この記事では、ケールの特徴や、栄養価、健康効果、ケールのおすすめの食べ方や意外な豆知識を紹介するぞ!
目次
この記事でわかること
ケールとはどんな野菜?
ケールは、緑黄色野菜でキャベツやブロッコリーと同じアブラナ科の野菜。
地中海沿岸が原産とされ、キャベツの原種であるヤセイカンランに近い品種です。日本では江戸時代にオランダから渡来したと言われています。
ケールの特徴
- 葉が特徴: ケールはキャベツのように球状になることはなく、大きな葉を広げて生長します。葉の形は品種によって様々で、縮れているものや平らなものなどがあります。
- 栄養価の高さ: ビタミンK、ビタミンC、β-カロテン、カルシウム、鉄分など、私たちの体に必要な栄養素が豊富に含まれています。
- 苦み: ケールは独特の苦みを持っています。この苦みは、栄養価の高さの裏返しと言えるでしょう。
ケールの品種と特徴、使い分け
ケールの品種は、葉の色や形、味などが様々です。それぞれの品種の特徴を比較し、どんな料理に合うのかをまとめました。
品種名 | 特徴 | 味 | おすすめの料理 |
---|---|---|---|
カーリーケール | 葉が縮れていてフリル状 | 苦味が少なく食べやすい | サラダ、炒め物、スムージー |
コラードケール | 葉が大きく肉厚、キャベツのような形状 | 苦味が強く、しっかりとした食感 | 煮込み料理、炒め物 |
レッドケール | 葉が赤紫色、アントシアニンが豊富 | 苦味が少なく、甘みも | サラダ、スムージー |
ダイナマイトケール | 葉が細かく切れ込んでいる | 苦味が少なく、柔らかく食べやすい | サラダ、炒め物 |
トスカーナケール(黒キャベツ) | 葉が黒紫色、光沢がある | 苦味が強く、風味も濃厚 | 煮込み料理、スープ |
- 味: 苦味が好きな方はコラードケール、苦手な方はカーリーケールやダイナマイトケールがおすすめです。
- 食感: コラードケールは肉厚で食べ応えがあり、カーリーケールは柔らかく食べやすいです。
- 見た目: レッドケールは料理に彩りを加えたいときに、ダイナマイトケールは見た目も楽しめます。
- 用途: サラダ、炒め物、スープなど、料理によって最適な品種が異なります。
ケールの和名
ケールの和名は、主に以下の2つが挙げられます。
- 緑葉甘藍(りょくようかんらん):キャベツの仲間で、結球せず葉を食べることから、このように呼ばれます。
- 羽衣甘藍(はごろもかんらん):特に葉が縮れている品種を指し、羽衣のように見えることから、このように呼ばれます。
その他にも、「葉キャベツ」と呼ばれることもあります。
「ケール」という名前は、英語の「kale」の音読みです。日本に紹介された際に、そのまま「ケール」と呼ばれるようになったと考えられています。
ケールの栄養価
ケールは、非常に栄養価が高く、様々なビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んでいます。
栄養素 | 含有量(目安) | 主な働き |
---|---|---|
ビタミン類 | ||
ビタミンK | 700~1000μg | 血の凝固、骨の健康 |
ビタミンC | 80~100mg | 抗酸化作用、免疫力向上、コラーゲン生成 |
β-カロテン | 2000~3000μg | 抗酸化作用、視力維持、皮膚の健康 |
ビタミンE | 2~3mg | 抗酸化作用、細胞膜の保護 |
葉酸 | 80~100μg | 細胞の生成、赤血球の形成 |
ビタミンB6 | 0.2~0.3mg | たんぱ質代謝、神経機能 |
ミネラル類 | ||
カルシウム | 150~200mg | 骨や歯の形成 |
カリウム | 300~400mg | 血圧の安定、体液のバランス |
マグネシウム | 30~40mg | エネルギー代謝、神経機能 |
鉄 | 2~3mg | 赤血球の形成、酸素運搬 |
マンガン | 0.5~0.8mg | 代謝酵素の活性化 |
その他 | ||
食物繊維 | 3~4g | 腸内環境改善、血糖値の安定 |
ルテイン | 一定量 | 眼の健康、黄斑変性予防 |
クロロフィル | 一定量 | 解毒作用、抗酸化作用 |
ケールの豊富な栄養素と1日に必要摂取量を比較
ケールは、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく含んだ栄養満点の野菜です。特に、下記5つの栄養素が豊富です。
体内でビタミンAに変わり、視力維持に役立つ「β-カロテン」も100gあたり、2000~3000μgと非常に豊富です。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されるプロビタミンAの一種です。そのため、β-カロテンの摂取量よりも、ビタミンAの摂取量として考えられることが多いです。ビタミンAには1日の摂取目安量がありますが、β-カロテン単体での目安量は、一般的に定められていません。
そのため以下のグラフには入れていません。
ケールの栄養価がこれほど高い理由
ケールがこれほどまでに栄養価が高い理由は、植物の構造、生育特性、栽培方法、品種、そして栄養素の相乗効果など、様々な要因が複雑に絡み合っているためです。
1. 太陽光を効率的に利用する植物の構造
- 葉の表面積: ケールは、他の葉野菜と比較して葉の表面積が非常に広いです。この広い表面積で太陽光を効率的に吸収し、光合成を活発に行います。
- 葉緑体の量: 葉緑体は光合成を行う細胞小器官で、ケールには他の植物に比べて葉緑体の量が多いとされています。
- カロテノイド: ケールは、β-カロテンをはじめとするカロテノイドを豊富に含んでいます。カロテノイドは、光合成の補助色素として働き、光エネルギーを効率的に利用する役割を果たします。
2. 生育速度と栄養素の濃縮
- 短い生育期間: ケールは生育が早く、短期間で収穫できます。短い期間で多くの栄養素を蓄えるため、栄養価が濃縮されていると考えられます。
- ストレス耐性: ケールは、乾燥や寒さなどのストレスに強い植物です。このようなストレスにさらされると、植物は自身を守るために抗酸化物質などの栄養素を生成することが知られています。
3. 土壌と栽培方法の影響
- ミネラル豊富な土壌: ケールは、ミネラル豊富な土壌で栽培されることで、より多くのミネラルを吸収します。
- 有機栽培: 有機栽培のケールは、化学肥料や農薬を使用しないため、自然の状態で育ち、より多くの栄養素を含んでいる可能性があります。
ケールの健康効果
ケールを摂取することで、さまざまな健康効果が期待できます。
- 抗酸化作用: β-カロテンやビタミンCなど、強力な抗酸化物質を豊富に含んでいるため、体内の活性酸素を除去し、老化や生活習慣病を予防する効果が期待できます。
- 免疫力向上: ビタミンCが豊富で、免疫細胞を活性化し、風邪などの感染症から体を守ります。
- 眼の健康維持: ルテインやβ-カロテンが豊富で、眼精疲労の軽減や、加齢黄斑変性などの眼疾患予防に役立ちます。
- 骨の健康維持: ビタミンKが豊富で、カルシウムの吸収を促進し、骨を強くする効果があります。
- 血圧の安定: カリウムが豊富で、高血圧の予防に役立ちます。
- 腸内環境改善: 食物繊維が豊富で、腸内環境を整え、便秘解消に効果的です。
- 美肌効果: ビタミンCがコラーゲンの生成を促し、肌にハリを与え、シミやそばかすの予防にも役立ちます。
- デトックス効果: クロロフィルが体内の有害物質を排出するデトックス効果をもたらします。
ケールの食べ方
ケールは、生でサラダにしたり、炒め物やスープの具材にしたり、スムージーに混ぜたりと、様々な料理に活用できます。
生で食べる場合
- サラダ: 生の葉を細かく刻んで、他の野菜と一緒にサラダに。ドレッシングで味付けをすると食べやすくなります。
- サンドイッチ: パンに挟んでサンドイッチにするのもおすすめです。
- スムージー: バナナやリンゴなどの甘いフルーツと一緒にスムージーにすると、苦味が気になりにくくなります。
加熱して食べる場合
- 炒め物: ベーコンやソーセージと一緒に炒めると、風味が増します。
- スープ: ポタージュスープやミネストローネなど、様々なスープの具材に。
- パスタ: ペペロンチーノやパスタソースの具材に。
タイプ別!おすすめの食べ方
忙しい朝でも手軽に栄養補給したい方
- 青汁: ケールの栄養を丸ごと手軽に摂取できます。粉末タイプや液体タイプなど、様々な種類があります。
- スムージー: 好きなフルーツや野菜と一緒にミキサーにかければ、美味しいスムージーに。忙しい朝でも手軽に作れます。
健康に気を遣っている方
- サラダ: 生のケールを細かく刻んで、サラダのトッピングに。ドレッシングで味付けをすると、苦味が和らぎます。
- 炒め物: オリーブオイルやバターで炒めると、香りが引き立ちます。ベーコンやきのこなど、他の食材と合わせるのもおすすめです。
料理初心者の方
- スープ: ポタージュスープやミネストローネなど、様々なスープの具材に。加熱することで苦味が和らぎ、食べやすくなります。
- パスタ: ペペロンチーノやパスタソースの具材に。パスタと合わせることで、ケールの味がまろやかに感じられます。
ケールの苦味が苦手な方
- 加熱調理: 生よりも加熱した方が苦味が和らぎます。
- 甘い食材と組み合わせる: バナナやリンゴなどの甘いフルーツと一緒にスムージーにしたり、蜂蜜やメープルシロップをかけて食べると、苦味が気になりにくくなります。
- 他の野菜と混ぜる: レタスやほうれん草など、他の葉物野菜と混ぜて食べることで、ケールの存在感が薄まり、食べやすくなります。
ケールの苦味を和らげる方法
下処理
- 塩もみ: アクが抜けて苦味が軽減されます。塩をまぶして揉み込み、しばらく置いた後、水で洗ってから調理しましょう。
- 熱湯にさっとくぐらせる: 苦味が和らぎます。ただし、栄養素が流れ出てしまうため、短時間で済ませましょう。
調理方法
加熱調理、炒め物、スープ、スムージーなど。
合わせる食材
- 甘い食材: バナナ、リンゴ、ハチミツなど、甘い食材と合わせることで、苦味が和らぎます。
- ナッツ: アーモンドやクルミなど、ナッツの香ばしさが、ケールの苦味を中和してくれます。
- チーズ: モッツァレラチーズやゴルゴンゾーラチーズなど、チーズのコクが、ケールの味を引き立てます。
その他のポイント
- 品種: ケールには様々な品種があり、苦味が少ない品種もあります。ベビーケールなどは、苦味が少なく食べやすいです。
- 新鮮なケールを選ぶ: 新鮮なケールほど、苦味が少なく、美味しく食べられます。
ケールを青汁で飲むことが多いのはなぜ?
青汁として飲む理由
ケールを青汁にする理由は、その栄養価の高さにあります。ケールには、ビタミンC、β-カロテン、カルシウム、鉄など、私たちの体に必要な栄養素が豊富に含まれています。
- 手軽に栄養補給: 忙しい朝でも手軽に栄養を補給できます。
- 野菜不足解消: 野菜不足を感じている人にとって、青汁は手軽な解決策になります。
- 栄養バランスの改善: 様々な栄養素を一度に摂取できるため、食事の栄養バランスが向上します。
ケールを青汁にするメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
手軽に栄養補給できる | 苦味が強い |
野菜不足解消に役立つ | 飽きやすい |
栄養バランスが改善される | 価格が高い場合がある |
ケールは生だと危険はうそ?
ケールは生で食べても安全です。むしろ、加熱すると一部の栄養素が失われてしまうため、生で食べる方が栄養を効率的に摂取できます。
ケールを生で食べるメリット
- 栄養価が高い: ビタミンCやβ-カロテンなどの栄養素が豊富で、抗酸化作用も期待できます。
- 食物繊維が豊富: 便秘解消や腸内環境改善に役立ちます。
- 手軽に食べられる: サラダやスムージーなど、様々な料理に簡単に取り入れられます。
ケールを生で食べる際の注意点
- しっかりと洗う: 農薬などが残っている可能性があるので、流水で丁寧に洗いましょう。
- 新鮮なものを選ぶ: しんなりしているものは避け、葉がピンと張っていて鮮やかな緑色のものを選びましょう。
- 量を控える: ケールには食物繊維が多く含まれているため、食べ過ぎるとお腹が張る場合があります。
- 体質によっては注意: ほうれん草などと同じように、シュウ酸を含んでいるため、腎臓に疾患がある方は摂取量に注意が必要です。
ケールとキャベツの違いは?
ケールとキャベツは、どちらもアブラナ科の野菜で、見た目も似ているため、混同してしまうことがありますよね。実は、ケールはキャベツの原種と言われています。
特徴 | ケール | キャベツ |
---|---|---|
葉の形 | 大きく広がった葉 | 丸く葉が重なり合って球状になる |
結球性 | 結球しない | 結球する |
味 | 苦味があるものが多い | 甘みが強く、比較的マイルド |
栄養価 | ビタミン類、ミネラルが豊富 | ビタミンC、ビタミンUが豊富 |
食感 | 葉が硬めで繊維質 | 葉が柔らかく、みずみずしい |
原種 | 野生の原種に近い | ケールから品種改良された |
- 栄養価を重視するなら: ケールの方が、ビタミン類やミネラルが豊富なのでおすすめ
- マイルドな味が好みなら: キャベツの方が、甘みが強く、食べやすい
近年、スーパーフードとして注目を集めているケール。その鮮やかな緑色と栄養価の高さから、健康意識の高い人々に人気があるんだって!