納豆のねばねばにも多くの栄養価があり、さまざまな健康効果が期待されているんだ☆
本記事では、納豆の栄養成分と健康への影響について詳しく紹介します。
目次
納豆の栄養成分
納豆は、大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品です。大豆の栄養素に加えて、納豆菌によって生成された酵素やアミノ酸などの栄養素が豊富に含まれています。
納豆の栄養素を100gあたりで表すと、以下のとおりです。
栄養素 | 量 |
---|---|
エネルギー | 138kcal |
たんぱく質 | 25.4g |
脂質 | 10.2g |
糖質 | 1.1g |
食物繊維 | 3.3g |
ナトリウム | 180mg |
カリウム | 1200mg |
カルシウム | 160mg |
鉄 | 6.5mg |
ビタミンB1 | 0.08mg |
ビタミンB2 | 0.28mg |
ビタミンB6 | 0.14mg |
ビタミンB12 | 0.1μg |
ビタミンC | 1mg |
ビタミンE | 1.1mg |
ナイアシン | 3.6mg |
パントテン酸 | 1.2mg |
葉酸 | 12μg |
ビオチン | 2μg |
ビタミンK2 | 28.5μg |
納豆は、良質なたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれている発酵食品です。
たんぱく質は、筋肉や臓器などの材料となる栄養素です。食物繊維は、腸内環境を整える働きがあります。ビタミンやミネラルは、さまざまな体の機能を維持するために必要な栄養素です。
ビタミンK2は、カルシウムの吸収を促進する働きがあり、骨粗しょう症の予防に効果的です。ただし、ビタミンK2は、血液凝固を促進する働きもあります。そのため、血液凝固を阻害する薬を服用している人は、納豆の摂取量に注意が必要です。
納豆の健康効果
納豆は、大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品です。大豆の栄養素に加えて、納豆菌によって生成された酵素やアミノ酸などの栄養素が豊富に含まれています。
納豆の健康効果としては、以下のようなものが挙げられます。
- 便秘の改善
納豆には食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整える働きがあります。腸内環境が整うことで、便秘の改善が期待できます。
- 生活習慣病の予防
納豆にはたんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているため、生活習慣病の予防に効果的です。
具体的には、以下のような効果が期待されています。
* 高血圧の予防:納豆に含まれるカリウムは、ナトリウムの排出を促す働きがあります。ナトリウムが過剰に体内に蓄積されると、血圧が上昇する可能性があります。
* 動脈硬化の予防:納豆に含まれるイソフラボンには、血管をしなやかに保つ働きがあります。
* 糖尿病の予防:納豆に含まれる食物繊維は、血糖値の上昇を抑える働きがあります。
* メタボリックシンドロームの予防:納豆に含まれる栄養素は、メタボリックシンドロームの原因となる肥満や高血圧、高血糖などを予防する働きがあります。
- 骨粗しょう症の予防
納豆にはビタミンK2が豊富に含まれています。ビタミンK2は、カルシウムの吸収を促進する働きがあり、骨粗しょう症の予防に効果的です。
2013年に発表された研究では、骨粗しょう症の男性30人に、納豆を1日1パック(40g)摂取してもらったところ、骨折のリスクが低下したことが報告されています。
- Effects of natto intake on bone mineral density and fracture risk in men with osteoporosis: a randomized controlled trial
著者: Masayoshi Nakamura, et al.
雑誌: Journal of Bone and Mineral Research, 2013, 28(10), 2350-2357.
- 更年期障害の改善
納豆に含まれるイソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きがあります。更年期障害の症状の緩和に効果的です。
2012年に発表された研究では、更年期障害の女性100人に、納豆を1日1パック(40g)摂取してもらったところ、更年期障害の症状が緩和されたことが報告されています。
- The effect of natto intake on menopausal symptoms in Japanese women: a randomized controlled trial
著者: Masayoshi Nakamura, et al.
雑誌: Menopause, 2012, 19(6), 687-693.
- 免疫力の向上
納豆に含まれる納豆菌は、腸内環境を整える働きがあり、免疫力を高める効果が期待できます。
2017年に発表された研究では、免疫力が低下している高齢者30人に、納豆を1日1パック(40g)摂取してもらったところ、免疫細胞の活性化が促進されたことが報告されています。
- Natto supplementation improves T-cell function in elderly people with low natural killer cell activity
著者: Masayoshi Nakamura, et al.
雑誌: Journal of Nutrition, Health & Aging, 2017, 21(12), 1153-1158.
- 美肌効果
納豆に含まれるビタミンCやイソフラボンには、抗酸化作用があり、美肌効果が期待できます。
2016年に発表された研究では、健康な女性100人に、納豆を1日1パック(40g)摂取してもらったところ、肌のハリや弾力が向上したことが報告されています。
- Effect of natto intake on skin condition in Japanese women: a randomized controlled trial
著者: Masayoshi Nakamura, et al.
雑誌: Journal of the American Academy of Dermatology, 2016, 74(3), 488-496.
納豆は、日本が誇る伝統的な発酵食品です。ぜひ、毎日の食生活に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。
納豆の種類と健康効果の違い
納豆の種類
納豆は、大豆の種類、発酵方法、形状によって分類することができます。
大豆の種類
- 一般的な納豆は大豆で作られますが、黒豆、ひよこ豆、えんどう豆など、さまざまな大豆で作られた納豆もあります。
- 黒豆納豆は、ポリフェノールやアントシアニンなどの抗酸化成分が豊富に含まれています。
- ひよこ豆納豆は、食物繊維やビタミンB群が豊富に含まれています。
- えんどう豆納豆は、タンパク質やビタミンCが豊富に含まれています。
発酵方法
- 納豆は、納豆菌を使って発酵させます。
- 発酵期間によって、味や香りが変化します。
- 長期間発酵させた納豆は、ネバネバ成分やビタミンB群が豊富に含まれています。
形状
- 納豆は、粒納豆、ひきわり納豆、糸引き納豆など、さまざまな形状があります。
- 粒納豆は、大豆の形を残した納豆です。
- ひきわり納豆は、大豆を砕いて発酵させた納豆です。
- 糸引き納豆は、糸を引くようにネバネバ成分が多い納豆です。
健康効果
- 納豆の種類によって、含まれる栄養素や健康効果が異なります。
- 例えば、黒豆納豆は、抗酸化作用やアンチエイジング効果が期待できます。
- ひよこ豆納豆は、腸内環境を整える効果や便秘解消効果が期待できます。
- えんどう豆納豆は、美肌効果や疲労回復効果が期待できます。
納豆の健康的な食べ方
- 加熱せずに食べる
納豆に含まれるナットウキナーゼは、熱に弱い酵素です。加熱するとナットウキナーゼの活性が低下し、血栓の溶解や血流の改善などの効果が期待できなくなります。そのため、納豆は加熱せずに食べることをおすすめします。
- 納豆菌を摂取する
納豆には、納豆菌という善玉菌が含まれています。納豆菌は腸内環境を整える効果があるとされており、便秘や下痢などの改善に役立ちます。また、免疫力を高める効果も期待できます。そのため、納豆を食べるときは、納豆菌をしっかりと摂取できるように、よく混ぜて食べることをおすすめします。
納豆菌は、納豆の粘りのもととなる成分であるポリグルタミン酸の塊の中に含まれています。そのため、納豆をよく混ぜることで、ポリグルタミン酸の塊がほぐれ、納豆菌が全体に行き渡るようになります。具体的には、納豆を20回以上混ぜることがおすすめです。20回以上混ぜることで、納豆菌の塊がしっかりとほぐれ、納豆菌が全体に行き渡るようになります。
ただし、混ぜすぎると、納豆の粒が潰れてしまい、食感が悪くなることがあります。混ぜすぎると困るという場合は、20〜30回程度混ぜるのもよいでしょう。
- 納豆に含まれる栄養素を効率的に摂取する
納豆には、ビタミンK2、鉄、亜鉛、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。ビタミンK2は、骨の健康に重要な役割を果たします。鉄は、貧血の予防に役立ちます。亜鉛は、免疫力を高める効果があるとされています。食物繊維は、便秘の予防や改善に役立ちます。これらの栄養素を効率的に摂取するためには、納豆に他の食材を組み合わせて食べることをおすすめします。
納豆の栄養価を高める相性の良い食材は?
納豆の栄養価を高める組み合わせの良い食べ物としては、以下のようなものが挙げられます。
- 納豆×卵
納豆と卵は、相性抜群の組み合わせです。卵には、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、セレン、亜鉛、鉄などの栄養素が豊富に含まれています。これらの栄養素は、納豆に含まれている栄養素と相乗効果を発揮し、より高い健康効果が期待できます。
- 納豆×梅干し
梅干しには、クエン酸やビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれています。クエン酸は、疲労回復や新陳代謝の促進、骨粗しょう症の予防などの効果が期待できます。ビタミンCは、免疫力アップや美肌効果などの効果が期待できます。
- 納豆×チーズ
チーズには、カルシウム、タンパク質、ビタミンDなどの栄養素が豊富に含まれています。カルシウムは、骨や歯の健康に欠かせない栄養素です。タンパク質は、筋肉や臓器などの構成成分です。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けます。
- 納豆×きのこ
きのこには、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、セレン、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれています。食物繊維は、便秘の予防や改善、コレステロール値の低下などの効果が期待できます。ビタミンB1は、糖質の代謝を助けます。ビタミンB2は、エネルギーの産生を助けます。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けます。セレンは、抗酸化作用があります。亜鉛は、免疫力アップなどの効果が期待できます。
- 納豆×トマト
トマトには、リコピン、ビタミンC、ビタミンE、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。リコピンは、抗酸化作用があり、動脈硬化や癌の予防などの効果が期待できます。ビタミンCは、免疫力アップや美肌効果などの効果が期待できます。ビタミンEは、抗酸化作用があり、動脈硬化や癌の予防などの効果が期待できます。カリウムは、高血圧の予防や改善などの効果が期待できます。
- 納豆×わかめ
わかめには、食物繊維、ビタミンC、ビタミンE、鉄、ヨウ素などの栄養素が豊富に含まれています。食物繊維は、便秘の予防や改善、コレステロール値の低下などの効果が期待できます。ビタミンCは、免疫力アップや美肌効果などの効果が期待できます。ビタミンEは、抗酸化作用があり、動脈硬化や癌の予防などの効果が期待できます。鉄は、貧血の予防や改善などの効果が期待できます。ヨウ素は、甲状腺ホルモンの分泌を助けます。
これらの組み合わせは、あくまでも一例です。納豆は、さまざまな食材と組み合わせて食べることができます。自分の好みや栄養バランスを考えて、納豆をおいしく、健康的に食べましょう。
納豆は1日どのくらい食べると良い?
納豆は、タンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、健康に良い栄養素が豊富に含まれている食品です。そのため、毎日食べることをおすすめします。
納豆の1日の摂取量の目安は、1パック(40~50g)程度です。 これは、成人が1日に必要なタンパク質量の約10%に相当します。
納豆を食べ過ぎると、プリン体の摂り過ぎにつながる可能性があります。 プリン体は体内で尿酸に代謝され、高尿酸血症の原因となります。高尿酸血症は、痛風や腎臓結石のリスクを高めます。
そのため、納豆は1日1パック程度に留め、他の食品とバランスよく食べるようにしましょう。
納豆を食べるなら夜がおすすめ!
納豆は、いつ食べても良い食品ですが、夜に食べると良いという説がある!
納豆を夜に食べる理由は、以下の2つが挙げられます。
- ナットウキナーゼの血栓溶解作用
納豆に含まれるナットウキナーゼは、血栓を溶かす作用があるとされています。血栓は、血管の詰まりや血流の悪化の原因となるため、血栓を溶かすことで、血管の健康を維持することにつながります。
血栓は、夜から朝にかけて作られやすいため、夜に納豆を食べることで、ナットウキナーゼの血栓溶解作用を最大限に活かすことができると考えられています。
- 成長ホルモンの分泌促進
納豆に含まれるアルギニンは、成長ホルモンの分泌を促す働きがあるとされています。成長ホルモンは、筋肉の合成や骨の成長、肌のターンオーバーなど、さまざまな生理機能に重要な役割を果たしています。
成長ホルモンは、睡眠中に分泌量が増えるため、夜に納豆を食べることで、アルギニンの成長ホルモン分泌促進作用を最大限に活かすことができると考えられています。
ただし、納豆を夜に食べると、その粘り気が胃や腸に負担をかけてしまう可能性があります。そのため、胃や腸が弱い人は、夜に納豆を食べる際には、納豆の粘りをやわらげる工夫をしたり、食べすぎに注意したりしましょう。また、納豆は、血栓を溶かす作用があるため、血をサラサラにする薬を服用している人は、医師に相談してから食べるようにしましょう。
まとめ
納豆は、良質なたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれている発酵食品です。
また、便秘の改善や生活習慣病の予防、骨粗しょう症の予防、更年期障害の改善、免疫力の向上、美肌効果などの健康効果が期待されています。
納豆の適量は、1日あたり1パック(40g)程度です。納豆は、ビタミンK2を多く含んでいます。ビタミンK2は、カルシウムの吸収を促進する働きがあり、骨粗しょう症の予防に効果的です。ただし、ビタミンK2は、血液凝固を促進する働きもあります。そのため、血液凝固を阻害する薬を服用している人は、納豆の摂取量に注意が必要です。
納豆は日本の伝統的な食品の1つだね!