ほうれん草は、栄養価が高く健康に多くの効果をもたらす緑黄色野菜。
栄養を損なわずに食べるときのポイントを知っておくのじゃ。
この記事では、ほうれん草の主な栄養成分と健康効果について詳しく紹介します。
目次
ほうれん草の栄養成分
ほうれん草は、ビタミンA、ビタミンC、葉酸、鉄分、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれている緑黄色野菜です。ほうれん草100gあたりの栄養成分は、以下のとおりです。
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 18kcal |
たんぱく質 | 2.2g |
脂質 | 0.4g |
炭水化物 | 3.1g |
食物繊維 | 2.0g |
ビタミンA(βカロテン当量) | 4200μg |
ビタミンC | 35mg |
ビタミンE | 1.5mg |
ビタミンK | 240μg |
葉酸 | 240μg |
鉄分 | 2.0mg |
カリウム | 690mg |
ほうれん草の栄養素の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- ビタミンA
ほうれん草は、ビタミンAの含有量が野菜の中でもトップクラスです。ビタミンAは、視覚や皮膚の健康維持、免疫機能の向上などに役立つ栄養素です。
- ビタミンC
ほうれん草は、ビタミンCの含有量も豊富です。ビタミンCは、コラーゲンの生成や抗酸化作用など、さまざまな働きを持つ栄養素です。
- 鉄分
ほうれん草は、鉄分の含有量も豊富です。鉄分は、血液の構成成分であり、貧血の予防や改善に役立つ栄養素です。
- カリウム
ほうれん草は、カリウムの含有量も豊富です。カリウムは、体内の余分な塩分を排出する働きがあり、高血圧の予防や改善に役立つ栄養素です。
- 葉酸
ほうれん草は、葉酸の含有量も豊富です。葉酸は、胎児の正常な発育に欠かせない栄養素です。特に葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害の予防に効果的です。
ほうれん草の健康効果
ほうれん草は、緑黄色野菜の中でも栄養価が高く、古くから日本人に親しまれてきた食材です。その中でも、特に注目すべきなのが、以下の7つの効能です。
1. 貧血予防
ほうれん草には、鉄分が豊富に含まれています。鉄分は、ヘモグロビンを作るために必要な栄養素であり、酸素を体中に運搬する役割を担っています。貧血は、鉄分不足が原因で起こる病気であり、めまい、立ちくらみ、息切れなどの症状が現れます。ほうれん草を積極的に摂取することで、鉄分不足を解消し、貧血予防に効果が期待できます。
2. 便秘解消
ほうれん草には、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、腸内環境を整え、便秘解消に効果があります。また、食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やす効果もあります。善玉菌が増えると、腸の動きが活発になり、さらに便秘解消に効果が期待できます。
3. 美肌効果
ほうれん草には、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、抗酸化作用があり、シミやシワの原因となる活性酸素を除去する効果があります。また、ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進する効果もあり、肌の弾力性を維持する効果も期待できます。
4. 目の健康維持
ほうれん草には、ビタミンAとルテインが豊富に含まれています。ビタミンAは、視力維持に不可欠な栄養素であり、網膜の細胞を正常に保つ役割を担っています。ルテインは、目の黄斑にある色素であり、紫外線による目のダメージを防ぐ効果があります。これらの栄養素を摂取することで、目の健康維持に効果が期待できます。
5. 骨や歯を丈夫にする
ほうれん草には、カルシウム、マグネシウム、ビタミンKが豊富に含まれています。カルシウムは、骨や歯の形成に不可欠な栄養素であり、骨粗鬆症などの予防に効果があります。マグネシウムは、カルシウムの吸収を促進する効果があります。ビタミンKは、骨のタンパク質であるオステオカルシンの活性化に必要であり、骨の形成と代謝を促進する効果があります。
6. 免疫力向上
ほうれん草には、ビタミンCとβ-カロテンが豊富に含まれています。ビタミンCは、白血球の機能を活性化し、免疫力を高める効果があります。β-カロテンは、体内でビタミンAに変換される栄養素であり、抗感染作用や抗炎症作用があります。これらの栄養素を摂取することで、風邪などの感染症予防に効果が期待できます。
7. その他
ほうれん草には、抗酸化作用、抗炎症作用、抗ガン作用など、様々な健康効果があります。これらの効果は、ほうれん草に含まれる様々な栄養素が複合的に働くことで得られると考えられています。
ほうれん草の栄養を高める食べ方
ほうれん草は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれている緑黄色野菜です。ほうれん草の栄養を高める食べ方には、以下のようなものがあります。
- 軽く加熱する:ほうれん草は、加熱することで、シュウ酸の含有量が減少します。また、加熱することで、ビタミンAやβカロテンなどの栄養素の吸収率が向上します。そのため、ほうれん草を調理する場合は、加熱することをおすすめします。湯通しや蒸し、軽く炒めるなどが適しています。ほうれん草の栄養が流れ出ない茹で時間は、約1~2分です。長時間の加熱は栄養素の一部を損なう可能性があるので、できるだけ短時間で加熱しましょう。
- 適切な保存方法を守る:ほうれん草は、葉が柔らかく、鮮度が落ちやすい野菜です。購入後すぐに、根元を切り落とします。そのあと水でよく洗い、水気をよく切ったら、濡れ布巾で包んで、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。ほうれん草を長く保存したい場合は、冷凍保存も可能です。ほうれん草を洗って水気を切ったら、適当な大きさに切って、ジップロックなどの保存袋に入れて、冷凍庫に入れましょう。
- 過剰な摂取を避ける:ほうれん草に含まれるシュウ酸は、カルシウムと結合して結石を形成する可能性があり、結石のリスクが高くなります。その他にも硝酸塩という成分も含まれており、硝酸塩は、体内で亜硝酸塩に変化します。亜硝酸塩は、赤血球の機能を低下させ、貧血を引き起こす可能性があります。そのため、ほうれん草を大量に摂取すると、貧血のリスクが高くなります。ほうれん草の適量は、1日あたり100~150g程度です。ほうれん草を大量に食べる場合は、カルシウムやビタミンCを豊富に含む食品と一緒に食べるようにしましょう。
- 他の食材と組み合わせる:ほうれん草は他の食材と組み合わせることで、栄養の相乗効果が得られます。例えば、ほうれん草のサラダにトマトやキュウリを加えると、ビタミンCや食物繊維が豊富になります。
ほうれん草は健康に良い栄養が豊富に含まれているため、食事に取り入れることでバランスの取れた食生活を実践できます。
ほうれん草の栄養価を高める相性の良い食材とレシピ例
ほうれん草の栄養価を高めるためには、以下の食材と組み合わせて食べるのがおすすめです。
- 酸味のある食材
ほうれん草に含まれる鉄分は、非ヘム鉄と呼ばれる種類の鉄分です。非ヘム鉄は、ビタミンCなどの酸味のある成分と摂取することで、吸収率がアップします。そのため、ほうれん草とレモンや酢、柑橘類などを組み合わせて食べるのがおすすめです。
ビタミンCを多く含む食材としては、レモンやオレンジなどの柑橘類、キウイフルーツ、ブロッコリー、ピーマンなどが挙げられます。
ほうれん草とツナ、レモン汁、マヨネーズを和えたサラダです。ほうれん草の鉄分とツナのたんぱく質、レモンのビタミンCが相まって、栄養価がアップします。
- たんぱく質を含む食材
ほうれん草に含まれる鉄分は、タンパク質と結合することで、吸収率がアップします。そのため、ほうれん草と肉や魚、卵などのたんぱく質を含む食材を組み合わせて食べるのがおすすめです。
たんぱく質を多く含む食材としては、肉類、魚介類、卵、大豆製品などが挙げられます。
ほうれん草と肉団子、ホワイトソース、チーズをオーブンで焼いたグラタンです。ほうれん草の鉄分と肉団子のたんぱく質、ホワイトソースのビタミンCが相まって、栄養価がアップします。
- ビタミンB12を含む食材
ほうれん草に含まれる葉酸は、ビタミンB12と摂取することで、吸収率がアップします。そのため、ほうれん草とレバーやうなぎなどのビタミンB12を含む食材を組み合わせて食べるのがおすすめです。
ほうれん草とレバー、ごま油、醤油を炒めた料理です。ほうれん草の葉酸とレバーのビタミンB12が相まって、栄養価がアップします。
また、ほうれん草は、生で食べるよりも、加熱することで栄養価がアップすると言われています。そのため、ほうれん草を炒めたり、煮たり、焼いたりするなどして、加熱調理で食べることをおすすめします。
ほうれん草はいつ食べると良い?
ほうれん草は、いつ食べても良いですが、特におすすめのタイミングは、以下のとおりです。
- 朝食
ほうれん草に含まれるビタミンCは、朝食に摂取することで、日中の活力アップに役立ちます。また、ほうれん草に含まれる葉酸は、胎児の正常な発育に欠かせない栄養素なので、妊娠中の方や妊娠を考えている方は、朝食にほうれん草を摂取することをおすすめします。
- 昼食
ほうれん草に含まれる食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。そのため、昼食にほうれん草を摂取することで、血糖値のコントロールに役立ちます。
- 夕食
ほうれん草に含まれるビタミンCは、美肌効果やアンチエイジング効果が期待できます。また、ほうれん草に含まれる葉酸は、睡眠の質を高める働きがあります。そのため、夕食にほうれん草を摂取することで、美肌やアンチエイジング、睡眠の質の向上に役立ちます。
また、ほうれん草に含まれる鉄分は、吸収率が低いと言われています。そのため、ほうれん草を摂取する際は、レモンや酢、柑橘類などの酸味のある食材や、肉や魚、卵などのたんぱく質を含む食材と組み合わせて食べると、鉄分の吸収率を高めることができます。
- 朝食
ほうれん草とツナのサラダ、ほうれん草と卵の炒め物
- 昼食
ほうれん草とツナのピラフ、ほうれん草とベーコンのグラタン
- 夕食
ほうれん草と豚肉のしゃぶしゃぶ、ほうれん草と鮭のムニエル
自分のライフスタイルや好みに合わせて、ほうれん草を毎日の食生活に取り入れて、健康に役立てましょう。
ほうれん草は冷凍と生どちらが栄養価が高い?
ほうれん草の栄養価は、冷凍と生で大きな差はなし!
ほうれん草に含まれるビタミンCや葉酸などの水溶性ビタミンは、加熱や冷凍によって、ある程度の損失が生じると言われています。しかし、ほうれん草のビタミンCや葉酸の含有量は、もともと他の野菜と比べて豊富であるため、冷凍によってもそれほど大きな損失は生じません。
また、ほうれん草に含まれるβ-カロテンなどの脂溶性ビタミンは、加熱によって吸収率がアップすると言われています。そのため、ほうれん草を炒めたり、煮たりするなどして加熱調理することで、栄養価を高めることができます。
ただし、冷凍ほうれん草は、生のほうれん草よりも、葉の色が濃く、食感が劣る場合があります。また、冷凍保存中に、ビタミンCやカリウムなどの一部の栄養素が失われる可能性があることも、注意が必要です。
以上のことから、ほうれん草の栄養価を重視するなら、生のほうれん草を積極的に摂取するのがおすすめです。しかし、生のほうれん草は、保存が難しく、日持ちがしないのがデメリットです。そのため、手軽にほうれん草を摂取したい場合は、冷凍ほうれん草も活用すると良いでしょう。
ほうれん草と小松菜の栄養の違い
ほうれん草と小松菜は、どちらも栄養価の高い緑黄色野菜ですが、栄養素のバランスや含有量には、いくつかの違いがあります。
ほうれん草
ほうれん草は、ビタミンA、ビタミンC、葉酸、鉄分、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。特に、ビタミンAの含有量はトップクラスで、視覚や皮膚の健康維持、免疫機能の向上などに役立つ栄養素です。また、鉄分は、貧血の予防や改善に役立つ栄養素です。
小松菜
小松菜は、ほうれん草に比べて、カルシウムやビタミンKの含有量が豊富です。特に、カルシウムの含有量は、ほうれん草の約3.5倍と、牛乳の約1.5倍にもなります。カルシウムは、骨や歯の健康維持、高血圧の予防や改善などに役立つ栄養素です。また、ビタミンKは、血液を固める働きや、骨粗しょう症の予防に役立つ栄養素です。
具体的には、以下のような違いがあります。
栄養素 | ほうれん草 | 小松菜 |
---|---|---|
ビタミンA | 4200μg | 3100μg |
ビタミンC | 35mg | 39mg |
葉酸 | 240μg | 240μg |
鉄分 | 2.0mg | 2.8mg |
カリウム | 690mg | 500mg |
カルシウム | 49mg | 170mg |
どちらの野菜も、毎日の食生活に取り入れることで、健康に役立ちます。自分の健康状態や食生活に合わせて、どちらの野菜を積極的に摂取するかを決めると良いでしょう。
ほうれん草と、サラダほうれん草どちらが栄養価高い?
サラダほうれん草とほうれん草は同じ植物であり、同じ栄養成分を持っています。ただし、一般的にはサラダほうれん草と呼ばれるものは、比較的若いうちに収穫された柔らかな葉が使われます。一方、ほうれん草はより成熟した葉を指すことがあります。
実は、ほうれん草とサラダほうれん草の栄養価は、ほとんど同じ!
個人の好みや料理の用途に応じて選ぶことがおすすめ!!
どちらのほうれん草も、ビタミンやミネラル、抗酸化物質、食物繊維などが豊富に含まれており、健康に良い効果が期待できます。
サラダほうれん草は、ほうれん草よりもアクが少なく、生で食べることが一般的です。そのため、サラダほうれん草は、ほうれん草よりもビタミンCやビタミンKなどの栄養素を多く含んでいます。
一方、ほうれん草は成熟しているため、アクが強いため、生で食べると、独特のえぐみや苦みがあります。湯通しや炒めるなど、軽く加熱して食べることが一般的です。加熱することで、ビタミンCや葉酸などの栄養素の吸収率が向上します。
どちらも栄養価が高く、健康に良い食材であるため、バラエティ豊かな食事に取り入れ、健康をサポートするために両方のほうれん草を楽しんでください。
ほうれん草は、貧血予防だけでなく、美肌効果も実証されているんだって!
ビタミンCの含有量はりんごの約4倍…!!