身体によいとされている理由や、相性の良い食材を知っておくと健康効果をアップできるぞ!
本記事では、味噌の栄養成分と健康への影響について詳しく紹介します。
目次
味噌は何で作られている?
味噌は、主に以下の材料で作られています。
- 大豆:味噌の主原料です。大豆には、たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。
- 米麹:米を麹菌で発酵させたものです。米麹には、デンプンを分解する酵素が豊富に含まれています。
- 塩:味噌の味付けと保存性を高めるために使用されます。
- 水:味噌を仕込むために使用されます。
その他に、麦麹や豆麹、酒粕などを加えることもあります。
- 大豆を洗い、蒸すか煮るかして柔らかくします。
- 米麹、麦麹、豆麹などを混ぜ合わせ、種麹を作ります。
- 柔らかくした大豆と塩、種麹を混ぜ合わせ、桶や缸に入れて発酵させます。
- 数ヶ月から数年かけて発酵熟成させると、味噌が完成します。
味噌の栄養成分
栄養成分 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 206kcal |
水分 | 65.8g |
たんぱく質 | 12.3g |
脂質 | 6.1g |
炭水化物 | 26.7g |
灰分 | 5.1g |
食塩相当量 | 6.9g |
主なミネラル
ミネラル | 含有量 |
---|---|
カリウム | 1470mg |
リン | 210mg |
マグネシウム | 80mg |
カルシウム | 60mg |
鉄 | 2.4mg |
亜鉛 | 1.4mg |
主なビタミン
ビタミン | 含有量 |
---|---|
ビタミンB1 | 0.14mg |
ビタミンB2 | 0.22mg |
ビタミンB6 | 0.14mg |
ビタミンB12 | 0.2μg |
葉酸 | 44μg |
パントテン酸 | 0.4mg |
ナイアシン | 3.3mg |
ビタミンC | 2mg |
※農林水産省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
味噌は、塩分が多い食品ですが、カリウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。 これらのミネラルは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。
また、味噌には、大豆たんぱく質や食物繊維も豊富に含まれています。 大豆たんぱく質は、良質な植物性たんぱく質です。また、食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。水溶性食物繊維は、腸内環境を整え、便秘を解消する効果があります。不溶性食物繊維は、満腹感を高め、ダイエット効果が期待できます。
その他、GABA(γ-アミノ酪酸)というアミノ酸が豊富に含まれています。GABAは、脳の神経伝達物質の一種で、ストレスを緩和したり、睡眠の質を向上させたりする効果があります。
味噌の種類と選び方
塩分や旨味成分の量、熟成期間によって、色や味、香り、栄養成分などが異なります。
主な味噌の種類と特徴
- 米味噌:最も一般的で、白味噌、赤味噌、合わせ味噌などがあります。
- 白味噌:米麹を多く使い、塩分控えめで甘みがある。味噌汁、煮込み料理、和え物などにおすすめ。
- 赤味噌:大豆の割合が多く、塩分高めで熟成期間が長い。味噌汁、鍋料理、漬物などにおすすめ。
- 合わせ味噌:白味噌と赤味噌を混ぜたもの。塩分や甘味のバランスが良い。味噌汁、煮込み料理などにおすすめ。
- 麦味噌:麦麹を使い、香ばしい風味とコクがある。味噌汁、鍋料理、漬物などにおすすめ。
- 豆味噌:大豆麹を使い、塩分が高く濃厚な味わい。八丁味噌などが有名。味噌汁、煮込み料理などにおすすめ。
栄養成分の違い
味噌の種類によって、主な栄養成分であるたんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量、ビタミンB群、カリウム、カルシウムなどの含有量に違いがあります。
- たんぱく質:豆味噌 > 麦味噌 > 米味噌
- 脂質:麦味噌 > 米味噌 > 豆味噌
- 炭水化物:米味噌 > 麦味噌 > 豆味噌
- 食塩相当量:豆味噌 > 麦味噌 > 米味噌
- ビタミンB群:米味噌 > 麦味噌 > 豆味噌
- カリウム:麦味噌 > 米味噌 > 豆味噌
- カルシウム:豆味噌 > 米味噌 > 麦味噌
項目 | 白味噌 | 赤味噌 | 麦味噌 | 豆味噌 |
---|---|---|---|---|
色 | 白~淡黄色 | 赤色 | 茶色 | 濃い茶色 |
味 | 甘味・旨味 | 塩味・旨味 | 塩味・香ばしさ | 塩味・濃厚な旨味 |
主な使用例 | 味噌汁、煮込み料理 | 味噌汁、煮込み料理 | 味噌汁、漬物 | 味噌煮込みうどん、なます |
栄養成分 | タンパク質、カリウム、ビタミンB群 | タンパク質、カリウム、食物繊維 | 食物繊維、GABA | タンパク質、カルシウム |
どんな人におすすめか
- 塩分が気になる人:白味噌、減塩味噌
- 甘みのある味噌が好きな人:白味噌
- コクのある味噌が好きな人:赤味噌、豆味噌
- 香ばしい風味の味噌が好きな人:麦味噌
- ビタミンB群を積極的に摂取したい人:米味噌
- カリウムを積極的に摂取したい人:麦味噌
- カルシウムを積極的に摂取したい人:豆味噌
味噌には、米味噌、麦味噌、豆味噌など、さまざまな種類があります。それぞれの色、味、香り、栄養成分が異なるので、自分の好みに合わせて選ぶようにしましょう。
味噌の健康効果
味噌は、発酵過程で生成されるさまざまな成分によって、以下のような健康効果が期待できます。
1. 腸内環境を整える
味噌には、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を増やす効果のある成分が含まれています。善玉菌が増えると、腸内環境が整い、便秘や下痢が改善されます。また、腸内環境が整うことで、免疫力も向上します。
2. 生活習慣病を予防する
味噌には、血圧を下げる効果のあるカリウムや、コレステロール値を下げる効果のあるGABA、抗酸化作用のあるポリフェノールなどが含まれています。これらの成分は、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立ちます。
3. 美肌効果
味噌には、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質が含まれています。これらの成分は、シミやシワなどの老化の原因となる活性酸素を除去し、美肌効果が期待できます。
4. 骨粗鬆症予防
味噌には、カルシウムやマグネシウムなどの骨の形成に必要な栄養素が含まれています。これらの栄養素は、骨粗鬆症の予防に役立ちます。
5. 疲労回復
味噌には、ビタミンB群やアミノ酸などの疲労回復効果のある成分が含まれています。これらの成分は、疲労回復や滋養強壮に効果があります。
6. アンチエイジング
味噌には、抗酸化作用のあるポリフェノールやメラノイジンなどが含まれています。これらの成分は、老化の原因となる活性酸素を除去し、アンチエイジング効果が期待できます。
7. ガン予防
味噌には、抗酸化作用のあるポリフェノールやイソフラボンなどが含まれています。これらの成分は、ガンの発生を抑制する効果があると言われています。
8. ストレス緩和
味噌には、GABAやセロトニンなどのストレスを緩和する効果のある成分が含まれています。これらの成分は、ストレスによる不安やイライラを軽減し、リラックス効果が期待できます。
味噌の栄養を高める相性の良い食材
味噌の栄養を高めるには、相性の良い食材と組み合わせることが大切です。
1. たんぱく質
- 肉類:豚肉、鶏肉、牛肉
- 魚介類:鮭、サバ、イワシ
- 卵:卵黄に含まれるレシチンは、味噌の脂肪を分解する働きがある
- 大豆製品:豆腐、納豆、湯葉
2. ビタミンC
- 野菜類:トマト、ブロッコリー、ピーマン、キャベツ
- 果物類:キウイ、柑橘類
3. 食物繊維
- 野菜類:きのこ類、海藻類、根菜類
- 果物類:リンゴ、バナナ
4. カルシウム
- 小魚:ちりめんじゃこ、シラス
- 乳製品:牛乳、ヨーグルト
5. 鉄
- 赤身の肉:牛肉、豚肉
- レバー:レバーペースト
- 貝類:あさり、しじみ
- 豚肉と野菜の味噌炒め:豚肉に含まれるたんぱく質と、野菜に含まれるビタミンCや食物繊維を一緒に摂取することができます。
- 鮭の味噌煮:鮭に含まれるたんぱく質とカルシウム、味噌に含まれるビタミンB群を一緒に摂取することができます。
- 豆腐とわかめの味噌汁:豆腐に含まれるたんぱく質とカルシウム、わかめに含まれる食物繊維とミネラルを一緒に摂取することができます。
味噌と相性の悪い食材
味噌の栄養を低下させる相性の悪い食品は、主に以下の2つです。
1. ビタミンB1を分解する食品
- タンニンを含む食品: 緑茶、紅茶、コーヒー、柿、ぶどう、なすなど
- 亜硫酸塩を含む食品: 干しイチジク、梅干し、ワインなど
これらの食品と一緒に味噌を摂取すると、味噌に含まれるビタミンB1が分解されてしまい、疲労回復効果や滋養強壮効果が低下してしまう可能性があります。
2. 味噌の風味を損なう食品
- 香りの強い食品: ニンニク、生姜、ネギなど
- 酸味の強い食品: 酢、柑橘類など
これらの食品と一緒に味噌を摂取すると、味噌本来の風味を損なってしまう可能性があります。
ただし、これらの食品との組み合わせを完全に避ける必要はありません。大切なのは、バランスの良い食生活を心がけることです。
- ビタミンB1は、他の食品からも摂取できます。
- 味噌の風味は、調理方法や他の食材との組み合わせで調整できます。
味噌は1日どのくらい食べると良い?
味噌は、1日に大さじ1杯~2杯程度食べるのがおすすめ!
厚生労働省は、成人の1日の塩分摂取目標量を6.5g以下としています。味噌の塩分量は、種類やメーカーによって異なりますが、大さじ1杯あたり約1gの塩分が含まれています。
味噌は、塩分が多く含まれているため、食べ過ぎると高血圧などの原因になる可能性があります。しかし、味噌には、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、健康に良い栄養素も豊富に含まれています。そのため、適量を摂取することで、健康維持に役立ちます。
味噌の摂取量の目安
- 味噌汁:1杯あたり大さじ1杯
- 味噌煮込み:1人前あたり大さじ1/2杯
- 味噌炒め:1人前あたり大さじ1/2杯
味噌を食べる際の注意点
- 塩分の摂り過ぎに注意しましょう。
- 味噌汁の具材は、野菜や豆腐など、カリウムを多く含むものを選びましょう。
- 味噌は、加熱しすぎると風味が損なわれるため、煮込み過ぎないように注意しましょう。
味噌の保存方法
味噌は、温度や湿度、光などの影響を受けやすい食品です。そのため、おいしさを保つためには、適切な方法で保存することが大切です。
保存場所
- 未開封の味噌: 直射日光を避け、冷暗所で保存しましょう。常温保存が可能です。
- 開封済みの味噌: 冷蔵庫で保存しましょう。
- 白味噌: 他の味噌に比べて水分が多いため、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
- 赤味噌: 塩分が多いため、常温保存でも比較的長持ちします。
- 合わせ味噌: 白味噌と赤味噌を混ぜたものなので、保存方法は白味噌と赤味噌の中間的なものになります。
保存容器
- 未開封の味噌: 購入時の容器のまま保存できます。
- 開封済みの味噌: 密閉容器に移し替えましょう。味噌の表面が乾燥しないように、ラップでぴったりと覆うのもおすすめです。
- 温度変化を避ける: 味噌は温度変化に弱いため、一定の温度で保存することが大切です。
- 空気に触れないようにする: 味噌は空気に触れると酸化し、風味が損なわれてしまいます。
- 水分を避ける: 味噌は水分に触れるとカビが生えやすくなります。
保存期間
- 未開封の味噌: 賞味期限まで保存できます。
- 開封済みの味噌: 冷蔵保存で約6ヶ月~1年程度保存できます。
その他
- 味噌をすくう際は、清潔なスプーンを使用しましょう。
- 味噌にカビが生えたり、異臭がしたりした場合は、食べるのを控えましょう。
味噌は、基礎調味料である「さしすせそ」の「そ」にあたる発酵食品!