレステロール値を下げる
水溶性食物繊維は、コレステロールの吸収を抑える効果があります。そのため、コレステロール値を下げる効果があります。
- 肥満を予防する
食物繊維は、食事の量を抑える効果があります。また、食物繊維が腸内をゆっくりと移動することで、満腹感を得られやすくなります。そのため、肥満を予防する効果があります。
- 生活習慣病を予防する
食物繊維には、血糖値の上昇を抑える、コレステロール値を下げる、便通を改善するなどの効果があります。これらの効果は、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の予防につながります。
食物繊維を多く含む食品10選
食物繊維を多く含む食品ベスト10を100gあたりの含有量もあわせてご紹介します。
水溶性食物繊維が豊富な食品
食品 | 100gあたりの含有量(g) |
---|---|
水煮大豆 | 13.2 |
ひじき | 6.8 |
きのこ類(しいたけ、エノキ、しめじなど) | 5.0 |
オートミール | 5.2 |
アーモンド | 10.9 |
ヨーグルト | 2.2 |
納豆 | 2.0 |
フルーツ類(りんご、バナナ、キウイなど) | 1.5 |
こんにゃく | 1.9 |
「血糖値の上昇を抑える」「コレステロール値を下げる」「便通を改善する」これらを期待する場合は、上記の食品の摂取をおすすめします。
不溶性食物繊維が豊富な食品
食品 | 100gあたりの含有量(g) |
---|---|
切り干し大根 | 12.6 |
ごぼう | 6.5 |
キャベツ | 2.6 |
ほうれん草 | 2.5 |
玄米 | 7.9 |
オートミール | 5.2 |
海藻類(わかめ、ひじき、昆布など) | 5.0 |
全粒粉 | 11.2 |
バナナの皮 | 2.5 |
「便通を改善する」「腸内環境を整える」これらを期待する場合は、上記の食品の摂取をおすすめします。
食物繊維の1日の摂取目安量
食物繊維の1日の摂取目安量は、以下の根拠に基づいています。
- 便通の改善
食物繊維は、水を吸って膨らみ、便のカサを増やし、腸のぜん動運動を活発にすることで、便通を改善する効果があります。
- 腸内環境の整備
食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果があります。腸内環境が整うことで、免疫力の向上や、生活習慣病の予防などにつながります。
- 血糖値の上昇抑制
水溶性食物繊維は、糖の吸収を緩やかにする効果があります。そのため、血糖値の上昇抑制に効果的です。
- コレステロール値の低下
水溶性食物繊維は、コレステロールの吸収を抑える効果があります。そのため、コレステロール値の低下にも効果的です。
これらの根拠に基づき、厚生労働省は、食物繊維の1日の摂取目安量を、成人男性で20g、成人女性で18gと定めました。
ただし、食物繊維は過剰に摂取すると、下痢や腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。そのため、1日の目安量を守って摂取するようにしましょう。
食物繊維のおすすめの摂取方法
食物繊維の吸収率を上げるためには、以下の方法がおすすめです。
- 水分を十分に摂る
食物繊維は、水分を吸って膨らみます。そのため、水分を十分に摂ることで、食物繊維の効果を高めることができます。
- 野菜や果物、全粒穀物製品をバランスよく食べる
食物繊維は、野菜や果物、全粒穀物製品に多く含まれています。これらの食品をバランスよく食べることで、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を両方とも効率よく摂ることができます。
- 食物繊維を一度にたくさん摂りすぎない
食物繊維を一度にたくさん摂ると、お腹が張って下痢になる可能性があります。そのため、1日を通して少しずつ摂るようにしましょう
具体的な食べ方としては、以下のようなものがおすすめです。
- 朝食に野菜やフルーツをたっぷり食べる
朝食は、1日の栄養素をバランスよく摂る重要なタイミングです。野菜やフルーツは、食物繊維が豊富なだけでなく、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
- 食事の最初に野菜を食べる
食事の最初に野菜を食べる習慣をつけましょう。野菜を先に食べることで、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
- 玄米や全粒粉を使った料理を食べる
白米や精白小麦粉に比べて、玄米や全粒粉は食物繊維が豊富です。ご飯やパン、麺類を食べるときは、玄米や全粒粉を使ったものを選びましょう。
- 野菜や果物、全粒穀物製品をスムージーやスープにする
野菜や果物、全粒穀物製品をスムージーやスープにすると、手軽に食物繊維を摂ることができます。
食物繊維は、健康維持のために欠かせない栄養素です。日々の食事の中で、これらの方法を参考に、食物繊維を効率よく摂るようにしましょう。
食物繊維と相性の良い食品
食物繊維と相性の良い食べ物としては、以下のようなものが挙げられます。
- 乳酸菌やビフィズス菌を含む食品
乳酸菌やビフィズス菌は、腸内環境を整える働きがあります。食物繊維は、腸内環境を整えるのに役立つため、相性が良いと言えます。
- タンパク質を含む食品
タンパク質は、食物繊維の吸収率を高める働きがあります。食物繊維とタンパク質を一緒に摂取することで、食物繊維の吸収率を向上させることができます。
- ビタミンB群を含む食品
ビタミンB群は、食物繊維の代謝を助ける働きがあります。食物繊維とビタミンB群を一緒に摂取することで、食物繊維の代謝を促進することができます。
具体的な食べ合わせとしては、以下のようなものが挙げられます。
- ヨーグルトや納豆などの発酵食品と、野菜やきのこ類
- 肉や魚などのタンパク質源と、野菜やきのこ類
- 玄米や全粒粉などの全粒穀物と、野菜やきのこ類
また、食物繊維は水分を吸って膨らむ性質があるため、水分を十分に摂ることも大切です。
食物繊維は、健康維持のために欠かせない栄養素です。食物繊維を効率よく摂取するためには、上記のような食べ合わせを意識すると良いでしょう。
まとめ
食物繊維は、人間の消化酵素では消化されない、植物由来の成分です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられ、それぞれに異なる効果があります。
水溶性食物繊維
- 水分を吸ってゲル状になり、糖の吸収を緩やかにする
- コレステロールの吸収を抑える
- 腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える
不溶性食物繊維
- 水分を吸って膨らみ、便のカサを増やす
- 腸のぜん動運動を活発にする
- 腸内環境を整える
食物繊維は、1日の摂取目標量が成人男性で20g、成人女性で18gです。しかし、日本人の食物繊維の摂取量は、1日平均14.5gと、目標量を下回っています。
食物繊維を効率よく摂取するには、以下の方法がおすすめです。
- 野菜や果物を積極的に食べる
- 全粒穀物製品を食べる
- 水分を十分に摂る
食物繊維は、健康維持のために欠かせない栄養素です。日々の食事の中で、これらの食品を積極的に摂取するようにしましょう。
野菜や果物にも多く含まれている食物繊維!
何をどのくらい食べれば良いんだろう?