パースニップは、オリーブオイルなどの脂質と一緒に調理、食べると栄養素を効率的に摂取できるぞ!
本記事では、パースニップの栄養や健康効果について詳しく解説します。
目次
パースニップとは?
パースニップは、ヨーロッパ原産のセリ科の二年草です。古代ギリシャやローマ時代から栽培されており、イギリスでは、伝統的なクリスマスディナーの食材として使われています。ニンジンに似た白い根菜で、別名にアメリカボウフウ、シロニンジン、サトウニンジン、清正ニンジンなどがあります。近年、日本でも注目度が高まっています。
特徴
- ニンジンと形状が似ていますが、色は白く、ニンジンよりも甘みとナッツのような風味が強いです。
- セリ科特有の風味があり、冬の寒さに強い野菜です。
- 晩秋から初春にかけて収穫され、特に冬を越したものは甘みが増すと言われています。旬は11月~3月です。
- 長期保存が可能で、冬の保存野菜として優れています。
パースニップと人参の違い
項目 | パースニップ | 人参 |
---|---|---|
色 | 白 | オレンジ |
形 | 太い | 細長い |
先端 | 丸みを帯びている | 尖っている |
葉 | 緑色が濃く、香りが強い | 緑色が薄く、香り弱い |
味 | 甘味が強く、ナッツのような風味 | 甘味が弱く、土臭い風味 |
食感 | 柔らかい | 硬い |
食物繊維 | 多い | 少ない |
ビタミンC | 多い | 少ない |
カリウム | 多い | 少ない |
β-カロテン | 豊富 | 豊富 |
ビタミンK | 豊富 | 少ない |
科 | セリ科 | セリ科 |
原産 | ヨーロッパ、北米 | ヨーロッパ、アジア |
旬 | 冬 | 冬 |
パースニップは生でサラダやスムージーに入れることもできますが、人参は生で食べると味が薄く、食感が硬いため、一般的には加熱調理して食べます。
パースニップと人参は、見た目は似ていますが、味や栄養、調理方法などに違いがあります。パースニップは、人参よりも甘味が強く、栄養価が高いので、ぜひ食卓に取り入れてみてください。
パースニップの栄養価
パースニップは、ビタミンCやカリウム、食物繊維など、健康維持に役立つ栄養素を豊富に含んでいます。
パースニップ100gあたりの栄養成分
栄養素 | 含有量 | 単位 |
---|---|---|
エネルギー | 75 | kcal |
たんぱく質 | 1.5 | g |
脂質 | 0.3 | g |
炭水化物 | 17.1 | g |
食物繊維 | 6.5 | g |
灰分 | 1.0 | g |
水分 | 78.6 | g |
ビタミンC | 44 | mg |
カリウム | 550 | mg |
カルシウム | 44 | mg |
鉄 | 0.4 | mg |
β-カロテン | 900 | μg |
上記の栄養成分は、栽培方法や品種、収穫時期などによって多少異なる場合があります。
食物繊維は、腸内環境を整える効果があります。ビタミンCは、美肌効果や免疫力向上効果があります。カリウムは、体内の余分な水分を排出し、むくみや高血圧を予防する効果があります。
パースニップの健康効果
1. 腸内環境を整える
パースニップには、便秘解消や腸内環境を整える効果がある食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果があります。また、便の量を増やし、腸のぜん動運動を活発にすることで、便秘解消にも役立ちます。
2. 美肌効果・免疫力向上
パースニップには、美肌効果や免疫力向上効果があるビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、シミやシワなどの肌トラブルを予防します。また、免疫細胞を活性化し、風邪や感染症などの予防にも役立ちます。
3. むくみや高血圧を予防
パースニップには、体内の余分な水分を排出し、むくみや高血圧を予防する効果があるカリウムが豊富に含まれています。カリウムは、ナトリウムの排泄を促進し、体内の水分バランスを調整することで、むくみや高血圧の予防に役立ちます。
4. その他の健康効果
- 抗酸化作用:β-カロテンが豊富に含まれており、細胞の酸化を防ぎ、老化や生活習慣病を予防する効果があります。
- 骨粗鬆症予防:カルシウムが豊富に含まれており、骨の形成を促進し、骨粗鬆症を予防する効果があります。
- 貧血予防:鉄分が豊富に含まれており、貧血の予防に役立ちます。
パースニップの食べ方・調理方法
パースニップは、様々な料理に活用できる冬野菜です。以下に、いくつかの食べ方と調理方法をご紹介します。
1. スープやシチュー
パースニップは、スープやシチューなどの煮込み料理に最適です。ニンジンよりも甘みと風味が強いため、料理に深みを与えてくれます。
- パースニップを皮をむいて、乱切りにする。
- 鍋にバターを熱し、玉ねぎを炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたら、パースニップと水またはスープを加えて煮込む。
- パースニップが柔らかくなったら、塩コショウで味を調える。
2. ロースト
パースニップをローストすると、甘みと香りを引き出すことができます。
- パースニップを皮をむいて、スティック状に切る。
- ボウルにパースニップ、オリーブオイル、塩コショウを入れてよく混ぜる。
- 天板にクッキングシートを敷き、パースニップを並べる。
- 200℃に予熱したオーブンで20~30分焼く。
3. マッシュ
パースニップをマッシュして、ジャガイモのマッシュポテトの代わりに使うことができます。
- パースニップを皮をむいて、茹でる。
- 茹で上がったパースニップを、マッシャーで潰す。
- バター、牛乳、塩コショウを加えて、味を調える。
4. ピクルス
パースニップをピクルスにして、保存食にすることもできます。
- パースニップを皮をむいて、薄切りにする。
- 酢、水、砂糖、塩を合わせて、ピクルス液を作る。
- パースニップとピクルス液を瓶に入れて、冷蔵庫で保存する。
その他にも、パースニップは、生でサラダにしても食べられます。スティック状に切って、ディップソースにつけたり、チップスにして、おやつにして食べても美味しいです。
調理のポイント
- パースニップは、ニンジンよりも火が通りやすいので、煮込み過ぎないように注意しましょう。
- 皮はむいても食べられますが、栄養価が高いので、皮ごと食べるのもおすすめです。
- パセリやタイムなどのハーブを加えると、風味豊かに仕上がります。
パースニップの適切な摂取量と注意点
適切な摂取量
パースニップは、食物繊維が豊富に含まれているため、食べ過ぎると腹痛や下痢を引き起こす可能性があります。そのため、1日100g程度を目安に食べるのがおすすめです。
食べるときの注意点
- セリ科の植物にアレルギーがある方は、注意が必要です。
- 食物繊維が豊富なので、消化機能が弱い方は、少しずつ食べるようにしましょう。
- 皮ごと食べる場合は、よく洗ってから調理しましょう。
栄養素の吸収を高める方法
パースニップに含まれるβ-カロテンは、脂質と一緒に摂ると吸収率が高くなります。そのため、オリーブオイルなどの油と一緒に調理するとおすすめです。
パースニップはどこで買える?
パースニップは、まだ日本では一般的ではないため、全てのスーパーで販売されているわけではありません。しかし、近年は徐々に知名度が上がってきており、取り扱っているスーパーも増えてきています。
パースニップを見つけやすいスーパー
- 成城石井
- 紀ノ国屋
- イオン
- イトーヨーカドー
- マルエツ
- ライフ
これらのスーパーでも、常に販売されているとは限りませんので、事前に店舗に確認することをおすすめします。
パースニップを購入できる場所
- 生協
- 農産物直売所
- マルシェ
- オンラインショップ
パースニップを見つけるためのヒント
- 野菜売り場の隅の方に置いてあることが多いです。
- 「西洋ニンジン」や「パースニップ」という名前で販売されていることがあります。
- 見た目はニンジンに似ていますが、色は白く、香りがより強いです。
パースニップが手に入らない場合は
パースニップの代わりに、以下の野菜を使用することができます。
- セロリ
- 白カブ
- 大根
これらの野菜は、パースニップと似たような食感と風味を持っています。
パースニップの選び方・保存方法
パースニップの選び方
- 形:太さが均一で、曲がったり、傷がないものを選びましょう。
- 色:皮は白く、光沢のあるものを選びましょう。
- 葉:葉は緑色で、萎れていないものを選びましょう。
- 硬さ:しっかりと硬いものを選びましょう。
パースニップの保存方法
- 冷蔵庫:野菜室で約1週間保存できます。
- 新聞紙:新聞紙に包んで冷蔵庫に入れると、さらに長持ちします。
- 冷凍:皮をむいて、乱切りまたはスティック状にカットしてから冷凍保存できます。冷凍保存期間は、約3ヶ月です。
パースニップの保存時の注意点
- パースニップは、水分に弱いので、濡らさないように注意しましょう。
- エチレンガスを発生する果物と一緒に保存すると、傷みやすくなるので、避けましょう。
冬のに最も強い野菜の一つ「パースニップ」。
加熱調理すると、人参とは比べものにならないほど、甘みが増してホクホクした触感になるんだって!