オリーブオイルは大きく4種類あることは知っているかな?
それぞれの違いや用途、使い方などを知って日々の食事に使ってみて
本記事では、オリーブオイルの栄養成分と健康への影響について詳しく紹介します。
目次
オリーブオイルの栄養成分
オリーブオイル大さじ1杯(約14g)の栄養成分は以下の通りです。
栄養素 | 含有量 | 単位 |
---|---|---|
エネルギー | 約126 | kcal |
たんぱく質 | 0 | g |
脂質 | 14 | g |
炭水化物 | 0 | g |
オレイン酸 | 約10 | g |
ビタミンE | 約1.1 | mg |
ビタミンK | 約7.2 | μg |
ポリフェノール | 約20 | mg |
※ 上記の栄養成分は、オリーブオイルの種類やメーカーによって多少異なる場合があります。
オリーブオイルは、オレイン酸やビタミンE、ビタミンK、ポリフェノールなどの栄養素を含んでいます。
オレイン酸: 一価不飽和脂肪酸の一種で、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果があると言われています。
ビタミンE: 抗酸化作用があり、老化防止や美肌効果が期待できます。
ビタミンK: 骨の形成や血液凝固に関与するビタミンです。
ポリフェノール: 抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に効果があると言われています。
オリーブオイルの健康効果
オリーブオイルは、地中海料理に欠かせない食用油ですが、近年ではその健康効果が注目され、世界中で愛されています。ここでは、オリーブオイルの主な健康効果と、効果を最大限に引き出すための選び方や使い方について詳しく説明します。
1. 悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす
オリーブオイルに豊富に含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす効果があります。これは、動脈硬化や高血圧、心筋梗塞などのリスクを低減するのに役立ちます。
2. 血糖値をコントロールする
オリーブオイルは、食後の血糖値の上昇を抑制する効果があります。これは、オレイン酸がインスリンの分泌を促進し、糖の吸収を緩やかにするからです。糖尿病の予防や改善に効果があるとされています。
3. 腸内環境を整える
オリーブオイルには、便秘解消効果のあるオレイン酸やリノール酸が豊富に含まれています。また、腸内細菌のエサとなるポリフェノールも含まれているため、腸内環境を整える効果も期待できます。
4. 美肌効果
オリーブオイルに含まれるオレイン酸やビタミンEは、皮膚の細胞膜を構成する成分です。これらの成分を摂取することで、肌の潤いを保ち、シワやたるみを予防する効果が期待できます。
5. 抗酸化作用
オリーブオイルには、ビタミンEやポリフェノールなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。これらの物質は、体内の活性酸素を除去し、老化や生活習慣病を予防する効果があります。
6. 骨粗鬆症予防
オリーブオイルに含まれるビタミンKは、骨の形成を促進し、骨粗鬆症を予防する効果があります。
7. ダイエット効果
オリーブオイルは、満腹感を高め、食欲を抑制する効果があります。また、脂肪燃焼を促進する効果も期待できます。
オリーブオイルの種類
オリーブオイルは、大きく分けて以下の4種類に分類されます。
オリーブの実を機械的に圧搾して最初に抽出されたオイルで、最も品質の高いオリーブオイルです。酸度が0.8%以下、過酸化物価が20meq/kg以下という厳しい基準をクリアしたものだけが、この称号を名乗ることができます。
特徴
- 香り: 青草、果実、ハーブなど、オリーブ本来の香りが豊か
- 味: 苦味、辛味、甘味がバランス良く感じられる
- 色: 黄緑色から黄金色
- 用途: サラダ、ドレッシング、パンにつけたり、そのまま飲むなど
エキストラバージンオリーブオイルに次いで品質の高いオリーブオイルです。酸度が2.0%以下という基準をクリアしたものだけが、この分類に入ります。
特徴
- 香り: エキストラバージンオリーブオイルよりは控えめ
- 味: エキストラバージンオリーブオイルよりはマイルド
- 色: 黄金色
- 用途: エキストラバージンオリーブオイルと同様
精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたオイルです。酸度が3.3%以下という基準をクリアしたものだけが、この分類に入ります。
特徴
- 香り: バージンオリーブオイルよりはさらに控えめ
- 味: バージンオリーブオイルよりはさらにマイルド
- 色: 淡黄色
- 用途: 炒め物、揚げ物など
化学処理によって脱酸、脱色、脱臭されたオリーブオイルです。酸度が0.3%以下という基準をクリアしたものだけが、この分類に入ります。
特徴
- 香り: ほとんどない
- 味: ほとんどない
- 色: 無色透明
- 用途: 揚げ物など、高温で調理する料理
オリーブオイルの種類の見分け方
オリーブオイルの種類は、以下の方法で確認できます。
1. ラベルを確認する
オリーブオイルのラベルには、必ず種類名が記載されています。
- エクストラバージンオリーブオイル: “Extra Virgin Olive Oil” または “エクストラバージンオリーブオイル”
- バージンオリーブオイル: “Virgin Olive Oil” または “バージンオリーブオイル”
- ピュアオリーブオイル: “Pure Olive Oil” または “ピュアオリーブオイル”
- 精製オリーブオイル: “Refined Olive Oil” または “精製オリーブオイル”
2. 酸度を確認する
オリーブオイルの酸度は、品質の指標の一つです。酸度が低いほど、品質が高いとされています。
- エクストラバージンオリーブオイル: 0.8%以下
- バージンオリーブオイル: 2.0%以下
- ピュアオリーブオイル: 3.3%以下
- 精製オリーブオイル: 0.3%以下
酸度は、ラベルに記載されていることが多いです。
3. 色を確認する
オリーブオイルの色は、品種や産地によって異なりますが、一般的に、
- エクストラバージンオリーブオイル: 黄緑色から黄金色
- バージンオリーブオイル: 黄金色
- ピュアオリーブオイル: 淡黄色
- 精製オリーブオイル: 無色透明
4. 香りと味を確認する
オリーブオイルは、種類によって香りや味が異なります。
- エクストラバージンオリーブオイル: 青草、果実、ハーブなど、オリーブ本来の香りが豊か。苦味、辛味、甘味がバランス良く感じられる。
- バージンオリーブオイル: エキストラバージンオリーブオイルよりは控えめ。
- ピュアオリーブオイル: バージンオリーブオイルよりはさらに控えめ。
- 精製オリーブオイル: ほとんどない。
オリーブオイルを選ぶ際のポイント
- 用途に合った種類を選ぶ
サラダやドレッシングなど、生で使う場合は、香りや風味豊かなエキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイルがおすすめです。炒め物や揚げ物など、加熱調理する場合は、ピュアオリーブオイルや精製オリーブオイルがおすすめです。
- 産地や品種を確認する
オリーブオイルは、産地や品種によって香りや風味が異なります。自分の好みに合ったものを選ぶのがおすすめです。
- スペイン: 濃厚な味わい、苦味や辛味が強い
- イタリア: フルーティーな香り、バランスの良い味わい
- ギリシャ: ハーブのような香り、スパイシーな味わい
品種によっても、味わいや香りが異なります。
- アルベキーナ: フルーティーな香り、マイルドな味わい
- コルチナッキア: アーモンドのような香り、しっかりとした味わい
- ピクアル: ハーブのような香り、苦味や辛味が強い
- 新鮮なものを選ぶ
オリーブオイルは、酸化しやすいので、新鮮なものを選ぶのがおすすめです。購入後は、冷暗所に保存しましょう。
オリーブオイルの効果を最大限に引き出すためには
- エクストラバージンオリーブオイルを選ぶ
オリーブオイルには、エクストラバージンオリーブオイル、バージンオリーブオイル、ピュアオリーブオイル、精製オリーブオイルの4種類があります。健康効果を期待する場合は、最も品質の高いエクストラバージンオリーブオイルを選ぶのがおすすめです。
- 加熱しすぎない
オリーブオイルは、加熱すると酸化しやすくなります。そのため、加熱調理には向かないオリーブオイルもあります。サラダやドレッシングなど、生で使うのがおすすめです。
- 1日大さじ1~2杯を目安に摂取する
オリーブオイルは、カロリーが高いため、摂り過ぎには注意が必要です。1日大さじ1~2杯を目安に摂取しましょう。
オリーブオイルは、脂質が約14g含まれています。脂質は、1日に必要なエネルギー源の一つですが、摂り過ぎると肥満や脂質異常症などのリスクが高まると言われています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、脂質の摂取目標量は、食事から得られるエネルギーの20~30%とされています。オリーブオイルを大さじ1~2杯摂取すると、脂質の摂取目標量の10%程度になります。これは、過剰摂取にならない範囲と考えられます。
欧州連合の研究機関が実施したPREDIMED調査では、1日約40ml(大さじ約2.8杯)のエクストラバージンオリーブオイルを摂取したグループは、心血管疾患や脳卒中のリスクが低下したという結果が出ています。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1200303
オリーブオイルは、一般的に安全な食品とされています。しかし、過剰摂取は下痢などの副作用を引き起こす可能性があります。
オリーブオイルは、あくまでも健康的な食生活の一部として取り入れることが大切です。持病がある方や、妊娠中・授乳中の方は、医師や専門家に相談してから摂取することをおすすめします。
オリーブオイルの栄養を向上させる相性の良い食材
オリーブオイルは、単体でも健康効果の高い食品ですが、他の食材と組み合わせることで、栄養効果をさらに高めることができます。以下に、オリーブオイルと相性の良い食材と、その理由、そしてレシピ例をご紹介します。
1. トマト
トマトに含まれるリコピンは、抗酸化作用が強く、老化や生活習慣病予防に効果的です。オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、リコピンの吸収率を高める効果があります。
- カプレーゼ
- トマトとモッツァレラのサラダ
- ガスパチョ
2. アボカド
アボカドに含まれるオレイン酸やビタミンEは、オリーブオイルに含まれる栄養素と相性が良く、美容効果やアンチエイジング効果を高めてくれます。
- アボカドトースト
- ワカモレ
- アボカドとエビのサラダ
3. 魚
魚に含まれるDHAやEPAは、脳や血管の健康に効果的なオメガ3脂肪酸です。オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、これらの吸収率を高める効果があります。
- アクアパッツァ
- 鮭のムニエル
- イワシのマリネ
4. 緑黄色野菜
緑黄色野菜に含まれるビタミンやミネラルは、オリーブオイルに含まれる脂肪酸と一緒に摂取することで、吸収率が高まります。
- ほうれん草のおひたし
- ブロッコリーのアヒージョ
オリーブオイルはいつ食べると良い?
オリーブオイルは、食前に摂取すると良いとされています。
理由
- オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、満腹感を高めるホルモンの分泌を促す効果があります。食前に摂取することで、食べ過ぎを防ぐことができます。
- オリーブオイルは、胃腸の動きを活発にする効果があります。食前に摂取することで、消化吸収を促進することができます。
- オリーブオイルは、血糖値の上昇を抑制する効果があります。食前に摂取することで、糖尿病などのリスクを軽減することができます。
おすすめのタイミング
- 朝食前にスプーン1杯
- 昼食前にサラダのドレッシングとして
- 夕食前にスープに混ぜて
注意点
- 食前にオリーブオイルを摂取すると、胃腸に負担がかかる可能性があります。
- 胃腸が弱い方は、少量から始め、様子を見ながら量を増やしてください。
- 食後すぐにオリーブオイルを摂取すると、消化吸収の妨げになる可能性があります。
まとめ
オリーブオイルは、地中海沿岸地域で栽培されるオリーブの実から抽出した油です。健康効果や美容効果が期待できることから、世界中で愛されています。オレイン酸やビタミンEなどの栄養素が豊富に含まれており、健康効果が期待できます。
しかし、カロリーが高いため、摂り過ぎには注意が必要です。また、加熱すると酸化しやすくなるため、加熱調理には向かないオリーブオイルもあります。
種類や選び方、保存方法、摂取方法などを理解し、毎日の食生活に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。
「オリーブオイルが健康に良い」と言われるけど本当?
サラダ油などと違って何が良いとされているんだろう?