糖質をエネルギーに変換する際に必要な補酵素として働き、エネルギー代謝の潤滑油のような役割を果たしているんだって!
本記事では、ビタミンB1の効果や、多く含む食品について詳しく紹介します。
目次
ビタミンB1の役割と効果
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する際に必要不可欠な補酵素として働きます。脳や神経系、筋肉、心臓など、エネルギーを多く必要とする臓器や組織の機能維持に重要な役割を果たします。
具体的には、以下の効果が期待できます。
- エネルギー代謝の促進: 糖質を効率的にエネルギーに変換し、疲労回復や集中力アップに効果が期待できます。
- 神経系の機能維持: 神経細胞のエネルギー代謝を促進し、神経伝達物質の合成に関与することで、集中力や記憶力、反射神経の維持に効果が期待できます。
- 消化器系の機能維持: 消化酵素の働きをサポートすることで、消化吸収を促進し、便秘解消に効果が期待できます。
- 免疫機能の向上: 免疫細胞のエネルギー代謝を促進することで、免疫機能の向上に効果が期待できます。
- 皮膚や粘膜の健康維持: 皮膚や粘膜の細胞のエネルギー代謝を促進することで、健康的な皮膚や粘膜を維持するのに役立ちます。
ビタミンB1は他のビタミンと何が違う?
ビタミンB群は、8種類のビタミンで構成される水溶性ビタミンの一群です。それぞれ異なる役割を持ちますが、共通点も多く、相互作用しながら体内で働いています。
- ビタミンB1と糖質を一緒に摂取する: 糖質をエネルギーに変換する際にビタミンB1が必要となるため、一緒に摂取することで効率的に吸収されます。
- ビタミンB1とビタミンB6を一緒に摂取する: タンパク質代謝を促進するため、一緒に摂取することで効果がアップします。
- ビタミンB1と鉄を一緒に摂取する: 貧血予防効果が期待できます。
代表的なビタミンB群
ビタミン | 別名 | 代表的な食品 | 生理機能 | 不足症状 |
---|---|---|---|---|
ビタミンB1 | チアミン | 豚肉、玄米、豆類、ナッツ類、魚介類、緑黄色野菜 | 糖質代謝、神経機能 | 脚気、疲労、集中力低下、消化器症状 |
ビタミンB2 | リボフラビン | レバー、うなぎ、チーズ、牛乳、卵、緑黄色野菜 | エネルギー代謝、皮膚粘膜の健康維持 | 口内炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、目の疲労 |
ナイアシン | ニコチン酸 | レバー、豚肉、鶏肉、魚介類、豆類、きのこ類 | エネルギー代謝、脂質代謝 | ペラグラ |
パントテン酸 | – | レバー、肉類、魚介類、卵、アボカド、きのこ類 | エネルギー代謝、脂質代謝、ホルモン合成 | 倦怠感、疲労、不眠、頭痛 |
ビタミンB6 | ピリドキシン | 鶏肉、豚肉、魚介類、バナナ、アボカド、ナッツ類 | タンパク質代謝、神経機能 | 口内炎、貧血、皮膚炎、神経障害 |
ビオチン | – | レバー、卵、チーズ、牛乳、ナッツ類、きのこ類 | 脂質代謝、タンパク質代謝、糖質代謝 | 皮膚炎、脱毛、疲労、筋肉痛 |
葉酸 | – | 緑黄色野菜、豆類、レバー、卵、アボカド | DNA合成、赤血球形成 | 貧血、胎児の先天性異常 |
ビタミンB12 | コバラミン | レバー、牛肉、豚肉、魚介類、乳製品 | DNA合成、神経機能 | 貧血、神経障害 |
ビタミンB1を多く含む食品
ビタミンB1を多く含む3つのカテゴリ
ビタミンB1を多く含む食品を以下の3つのカテゴリに分けて詳しく紹介し、それぞれのおすすめの組み合わせも紹介します。
1. 肉類
- 豚肉: 特に、ロースやヒレなどの部位に多く含まれています。
- 鶏肉: 鶏もも肉や鶏むね肉にもビタミンB1が豊富に含まれています。
- レバー: ビタミンB1以外にも、鉄や葉酸などの栄養素も豊富に含まれています。
- 豚肉と玄米:ビタミンB1と糖質を一緒に摂取することで、エネルギー代謝を効率化することができます。
- 鶏肉とアボカド:ビタミンB1とビタミンB6を一緒に摂取することで、タンパク質代謝を促進することができます。
- レバーとひじき:ビタミンB1と鉄を一緒に摂取することで、貧血予防効果が期待できます。
2. 魚介類
- うなぎ: ビタミンB1の含有量が特に多い魚介類です。
- ぶり: 脂の乗ったぶりは、ビタミンB1以外にもDHAやEPAなどの栄養素も豊富に含まれています。
- サバ: サバ缶も手軽にビタミンB1を摂取できる食品です。
- うなぎと玄米:ビタミンB1と糖質を一緒に摂取することで、疲労回復効果が期待できます。
- ぶりと納豆:ビタミンB1とビタミンB6を一緒に摂取することで、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
- サバ缶とトマト:ビタミンB1とビタミンCを一緒に摂取することで、免疫力を高める効果が期待できます。
3. 植物性食品
- 玄米: 白米よりもビタミンB1の含有量が格段に多いです。
- 大豆: 納豆や豆腐などの大豆製品もビタミンB1が豊富です。
- ナッツ類: アーモンドやピーナッツなどのナッツ類にもビタミンB1が含まれています。
- 玄米と納豆:ビタミンB1とタなンパク質を一緒に摂取することで、筋肉の健康維持に役立ちます。
- 大豆とひじき:ビタミンB1と鉄を一緒に摂取することで、貧血予防効果が期待できます。
- ナッツ類とヨーグルト:ビタミンB1とカルシウムを一緒に摂取することで、骨や歯の健康維持に役立ちます。
ビタミンB1トップ10食品ランキング表
順位 | 食品 | ビタミンB1含有量 (100gあたり) | 特徴 | おすすめの組み合わせ |
---|---|---|---|---|
1位 | 豚肉(バラ) | 0.8mg | 脂肪が多い部位だが、ビタミンB1の含有量もトップクラス。 | 玄米、キムチ、卵 |
2位 | サバ缶 | 0.3mg | 手軽に調理できる。骨まで食べられるのでカルシウムも豊富。 | 玄米、トマト、ブロッコリー |
3位 | ぶり | 0.3mg | DHAやEPAなどの栄養素も豊富。脳の健康にも良い。 | 玄米、ひじき、野菜たっぷり味噌汁 |
4位 | 玄米 | 0.4mg | 白米よりもビタミンB1や食物繊維が豊富。 | 納豆、鮭、きのこ類 |
5位 | ピーナッツ | 0.4mg | 手軽に食べられる間食。オメガ3脂肪酸も豊富。 | ドライフルーツ、ヨーグルト、サラダ |
6位 | 納豆 | 0.4mg | 納豆菌による発酵食品で、腸内環境を整える効果も期待できる。 | 玄米、キムチ、海苔 |
7位 | うなぎ | 0.5mg | ビタミンAやDHAも豊富。夏バテ防止にも効果的。 | 玄米、山菜、卵 |
8位 | 大豆 | 0.5mg | 植物性タンパク質が豊富。コレステロールもゼロ。 | 玄米、納豆、ひじき |
9位 | 鶏むね肉 | 0.6mg | 低脂肪で高タンパク質。ダイエット中にもおすすめ。 | 玄米、ブロッコリー、きのこ類 |
10位 | 豚肉(ロース・ヒレ) | 0.7mg | 脂肪が少なく、タンパク質も豊富。 | 玄米、納豆、アボカド |
ビタミンB1を効率的に摂取する方法
ビタミンB1を効率的に摂取するには、以下の点に注意しましょう。
- ビタミンB1を多く含む食品を積極的に摂取する: 上記で紹介したビタミンB1を多く含む食品を、バランス良く食事に取り入れるようにしましょう。
- 調理方法に注意する: ビタミンB1は水溶性ビタミンなので、調理中に溶け出ないように注意が必要です。野菜は炒めすぎないようにし、煮物は煮汁ごと食べるようにしましょう。
- 保存方法に注意する: ビタミンB1は日光や熱に弱い性質があります。食品を保存する際は、涼しい暗所で保存しましょう。
ビタミンB1の不足・過剰による影響
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンB1の1日の推奨摂取量は、年齢と性別によって以下の通りです。
- 成人男性: 1.4mg
- 成人女性: 1.1mg
- 18歳未満: 0.7~1.2mg
妊婦や授乳婦の場合は、さらに多くのビタミンB1が必要となります。
ビタミンB1が不足する原因と症状
ビタミンB1が不足すると、以下のような症状が現れる可能性があります。
- 倦怠感: エネルギー不足により、慢性的な疲労感やだるさを感じることがあります。
- 脚気: ビタミンB1が極端に不足すると、脚気と呼ばれる症状が現れます。脚気には、乾燥性脚気と湿性脚気の2種類があり、症状は以下の通りです。
- 乾燥性脚気: 足のむくみ、しびれ、脱力感、歩行障害などが現れます。
- 湿性脚気: 心不全、心拡大、呼吸困難、浮腫などが現れます。
- 集中力低下: 脳のエネルギー代謝が低下することで、集中力や記憶力が低下することがあります。
- イライラ: 神経伝達物質の合成が阻害されることで、イライラや不安感を感じることがあります。
- 便秘: 消化酵素の働きが低下することで、便秘になることがあります。
- 皮膚や粘膜のトラブル: 皮膚や粘膜の細胞のエネルギー代謝が低下することで、口内炎、舌炎、皮膚炎などが起こることがあります。
ビタミンB1の過剰摂取と症状
ビタミンB1は水溶性ビタミンなので、過剰摂取しても尿と一緒に排出されるため、健康被害が出る心配はほとんどありません。しかし、大量に摂取し続けると、下痢や尿が黄色くなるなどの症状が現れる可能性があります。
ビタミンB1はサプリメントと飲み物で補うことも可能?
ビタミンB1は、主に食品から摂取することができますが、サプリメントや飲み物からも補うことが可能です。それぞれの特徴と注意点は以下の通りです。
サプリメント
- メリット:
- 手軽に高濃度のビタミンB1を摂取できる。
- 食事から十分なビタミンB1を摂取できない場合に役立つ。
- その他のビタミンB群と一緒に配合されているものが多い。
- デメリット:
- 飲み過ぎると、下痢や吐き気などの副作用が現れることがある。
- 費用がかかる。
- 注意点:
- 信頼できるメーカーのものを選ぶ。
- 推奨摂取量を守って服用する。
- 服用中の薬がある場合は、事前に医師に相談する。
飲み物
- メリット:
- 手軽にビタミンB1を摂取できる。
- 食事やサプリメントが苦手な人でも摂取しやすい。
- フレーバーが豊富で、楽しみながら摂取できる。
- デメリット:
- サプリメントに比べてビタミンB1の含有量が低いことが多い。
- 糖質や人工甘味料などが含まれているものが多い。
- 注意点:
- ビタミンB1の含有量だけでなく、糖質や人工甘味料などの添加物も確認する。
- 飲み過ぎないように注意する。
どちらを選ぶべき?
サプリメントと飲み物、どちらを選ぶべきかは、個人のライフスタイルやニーズによって異なります。食事から十分なビタミンB1を摂取できている場合は、サプリメントや飲み物は必要ありません。
しかし、日々の食事から十分なビタミンB1を摂取できない場合は、サプリメントや飲み物を活用するのも良いでしょう。
サプリメントを選ぶ場合は、信頼できるメーカーのものを選び、推奨摂取量を守って服用するようにしましょう。
飲み物を選ぶ場合は、ビタミンB1の含有量だけでなく、糖質や人工甘味料などの添加物も確認し、飲み過ぎないように注意しましょう。
ビタミンB1は、「チアミン」とも呼ばれる水溶性ビタミンの一種!